・・・そもそもの話として新一が小五郎を殺したという経緯についてだが、これは簡単に言うなら高校二年の時にとある事件に関わった際に黒ずくめの服を着た人物達の事を怪しいと思い、探りに出たことからがきっかけである。

その時その人物達により反撃を受けて怪しい薬を飲まされ、信じがたいことに体が小学生の低学年までの状態に退行させられたのだ。そんな新一はその男達と所属する組織を追うことにすると共に、知り合いの阿笠という人物の提案で身分を隠しつつ過ごすようにすることを提案した・・・それが毛利小五郎である。

そんな小五郎の元に転がり込むことに成功した新一だが、探偵としての能力を小五郎に期待していなかったと共に探偵として自分が事件解決したいと思った新一は阿笠の協力により、小五郎や適当な人物を麻酔銃で眠らせ変声機で推理をするという手法を取って活動していった。

そしてそんな活動をしながら新一は徐々に組織の事を知っていき仲間も増やしていくのだが、組織との直接対決という段になった際の事件でいつものように小五郎を眠らせた後に推理が終わってもいつまでも起きない小五郎の事を調べると・・・呼吸をしていないどころか、心肺停止という状態になっていた。

・・・その事に新一は大慌てで救急車を呼んで小五郎の蘇生を願ったのだが、必死の願いも虚しく小五郎はその病院で完全に息を引き取り永眠したという結果になった。死亡理由は麻酔の大量注入によるショック死という物だという診断結果付きのだ。

この事に新一は必死に自分のせいじゃないと病院に来ていた阿笠や協力者の灰原や安室という人物達に話をしたと言うか、認めようとしなかった・・・麻酔による中毒死なんて風にするつもりは更々なかった上で、阿笠の作った麻酔銃がそんな事になるような結果を引き起こすはずがないと。

その新一に対して阿笠に灰原は事実を受け入れないといけないといけないと言ったが、そこに待ったをかけたのが赤井という安室とは違う機関の組織を追う人物である。その赤井が言うには今ここで毛利小五郎の死についてハッキリとしたことを明らかにしたなら、組織を追い込む唯一無二の機会もそうだが新一の手も無くなることになると。

・・・その物言いに赤井と反目の間柄にあった安室はいくらか言い合いをしたものの、結局は安室は折れるしかなかった。こうして様々な機関が協力して組織を追い詰める機会は最早今を置いて他にない上で、今までに散々犠牲を出してきたのに小五郎一人が死んだことでその機会を台無しにして新たな犠牲者をこれからも大勢出すわけにはいかない・・・だからここで終わらせるしかないため、小五郎の死の真相はちゃんと追求する訳には色々な意味ではしない方がいいと言われ。

そしてそれは新一や阿笠達も了承したというより、せざるを得なかった・・・ここで組織をどうにか出来なければ新一や灰原など元の体に戻る為の機会が一気に遠退いていつに組織を潰せるかも分からなくなるばかりか、小五郎が死んだということは転がり込んでいた居場所の保護者がいなくなり、探偵事務所にいられないということと同義でもある。そうなれば以降は別居していて探偵ではなく弁護士として活動する英理の元に行くだろう確率が高くなるが、探偵じゃない英理の立場では組織を追うには色々と難しい物がある・・・そう考えれば、もう後戻りが出来ないのを承知して動くしかないと理解させられた為にだ。

そういった諸々の事情に加え、何よりの要素として言えたことと言うと蘭がその場にいなかったことが大きく、小五郎のことは事情を知る者達の間で胸のうちに納めることになった。もし蘭がいたならそんな簡単にいかなかったことだろう・・・いくら新一のことが好きでも、父親殺しをしてしまった人物相手に蘭が大人しくしていられるはずはなかっただろう。

・・・そうして小五郎については事故死というように隠蔽するようにとなった状態で新一達は組織を壊滅させることが出来たのだが、その時にはもう新一は小五郎が死んだのは自分のせいではないといったような考えになってしまっていた上で、数年後には平然と蘭と結婚したのである・・・









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