真実は一つ・・・と言うが・・・

「・・・どうやらかなり衝撃を受けたみたいですが、薬を扱う許可も得ていない貴方が麻酔で人を眠らせる行為自体が犯罪に当たると認識しては・・・いないんでしょうね。あの時は組織を追うために仕方無かった、必要なことだったんだという考えになっていて」
「そ、それは・・・お、俺が動かなきゃあの組織は・・・」
「先程も言いましたが、ここでは現世の都合など考慮はしません。重要なのは貴方がその犯罪性や危険性を理解せずに麻酔銃を使っていたことなんですが・・・そうして自己弁護に暇がない姿を見ていると、先にこちらに来られた阿笠さんが流石に憐れに思いますよ」
「え・・・な、なんでそこで博士の名が・・・?」
鬼灯がそこから麻酔を使った事についてを話題にする中で阿笠の話が出てきたことに、新一はたまらず不安げに眉を寄せる・・・阿笠は組織を壊滅させてから五年もいかない内に亡くなったのだが、その時には向こうが忙しいから時間を取れないといった理由を始めとしてあまり会わなくなったまま家を譲り受けた灰原改め志保から亡くなったことを知らされた存在である。
「阿笠さんは後悔していたんですよ。貴方が毛利さんの命を奪ってしまうばかりかその事を認めず逃げたことに、何より自分がそんな事に繋がる道具を作ってしまった罪悪感にです」
「っ!?」
「貴方と違い毛利さんが死んだのは自分の道具であると自覚していたからこそになりますが、そこで貴方が赤井秀一の言い分に乗って罪の償いどころを失わせてしまったことが一層に阿笠さんは悩まれたようです。そしてそんな貴方が全くその事について組織を壊滅以降に自覚したような様子を見せなかったことに、阿笠さんは貴方について考えることや会うことに苦心するようになり心と体のバランスを大きく崩して亡くなったのですよ・・・いくら表に出すことが望まれなかったからとは言え、貴方を始めとしたことをちゃんと償うようにだとか出来なかったことを悔いる形でです」
「っ!・・・そん、な・・・博士が、そこまで思い詰めてたなんて・・・」
「逆に貴方が思い詰めないばかりか、自分のせいじゃないと思っていたからこそ阿笠さんはより追い詰められたのです・・・毛利さんへの想いや考え方があまりにも違うばかりか、自分が犯した麻酔銃やらを始めとした行動に対して必要なことだったと信じて疑うことのない様子にね」
「っ・・・そんな・・・俺が、そんなに追い詰めてたなんて・・・」
・・・そのまま鬼灯がいかにして阿笠がいかにして亡くなるに至るかにどれだけ苦悩してきたかを語るのだが、それらが自分が原因である事に新一は顔色を青くして頭を抱え込んでしまった。信じたくないが最早信じざるを得ない状態になってしまっている事に、自分がそうしてしまったのだという事実を受け入れざるを得なくなってしまい。






・・・阿笠は新一からすれ組織と対峙すると決意するにあたり、一番最初に協力を求めた人物である。昔からの付き合いがあることから自分の小さくなった体の事を信じてくれるだろうと。

その結果として少しは難儀はしたが新一がメインになって阿笠がサブでそれを助けるという形に協力しあうことになったのだが、そこで阿笠自身がきっかけになるのだが小五郎を殺すことになることになってしまったのだ。









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