真実は一つ・・・と言うが・・・
「どういうことでそう言われているのか疑問に思われているかもしれませんが、その理由は大きく言ってしまえばお金に関することです」
「お金って・・・俺は給料の未払いなんかしたことはないし、適正な金額の給料を払うようにしてましたけど・・・」
「まぁ確かに適正な金額と言えば適正な金額と言えたでしょう・・・端から見たらに、貴方の考え方からしたらですがね」
「えっ・・・?」
鬼灯はそんな顔に金の事が問題だと言ったために新一はそんなはずはないといったように返すが、意味深な返し方に戸惑いの声を上げる。
「何度か言われたでしょう?殺人事件だったり途中で殺人が起きたなら、その依頼の案件に関しては料金を割り増しにした相場で依頼料を請求していいとなった筈なのに、何でそうしないのかと・・・そういった声に対して貴方は貴方なりの正義感やら美学といった物から拒否だったり受け流していたのでしょうが、その方々からしたらこういった考えになったらしいんですよ・・・工藤新一は探偵として現場で活動して事件や謎を解いたことで金を得ることは二の次の結果として満足しているのだろうが、そう言った金銭を正義感や自己満足で受け取らないようにするのは裏方として事後処理をしている自分達の事をろくに考えていないものだ・・・と言った考えにです」
「っ!?」
だが鬼灯から続いた言葉に新一は驚愕せざるを得なかった。自分がやってきたことに対して、かつて在籍していた人々が考えていたことの中身があまりにも痛烈であった為に。
・・・事務所の人間が増えた上で良好に関係を築きつつ仕事に取り組んでいたと考えていた新一だったが、スタッフに事務所の中の仕事を任せて外で依頼をこなしていく内に英理を通じてこう言われることが増えていった・・・殺人事件や殺人事件でなくとも途中で厄介な事件が起きてしまった時の依頼に関して、依頼料や解決料の増額にどれくらいにするかの相場を定めるようにしろと。
最初は考えておきます程度に流して聞いていたが、何度も言われていく内に何故そんなことを言ってきたのかと聞いた新一だが、英理が言うにはそういった事件が起きても全く依頼料に解決料の増額をしようとしないことに、同業他社の探偵を始めとした者達から親族となった英理にクレームが来たとのことからだという。工藤新一の探偵事務所では事件やらトラブルやらを素早く順調に解決していてこの値段なのに、他の探偵事務所に頼んでも同様の効果は得られないのだから頼む意味はないと顧客が離れていったと。
この言葉に新一は驚愕したが、弁護士としてこういった案件は数は少ないにしても何度か経験してきた上でトラブルにならないように配慮してほしいからこう言わざるを得なかったのだと英理は真剣に返した。確かに良心的であることは望ましいことではあるが、却ってトラブルを招きかねないという事があるからと。
その上で相場を定めることは探偵という業界の中でも必要なことだと英理は言った・・・新一が関わる事件に依頼が特別厄介な事件になりやすく数が多いのもあり、だからこそそう言ったことに関して値段を変えずにずっといるのは厄介な依頼を持ってきても一律の値段でやってくれるし、何かあってもそれ以上は払わなくていいといった見られ方になってしまいかねない・・・そう言った悪例を作り、他の探偵から不平不満を募らせて新一に向けられないようにするためにもと。
そこまで言われて新一も流石に英理の言葉を大したことじゃないから別にいいだろうと流すことには出来なかった。実際工藤新一に対して偏執的な想いというか、恨みを向けられた事も無いわけではないのだ。もしもの事を考えればあまり強気にも楽観的にしていてもいいものじゃない・・そう考えた新一は相場に関してはちゃんと決めることにして、これだけにするというように発表をした。
・・・そしてそれで一件落着、とならなかったからこそ鬼灯からの言葉があるのである・・・
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「お金って・・・俺は給料の未払いなんかしたことはないし、適正な金額の給料を払うようにしてましたけど・・・」
「まぁ確かに適正な金額と言えば適正な金額と言えたでしょう・・・端から見たらに、貴方の考え方からしたらですがね」
「えっ・・・?」
鬼灯はそんな顔に金の事が問題だと言ったために新一はそんなはずはないといったように返すが、意味深な返し方に戸惑いの声を上げる。
「何度か言われたでしょう?殺人事件だったり途中で殺人が起きたなら、その依頼の案件に関しては料金を割り増しにした相場で依頼料を請求していいとなった筈なのに、何でそうしないのかと・・・そういった声に対して貴方は貴方なりの正義感やら美学といった物から拒否だったり受け流していたのでしょうが、その方々からしたらこういった考えになったらしいんですよ・・・工藤新一は探偵として現場で活動して事件や謎を解いたことで金を得ることは二の次の結果として満足しているのだろうが、そう言った金銭を正義感や自己満足で受け取らないようにするのは裏方として事後処理をしている自分達の事をろくに考えていないものだ・・・と言った考えにです」
「っ!?」
だが鬼灯から続いた言葉に新一は驚愕せざるを得なかった。自分がやってきたことに対して、かつて在籍していた人々が考えていたことの中身があまりにも痛烈であった為に。
・・・事務所の人間が増えた上で良好に関係を築きつつ仕事に取り組んでいたと考えていた新一だったが、スタッフに事務所の中の仕事を任せて外で依頼をこなしていく内に英理を通じてこう言われることが増えていった・・・殺人事件や殺人事件でなくとも途中で厄介な事件が起きてしまった時の依頼に関して、依頼料や解決料の増額にどれくらいにするかの相場を定めるようにしろと。
最初は考えておきます程度に流して聞いていたが、何度も言われていく内に何故そんなことを言ってきたのかと聞いた新一だが、英理が言うにはそういった事件が起きても全く依頼料に解決料の増額をしようとしないことに、同業他社の探偵を始めとした者達から親族となった英理にクレームが来たとのことからだという。工藤新一の探偵事務所では事件やらトラブルやらを素早く順調に解決していてこの値段なのに、他の探偵事務所に頼んでも同様の効果は得られないのだから頼む意味はないと顧客が離れていったと。
この言葉に新一は驚愕したが、弁護士としてこういった案件は数は少ないにしても何度か経験してきた上でトラブルにならないように配慮してほしいからこう言わざるを得なかったのだと英理は真剣に返した。確かに良心的であることは望ましいことではあるが、却ってトラブルを招きかねないという事があるからと。
その上で相場を定めることは探偵という業界の中でも必要なことだと英理は言った・・・新一が関わる事件に依頼が特別厄介な事件になりやすく数が多いのもあり、だからこそそう言ったことに関して値段を変えずにずっといるのは厄介な依頼を持ってきても一律の値段でやってくれるし、何かあってもそれ以上は払わなくていいといった見られ方になってしまいかねない・・・そう言った悪例を作り、他の探偵から不平不満を募らせて新一に向けられないようにするためにもと。
そこまで言われて新一も流石に英理の言葉を大したことじゃないから別にいいだろうと流すことには出来なかった。実際工藤新一に対して偏執的な想いというか、恨みを向けられた事も無いわけではないのだ。もしもの事を考えればあまり強気にも楽観的にしていてもいいものじゃない・・そう考えた新一は相場に関してはちゃんと決めることにして、これだけにするというように発表をした。
・・・そしてそれで一件落着、とならなかったからこそ鬼灯からの言葉があるのである・・・
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