万人が万人、同じ考えに視点など持ち得ない

「まぁこの辺りは取材された方々のやり方もあると思いますが、君達がそういった配慮だったりをしてないことについてを私は別の角度から記事にしたんですよ。ただ本当なら工藤君だけで記事を書き上げてもう少し早めに世に送り出そうとしてたんですが、服部君が度々こちらに来ていると言ったことをキャッチしたことから服部君についても関西に行って調べてみたら、工藤君と似たような結果になってそれを記事にしたから少し遅くなったというわけです」
「な・・・!?」
「いや~、工藤君も工藤君ですけど服部君は立場的にそれはどうなのかな~と私も思いましたよ。服部君の父親は大阪府警の本部長でスキャンダル関係はご法度だというのもそうですが、事件が起きたなら犯人に関してはまだにしてもその場にいただけの方々に関してのプライバシーを妄りに警察として広めることは望まれないはずです。ですが君はそういったことはあまり考えたような事もなく、高校生探偵として向こうでは有名だったようですからね~・・・この辺りの事を考えていなかったのは私から言われたくはないかもしれませんが色々と迂闊だと思いましたし、服部君のお父さんも今頃頭を抱えているんじゃないんですかね?私の書いた記事が世に出てしまったことに」
「っ!」
そんな二人のことから射命丸は服部一人に視線を向けて特にまずいというように話をしていくのだが、にこやかに口にされていく話とは真逆に服部は愕然としたように目を見開くしかなかった。色黒な顔色が変わったかは見た目からは分かりにくいが、服部自身だけではなく親にまで迷惑をかけたことが分かると予測出来ることを言われて。






・・・射命丸が言ったが、新一の事を取材する中で服部も時たま東都に来て事件に関わっていることは調べがついていた。ついでに言うなら時折新一側も大阪に行き、どちらの時でもまず間違いなくどちらかの方に行ったなら事件が起きるというオマケ付きでだ。

この事から射命丸は折角なら服部の事も記事にしようと大阪の方へと動いた。東だけでなく、西の高校生探偵もそこに加える事が出来たなら話題性として事欠かない見出しになると。そしてそれは間違ってはいなかった。

その理由は向こうの方で高校生探偵として名高かった服部のネームバリューは新一に比べて劣っていなかったのもあるが、何より親の立場が立場であったことだ。大阪府警の本部長の子どもであり、現場の刑事とも顔見知りであり普通に現場に現れ事件を解決するのだが・・・そのやり方が先程言ったような物である。自分が事件を解決したのだと誰憚ることなく口にし、人のプライバシーであったりを気にしたような様子が見えないと言える様子の。

これらに関して大きな問題になっていなかったのはまた先程言ったような事からというのが理由であるが、だからこそそんな風な気持ちを事件の関係者に抱かれていると服部に印象を抱かれたなら、親の存在を特に秘密にはしていなかったということを差し引いても大勢の人々に記事にされたことから親・・・ひいては警察のイメージダウンに繋がるのは明白な事だった。今までそんなことを考えずに服部を自由にさせ過ぎたことは。

・・・だがそれらに関して服部だけでなく新一も含めて、射命丸は全く批判される謂れは自身にはないと思っている。何故なら・・・









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