変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない

「ただ話を聞いた限り、妃弁護士はやけに聞き分けが良かったように思えるが・・・」
「ん~。まぁあの人って典型的な負けず嫌いだってのは見てすぐに分かったし、何よりあの人ちょっと喋っただけで俺のことをなめてるってわかったもん。多分官兵衛さんが妃弁護士の相手をしてたんなら油断しなかったって言うか、言ってきたら言い返してやるって最初からずっと躍起になってたと思うよ」
「成程、私が妃弁護士側に行って話をしていたら面倒になっていたということか」
「それを言うなら俺が新一君の担当をしたら面倒になったと思うんだよね~。多分言葉にはしなくても俺が色々と事件に関して制限を課した事に不満を持ってそうだったしね。それに官兵衛さんの口から新一君と蘭さんを別れさせるようになんて誘導の話って結構難しかったと思うよ」
「まぁ私が進んで口にするような話題ではなかったのは確かだな」
そこから話題は二人が担当した面々についてになり、二人は共にらしいといった会話を交わしていく。






・・・新一を警察に入れないような流れにした上で、事件に関わらせないようにする。そう決めた二人だが、それならどうするのかと考えた時、まず将来的に考えて新一が日本にいない方がいいだろうという話になった。マスコミにも認められる正義の味方という形で探偵をしたい新一と、そんな新一を現場にいさせたくない警察側・・・そんな主張の対立の中で新一が大人しくしてくれる保証などない。

ならばいっそ日本から出ていくようにと言った流れにすると共に、蘭の器物損壊の一件を利用すると共に言い方は悪いが二人を別れさせようと半兵衛と官兵衛は画策した・・・流石に恋仲の二人を別れさせることに関しては二人もどうかという考えが浮かばないではなかったが、以前はまだそこまでではなかったが蘭が新一と離ればなれになっていた期間を取り戻そうとするかのように新一と一緒にいようとしている。そのせいでという言い方もおかしいかもしれないが、二人で事件現場にセットで来て問題を起こすというのが大方新一のせいというのもあるが通例だったのだ。

それに元々からして蘭の器物損壊の件は真面目に問題になっていたこともそうだが、いずれ事故の形ででも人を殺しかねないことは懸念されていた・・・となれば自分達の気持ちが加わっていることも否定は出来ないが、小五郎達に蘭と新一との関係を見直す事も含めるように言う必要があると二人は考えたのだ。それこそ事故は絶対に起きないなどと限らない上、新一や毛利家に注意を喚起してどうするかを真剣に考えてもらった上で・・・手っ取り早い解決手段は二人が別れて行動を共にしないことが、少なくとも蘭は以降新一と共に事件に巻き込まれずに済むというように言うことが。

しかしそういったように考えはしたものの、新一と蘭の二人がはいそうですかと頷く訳がないだろうと共に小五郎だけにその説得の役目を任せてうまくいくのか・・・そう考えると英理に工藤夫妻にも保護者として手助けをしてもらいたいと二人は考えたが、工藤夫妻は海外での暮らしから全く日本に帰ってきてくれるような様子などないし、話に聞く有希子の性格だと下手をすれば自分達はそんなことは言わないし応援すると言い出しかねない雰囲気がある・・・そう考えたからこそ英理だけでも連れてこなければと思い、二人は強く英理も共に来てほしいと願ったのだ。渋るような様子で何度も返されたが、是が非でもこちらに来てほしいと。









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