いつかを変えることの代償 後編

「では毛利さん、貴方が山神達の仲裁なりなんなりをしますか?それとも明智警視にこうした方がいいと言いますか?」
「あ~・・・んなこたしねぇよ。別に山神達が悪人だからとかって訳じゃねぇが、起きるかもしれない事をやたら警戒すんのもアホらしいし俺にとっちゃあんまり関係ねぇ奴らの話だ。精々揉めるのはいいが事件にならなきゃいいくらいにしか思えねぇし、明智に言ってもこれ以上あいつらに介入出来ねぇって言われるだけだろ」
「でしょうね。それこそこれ以上何かをすれば却って彼らが問題を起こす可能性が高くなるでしょうから、私としてもあまり手を出してほしくないんですよ」
高遠はそんなツッコミに対してならどうするかと問うのだが、めんどくさげでいて的確に何もしないと方がいいと返す小五郎にそれが正解で自分の考えとも合うと頷く。
「ま、明智も同じように返しちゃくれるだろうが・・・俺に聞きたい事ってのはこれで終わりか?明智から聞いた近宮玲子についての話は大体し終わったが・・・」
「では一つお聞きしたいのですが、何故毛利さんはこの不動町の方に来られたのですか?以前の貴方は米花町で探偵をしていると新聞やニュースなどから知っていますが・・・」
「あ~・・・そういやお前には話してなかったか・・・」
小五郎は返事を返しつつも聞きたいことについて終わりかと問うと、不動町に来た理由を聞きたいと返されまだ話をしていなかったことを思い出す。
「・・・まぁ理由についちゃ話しても構わねぇって言いたいが、今から話す中身に関しては全部本当だって信じることとろくに事情を知りもしねぇ奴にベラベラ話さねぇことを約束してくれ。特に前者に関しちゃ色々信じられねぇ部分もあるだろうがだ」
「それは構いませんよ。信じられない体験なら今の我々のような事ですから、大抵の有り得ないことも今なら信じれるでしょうしね」
少し考え小五郎は話すが約束はしてほしいと言い、高遠もまたその中身をあっさりと了承する。


















・・・それで小五郎は明智に話したよう、自分がかつて歩んできた道筋についてきてを高遠に話した。新一が追っていた組織の事も含めて・・・



「・・・それで俺は過去に戻ってきたって訳だ」
「成程、そういうことでしたか・・・しかしあの組織を潰したきっかけが工藤君だったとは・・・」
「・・・新一の事もそうだが、組織の事も知ってるのか?」
・・・それで話終わるのだが、高遠が組織の事を普通に知っていると言った反応を見せたことに小五郎は疑問を向ける。
「以前の私は犯罪者として長い間裏社会にいましたからね。その中で酒の名称をメンバーのコードネームにしている組織の事については聞いていましたよ。まぁあまり興味もありませんでしたし、関わると面倒になるのは目に見えていましたから接触はしないよう、されないようにとは心掛けてはいましたがね」
「関わると面倒?」
「その組織に関わらず裏社会の組織というのは、大抵自分の組織に来るように誘った時に忠誠を誓わないなら殺すと言うのがお決まりのような風習があります。そしてそれを退けたとしても敵対したと恨みを買って、以降も襲撃を受けるのがオチです。組織などに所属するつもりのなかった私からすればそんなことはごめんでしたからね」
「成程、そういうことか・・・」
高遠は知っていると言いつつ関わりを持たなかった理由も続けて語り、小五郎も納得する。確かに中途半端に関わるには面倒な所だと。









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