変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない

そしてそうして蘭の事については官兵衛が大分追い詰めたことから少なくとも事件に関してはマシになるだろうと見受けられたが、やはり今回最もな効果を得られたのが何かと言えば新一の行動抑制にある・・・






「まぁ後は新一君が俺達の言うことを聞いて大人しくするってのもそうだけど、やっぱり将来的には外国に行ってほしいんだよね~。彼がいるといないとじゃ事件の発生確率が段違いだから心霊的な事が関係してるんならそれはそれで厄介払いになるし、何より新一君からしても事件を解決したいんなら外国の方がそういった考えに対して緩いだろうしね~」
「現に警察上層部はもう工藤新一の過度な事件への関与をこれから許しはしないだろうし、何かあれば卿にどうにかしてほしいと言ってくるであろう。毛利小五郎もそうだが、工藤新一に慣れてる上で的確に対処してきたのだから今度もやってほしいと言われる形でな」
「そんなことになってほしくないから大人しく外国に行ってほしいんだけどね~。俺からしたら面倒なだけだし」
そうして次の話題を新一に移す二人だが、官兵衛からの言葉に唇を尖らせるように新一の対応をしたくないと漏らす。






・・・新一と降谷は二人が外国行きを勧めた真意が分からないといったように言っていたが、二人からすれば善意もあるが厄介払いといった部分もあるから半々といった気持ちで言った事である。

善意という部分に関しては外国なら別に自分達は見咎めも注意もしないし、事実自分達のいる日本ではこれ以上の自由な活動を認められないから探偵として受け入れてくれるであろう箇所についてを提案したのだ。

そして厄介払いに関しては、それこそ新一に自由に活動されるくらいならどこか遠い場所に行ってほしいといった気持ちがあることから言ったのである。と言っても日本で警察、それも半兵衛と官兵衛のせいで探偵として活動が出来なくなったからこちらに来た・・・などと愚痴や恨み言など悪評を口にされても気分が良くないことに実害が来かねないことから、『江戸川家』の事を持ち出し日本での活動も含めて制限を大いにかけたのだ。海外に行くなら自由に活動して活躍するのは勝手だが、好き勝手をしたり発言をするのは許さないというように。

そしてその制限が大いに効果があったのは先程の動揺をしまくっていた新一の姿から確信していたし、これからの新一の選ぶ進路や就職にも大きな影響をもたらすだろうと二人は確信していた。そして色々な不満やら何やらはあっても、最終的に新一は探偵として事件を解決するという立場にいることを諦めることが出来ず、苦渋の決断として海外移住して探偵を選ぶだろうと。

・・・新一がいかに探偵としての名や立場を重要視し、理想に邁進したいかということについてはよく分かっている。だからこそ新一は名探偵という評価を下されることにそう呼ばれる可能性も著しく低くなった日本に留まるより、外国への移住を選択するだろうと二人は見ていた。何故ならもう日本では名探偵と呼ばれる為の事件に関われない上に、関わらせないと言われ続けてきたからだ。

その上で恋仲である蘭に関しても先程のやり取りで大分事件に関わることに関して二の足を大いに踏むようになっただろうし、小五郎達も新一とは別れるようにと強く勧めて行くだろう。そうなれば蘭が新一と別れるかどうかもそうだが、もし蘭が新一と別れずに行くならもうそこから先は二人の関わることではない・・・日本から離れることを選んでまで新一と一緒にいることを選ぶならそれを反対する理由はないし、言い方は酷いことを承知で言うなら日本で問題を起こしさえしなければ二人からすればどうでもいいのだから。









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