変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない
「ただ確かに外国に行ってもらった方がいいという気持ちであのようにした上で、毛利蘭についても様々に施した・・・ただやはり心残りは江戸川家についてを言及できなかった事になるな」
「そこはもう仕方無いって思うしかないでしょ。多分さっき新一君を追求したら何か出てきたかもしれないけど、それで芋づる式にホイホイと江戸川家関連が悪党で罪状確認出来たから逮捕が簡単に出来ましたって解決するならともかく、何か複雑で妙にややこしい事情が出てきたら困るのはこっちだしね」
「分かっている。以前の卿の時同様、生半可な気持ちや体勢で手を出すのがどれだけ面倒かが分かっているからこそ不用意に手を出さぬと決めたのだからな。ただ・・・工藤新一の両親がこちらに何かしらの抗議をしに来たのなら、話は別だがな」
「それは当然やりあうしかないよね~。直接対決の機会を失うわけにもいかないしさ」
官兵衛はそこから話題を『江戸川家』について手を出さなかった事を口にするが、半兵衛共々後々に工藤夫妻が現れたならやってやるとやる気を口にして行く。そうなった時に逃がすつもりはないと。
・・・新一と蘭に関して大いに手を尽くしてきた二人だが、二人からして回りくどく正面から全て解決するに至らなかったのはやはり謎の『江戸川家』の存在が何なのかが分からないことにあった。
『江戸川コナン』が毛利家から離れて全く足取りが掴めなかった事に関して、二人は何か余程の事が『江戸川コナン』にあるのだと確信していた。この文明が戦国時代に比べて比べ物にならないくらい発展してきたこの現代にて、警察のネットワークを駆使すれば人一人の足取りを掴むのはそう難しいことではない。なのに戸籍が無いとは言え、度々マスコミを賑わせてきた『江戸川コナン』が毛利家から出ていった後から全く足取りが掴めなかったのだ。
・・・これは種明かしをすれば単純な事だが、新一は人前では変装をすると共に『江戸川コナン』以外の偽名を使って生活をしていたのだ。と言ってもただの変装ではなく、有希子直伝の普通に見ただけではマスクをつけているとは分からない程の巧妙な人の顔を模したマスクである。
このマスクにより『江戸川コナン』として見られることのない子どもになった新一は、優作のツテから辿り着いた同じく組織を追うFBIの人間である赤井を始めとした人々との交流を始めたのだが・・・そこは話の大筋には関係無い。今重要なのは海外への渡航歴も生存も死亡も確認されておらず、更には戸籍すらも存在しない『江戸川家』もそうだがそこと繋がる工藤家との距離感を二人がどうしようかと考えたことだ。
所在の全く分からない『江戸川家』についてを追求するだけなら、新一だけでなく国際電話を使えば優作達にも十分に可能ではあった。だがあくまでそれは追求するだけならであって、『江戸川家』に関しての存在証明を出来るかどうかとなると全く話は別だ。
まず第一に話をしたいと言っても有希子だけなら話に聞く性格から演技力はあっても様々に揺さぶればボロを出してくれるとは思うが、新一が連絡をするというならまず間違いなく優作が出てくるのは間違いない。有希子よりこういった事態に強い上で、語録も存分に備われていて口達者で頭も回る新一よりも厄介な存在が。
その上で電話だけでは知らぬ存ぜぬを貫き通されれば追求出来ないことも多々ある上に、海外にいる工藤夫妻を呼び寄せるには色々と制約が多い上に呼び出せても何らかの対策を講じられる事は間違いないだろう。そこで二人が追求したとしてぐうの音が出ないほどの証拠を掴めるかどうかの保証は出来ず、キャリアに傷がつく以上の損害として工藤家や『江戸川家』の付け入る隙を作りかねないことを二人は危惧した。自分達がヘマをして迷惑をかけたことを盾に取られる可能性についてを。
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「そこはもう仕方無いって思うしかないでしょ。多分さっき新一君を追求したら何か出てきたかもしれないけど、それで芋づる式にホイホイと江戸川家関連が悪党で罪状確認出来たから逮捕が簡単に出来ましたって解決するならともかく、何か複雑で妙にややこしい事情が出てきたら困るのはこっちだしね」
「分かっている。以前の卿の時同様、生半可な気持ちや体勢で手を出すのがどれだけ面倒かが分かっているからこそ不用意に手を出さぬと決めたのだからな。ただ・・・工藤新一の両親がこちらに何かしらの抗議をしに来たのなら、話は別だがな」
「それは当然やりあうしかないよね~。直接対決の機会を失うわけにもいかないしさ」
官兵衛はそこから話題を『江戸川家』について手を出さなかった事を口にするが、半兵衛共々後々に工藤夫妻が現れたならやってやるとやる気を口にして行く。そうなった時に逃がすつもりはないと。
・・・新一と蘭に関して大いに手を尽くしてきた二人だが、二人からして回りくどく正面から全て解決するに至らなかったのはやはり謎の『江戸川家』の存在が何なのかが分からないことにあった。
『江戸川コナン』が毛利家から離れて全く足取りが掴めなかった事に関して、二人は何か余程の事が『江戸川コナン』にあるのだと確信していた。この文明が戦国時代に比べて比べ物にならないくらい発展してきたこの現代にて、警察のネットワークを駆使すれば人一人の足取りを掴むのはそう難しいことではない。なのに戸籍が無いとは言え、度々マスコミを賑わせてきた『江戸川コナン』が毛利家から出ていった後から全く足取りが掴めなかったのだ。
・・・これは種明かしをすれば単純な事だが、新一は人前では変装をすると共に『江戸川コナン』以外の偽名を使って生活をしていたのだ。と言ってもただの変装ではなく、有希子直伝の普通に見ただけではマスクをつけているとは分からない程の巧妙な人の顔を模したマスクである。
このマスクにより『江戸川コナン』として見られることのない子どもになった新一は、優作のツテから辿り着いた同じく組織を追うFBIの人間である赤井を始めとした人々との交流を始めたのだが・・・そこは話の大筋には関係無い。今重要なのは海外への渡航歴も生存も死亡も確認されておらず、更には戸籍すらも存在しない『江戸川家』もそうだがそこと繋がる工藤家との距離感を二人がどうしようかと考えたことだ。
所在の全く分からない『江戸川家』についてを追求するだけなら、新一だけでなく国際電話を使えば優作達にも十分に可能ではあった。だがあくまでそれは追求するだけならであって、『江戸川家』に関しての存在証明を出来るかどうかとなると全く話は別だ。
まず第一に話をしたいと言っても有希子だけなら話に聞く性格から演技力はあっても様々に揺さぶればボロを出してくれるとは思うが、新一が連絡をするというならまず間違いなく優作が出てくるのは間違いない。有希子よりこういった事態に強い上で、語録も存分に備われていて口達者で頭も回る新一よりも厄介な存在が。
その上で電話だけでは知らぬ存ぜぬを貫き通されれば追求出来ないことも多々ある上に、海外にいる工藤夫妻を呼び寄せるには色々と制約が多い上に呼び出せても何らかの対策を講じられる事は間違いないだろう。そこで二人が追求したとしてぐうの音が出ないほどの証拠を掴めるかどうかの保証は出来ず、キャリアに傷がつく以上の損害として工藤家や『江戸川家』の付け入る隙を作りかねないことを二人は危惧した。自分達がヘマをして迷惑をかけたことを盾に取られる可能性についてを。
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