変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない
『・・・あの、本当に二人は公安って言うか組織関連のことに全く関わってないんですか・・・!?』
「・・・それは間違いない。と言うか現職で警視に監察官という立場に表で立っている二人が、公安に関係するはずがない。表向きは警察に所属してないといったように振る舞いつつ、様々な事柄に影で向き合うのが基本的な公安のスタンスだ。それなのに特にかかわり合いのない二人・・・特に黒田監察官は監察官という立場上、組織の事に関する事を調べるどころか捜査をするような位置にすらいない。竹中警視が何かを話したという可能性も無いことはないと思うが、その可能性は低い・・・となれば二人が君の事を知ったというか調べたのは、組織の事からではなく純粋に君や『江戸川コナン』について何らかから怪しいと思って調べたのだろう。そして『江戸川コナン』を始めとした『江戸川家』が存在しないことに気付いたのだろうが、戸籍関連に関しては下手に易々と偽造することも出来ないし君からすればあくまでも一時しのぎ程度に『江戸川コナン』として動いていたつもりなのだろう・・・だがそこに調べが行った辺り、やはり二人の能力の高さというか色々と際立っているのを感じるな・・・」
『あの、なんでそこで二人を誉めてるんですか・・・!?』
「誉めたくなる気持ちは確かに僕の中にある。前にも言ったが僕はあの二人の事は尊敬しているからね・・・だが同時に掛け値抜きにあの二人が想像以上に優秀であり、君にとってあまりにも厄介かが分かるからこう言っているんだ」
『っ!』
新一はそこからすがるようで泣き付くような声を向けるが、降谷が返事をしつつ同時に感心した声を漏らしたことに非難を返すと、その感心の中身こそが厄介と口にした降谷にまた息を詰まらせる。新一達からして今の状況をもたらしているのは、確かに二人の優秀さから来ている行動である為に。
「・・・今は組織関連の事を二人が知っているかどうかは置いて話を進めるが、戸籍がないと言われたことから先はどういう風に話を進められたんだい?」
『・・・そう言われた時俺は言葉を失う寸前にまで驚いてたんですが、黒田監察官は続けたんです・・・君がその事実を知っているかどうかはこちらは分からないが、少なくとも蘭さんからは君の母親に江戸川家とは遠い事を強調されながらも親戚だと言われたとの報告を受けている。故に少なくとも工藤有希子という人物がそう言っていたという証言があるが、それが本当の事か虚偽の証言かについては両親どちらの家系を遡っても戸籍自体を検索してもどこからも見付からなかったことから明白だ・・・と』
「・・・それに新一君はどう反応をしたんだい?」
『・・・もうその時はそんなことがバレてたのかって思って、話を聞くしかほとんど出来てなかったんですけど次に竹中警視がこう言ったんです・・・悪魔の存在証明って聞いたことある?って』
「え・・・なんでいきなり悪魔の存在証明なんて話に・・・?」
『・・・簡単に言うと悪魔っているかどうか分からない存在だとか誰も見てないことをどうやって証明するのかみたいな事の総称みたいなものなんだけどさ、江戸川家の事ってその逆なんだよ。かつてはいたって何人もの人が見たし、なんなら一緒に暮らしてたって人もいるし写真まで残ってる・・・なのに今は誰もその存在と時間を共にしていない。なら江戸川家の人間は全員死んだのかとかそういった話になるかって言えば、そんな記録もないしそもそも戸籍自体もない・・・そんな存在に関してをどうやってでも証明するにはどうすればいいと思う?悪魔っていう本当にいるかどうか分からない存在ならぬ、かつて存在してたことが確認された江戸川家の存在証明をさ・・・って・・・』
「っ!!」
・・・降谷は瞬間、全身が総毛立つように身を震わせた。新一自身も二人の話があまりにも鮮烈的で衝撃的過ぎて忘れることが出来ないままに話をしているのだろうが、だからこそその時の事を全て詳細にそのまま二人が言ったように話しているのが伝わるが故に、二人がどれだけの様子で新一に言っているのかがありありと伝わって来て新一の感じた恐怖も降谷に伝わってきたために。
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「・・・それは間違いない。と言うか現職で警視に監察官という立場に表で立っている二人が、公安に関係するはずがない。表向きは警察に所属してないといったように振る舞いつつ、様々な事柄に影で向き合うのが基本的な公安のスタンスだ。それなのに特にかかわり合いのない二人・・・特に黒田監察官は監察官という立場上、組織の事に関する事を調べるどころか捜査をするような位置にすらいない。竹中警視が何かを話したという可能性も無いことはないと思うが、その可能性は低い・・・となれば二人が君の事を知ったというか調べたのは、組織の事からではなく純粋に君や『江戸川コナン』について何らかから怪しいと思って調べたのだろう。そして『江戸川コナン』を始めとした『江戸川家』が存在しないことに気付いたのだろうが、戸籍関連に関しては下手に易々と偽造することも出来ないし君からすればあくまでも一時しのぎ程度に『江戸川コナン』として動いていたつもりなのだろう・・・だがそこに調べが行った辺り、やはり二人の能力の高さというか色々と際立っているのを感じるな・・・」
『あの、なんでそこで二人を誉めてるんですか・・・!?』
「誉めたくなる気持ちは確かに僕の中にある。前にも言ったが僕はあの二人の事は尊敬しているからね・・・だが同時に掛け値抜きにあの二人が想像以上に優秀であり、君にとってあまりにも厄介かが分かるからこう言っているんだ」
『っ!』
新一はそこからすがるようで泣き付くような声を向けるが、降谷が返事をしつつ同時に感心した声を漏らしたことに非難を返すと、その感心の中身こそが厄介と口にした降谷にまた息を詰まらせる。新一達からして今の状況をもたらしているのは、確かに二人の優秀さから来ている行動である為に。
「・・・今は組織関連の事を二人が知っているかどうかは置いて話を進めるが、戸籍がないと言われたことから先はどういう風に話を進められたんだい?」
『・・・そう言われた時俺は言葉を失う寸前にまで驚いてたんですが、黒田監察官は続けたんです・・・君がその事実を知っているかどうかはこちらは分からないが、少なくとも蘭さんからは君の母親に江戸川家とは遠い事を強調されながらも親戚だと言われたとの報告を受けている。故に少なくとも工藤有希子という人物がそう言っていたという証言があるが、それが本当の事か虚偽の証言かについては両親どちらの家系を遡っても戸籍自体を検索してもどこからも見付からなかったことから明白だ・・・と』
「・・・それに新一君はどう反応をしたんだい?」
『・・・もうその時はそんなことがバレてたのかって思って、話を聞くしかほとんど出来てなかったんですけど次に竹中警視がこう言ったんです・・・悪魔の存在証明って聞いたことある?って』
「え・・・なんでいきなり悪魔の存在証明なんて話に・・・?」
『・・・簡単に言うと悪魔っているかどうか分からない存在だとか誰も見てないことをどうやって証明するのかみたいな事の総称みたいなものなんだけどさ、江戸川家の事ってその逆なんだよ。かつてはいたって何人もの人が見たし、なんなら一緒に暮らしてたって人もいるし写真まで残ってる・・・なのに今は誰もその存在と時間を共にしていない。なら江戸川家の人間は全員死んだのかとかそういった話になるかって言えば、そんな記録もないしそもそも戸籍自体もない・・・そんな存在に関してをどうやってでも証明するにはどうすればいいと思う?悪魔っていう本当にいるかどうか分からない存在ならぬ、かつて存在してたことが確認された江戸川家の存在証明をさ・・・って・・・』
「っ!!」
・・・降谷は瞬間、全身が総毛立つように身を震わせた。新一自身も二人の話があまりにも鮮烈的で衝撃的過ぎて忘れることが出来ないままに話をしているのだろうが、だからこそその時の事を全て詳細にそのまま二人が言ったように話しているのが伝わるが故に、二人がどれだけの様子で新一に言っているのかがありありと伝わって来て新一の感じた恐怖も降谷に伝わってきたために。
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