万人が万人、同じ考えに視点など持ち得ない
『ちょっと相談したいことがあるんです!だから少しお時間をお願いします!』
「・・・ボクゥじゃないとあかんのですか?」
『この件に関しては御堂筋君にしか話せないんですよ!偉い人には私の好きなように記事を書いていいって言われたんですけど、そこに他の記者を混ぜたくないんです!ですから事情を知ってて記事にしない御堂筋君が話をするのにうってつけなんですよ!』
「・・・それ単純に射命丸サァンのワガママやないですか・・・」
そんな空気の中で射命丸は元気よく質問に答えていくのだが、御堂筋は一層に表情を嫌そうに変えていく。完全に私情で巻き込まれたも同然だと分かったために。
「・・・もうええですわ、とっとと話してください・・・射命丸サァンの性格的に断る方が難しそうやし、さっさと聞いて終わらせますわ・・・」
『流石です、御堂筋君!じゃあ早速相談したいことに関してお話ししますね!』
だが御堂筋は敢えて疲れを感じつつも話を聞くと返し、嬉しそうに話を始める射命丸の声を黙って聞き始めた・・・短い付き合いではあるが、どんな形で逃げようとも射命丸がまず諦めないだろうという事が分かったからこそ話を聞いた方が早く終わると考え。
・・・それで射命丸からの話は進んでいき御堂筋は最初こそはやる気のないままに聞いていったのだが、途中で意見や考えやらを求められる事から相槌だけでは話が進まないと悟ったことから早く終わらせる為に真剣な意見を返していった。
『・・・いや~、ありがとうございます!やっぱり御堂筋君に話をしてよかったですよ!君の話を元に取材をしていけば満足行く記事が出来そうですし、何より私自身も見識が広がりました!』
「そら良かったですわ・・・けど前も言いましたけど、ボクゥが何か面倒そうになりそうな事は記事に書かんといてくださいよ・・・」
『分かってますって!』
・・・そうして射命丸は聞きたいことが聞けたと更に上機嫌になりつつ礼を言ってくるのだが、御堂筋は反比例するように疲れを滲ませながら適当に返すしかなかった。
『では早速私は取材に向かいたいと思います!記事が出来たならその時の新聞は送るようにしますので、是非とも読んでくださいね!では!』
「・・・切れた、か・・・ようやく終わったわ・・・うわ、こんな時間かかっとる・・・」
そして射命丸が言いたいことをペラペラと喋りきって電話を切り、ホッとしたままに電話の液晶に映った通話時間の長さに顔をしかめる。
「・・・はよ帰ってゆっくり体休めよ・・・もう疲れたわ・・・」
そうして御堂筋は部活以上の疲れを感じつつ立ち上がり、寮へ帰るべく力なく動き出した・・・ここまで御堂筋が普段の生活において振り回される事などなかったのを御堂筋自身も強く自覚しながら・・・
「んっふっふ~♪やっぱり面白い人ですね御堂筋君は♪」
・・・場所は変わり、射命丸が現在住んでいる部屋の中。
そこで携帯の液晶に映る名前を見ながらニヤニヤとした笑みを浮かべつつ、射命丸は靴を履き玄関の扉に手をかける。
「さぁ行きますよ~!いざ最高の記事を書くために!」
そのまま射命丸は意思表示を口にしつつ、外への扉を開いて勢いよく飛び出していった。自身の作りたいと思える記事を作るために・・・
・・・それからしばらくゆっくりとした時間を御堂筋は過ごしていた。坂道達と共に部活で汗を流し、特筆すべきトラブルなど特にないままにだ。
ただそうして過ごす御堂筋の元に、射命丸からの届け物が来たと寮の管理人から渡された時はたまらず御堂筋は顔をしかめた。話はされていたが、本当に物を送ってくるとは思わなかった為に。
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「・・・ボクゥじゃないとあかんのですか?」
『この件に関しては御堂筋君にしか話せないんですよ!偉い人には私の好きなように記事を書いていいって言われたんですけど、そこに他の記者を混ぜたくないんです!ですから事情を知ってて記事にしない御堂筋君が話をするのにうってつけなんですよ!』
「・・・それ単純に射命丸サァンのワガママやないですか・・・」
そんな空気の中で射命丸は元気よく質問に答えていくのだが、御堂筋は一層に表情を嫌そうに変えていく。完全に私情で巻き込まれたも同然だと分かったために。
「・・・もうええですわ、とっとと話してください・・・射命丸サァンの性格的に断る方が難しそうやし、さっさと聞いて終わらせますわ・・・」
『流石です、御堂筋君!じゃあ早速相談したいことに関してお話ししますね!』
だが御堂筋は敢えて疲れを感じつつも話を聞くと返し、嬉しそうに話を始める射命丸の声を黙って聞き始めた・・・短い付き合いではあるが、どんな形で逃げようとも射命丸がまず諦めないだろうという事が分かったからこそ話を聞いた方が早く終わると考え。
・・・それで射命丸からの話は進んでいき御堂筋は最初こそはやる気のないままに聞いていったのだが、途中で意見や考えやらを求められる事から相槌だけでは話が進まないと悟ったことから早く終わらせる為に真剣な意見を返していった。
『・・・いや~、ありがとうございます!やっぱり御堂筋君に話をしてよかったですよ!君の話を元に取材をしていけば満足行く記事が出来そうですし、何より私自身も見識が広がりました!』
「そら良かったですわ・・・けど前も言いましたけど、ボクゥが何か面倒そうになりそうな事は記事に書かんといてくださいよ・・・」
『分かってますって!』
・・・そうして射命丸は聞きたいことが聞けたと更に上機嫌になりつつ礼を言ってくるのだが、御堂筋は反比例するように疲れを滲ませながら適当に返すしかなかった。
『では早速私は取材に向かいたいと思います!記事が出来たならその時の新聞は送るようにしますので、是非とも読んでくださいね!では!』
「・・・切れた、か・・・ようやく終わったわ・・・うわ、こんな時間かかっとる・・・」
そして射命丸が言いたいことをペラペラと喋りきって電話を切り、ホッとしたままに電話の液晶に映った通話時間の長さに顔をしかめる。
「・・・はよ帰ってゆっくり体休めよ・・・もう疲れたわ・・・」
そうして御堂筋は部活以上の疲れを感じつつ立ち上がり、寮へ帰るべく力なく動き出した・・・ここまで御堂筋が普段の生活において振り回される事などなかったのを御堂筋自身も強く自覚しながら・・・
「んっふっふ~♪やっぱり面白い人ですね御堂筋君は♪」
・・・場所は変わり、射命丸が現在住んでいる部屋の中。
そこで携帯の液晶に映る名前を見ながらニヤニヤとした笑みを浮かべつつ、射命丸は靴を履き玄関の扉に手をかける。
「さぁ行きますよ~!いざ最高の記事を書くために!」
そのまま射命丸は意思表示を口にしつつ、外への扉を開いて勢いよく飛び出していった。自身の作りたいと思える記事を作るために・・・
・・・それからしばらくゆっくりとした時間を御堂筋は過ごしていた。坂道達と共に部活で汗を流し、特筆すべきトラブルなど特にないままにだ。
ただそうして過ごす御堂筋の元に、射命丸からの届け物が来たと寮の管理人から渡された時はたまらず御堂筋は顔をしかめた。話はされていたが、本当に物を送ってくるとは思わなかった為に。
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