いつかを変えることの代償 後編
・・・近宮玲子。小五郎はマジックになど前世ではとある怪盗関連以外ではほとんど興味も関わりなかったのだが、今生では明智からの話を受けたことから近宮玲子の名前は知っていた。マスコミ嫌いではあるが、日本でも指折りのマジシャンであると。
だがいいマジシャンというだけで明智が小五郎に対して話をするわけはなく、その近宮玲子が複雑な事情こそあるが目の前にいる高遠の実の母親であり・・・後の凶悪犯罪者として名を残す地獄の傀儡師の誕生のきっかけになった人物だと聞かされたのである。
「・・・近宮玲子、いやオメーにとっちゃお袋さんとは話をしたのか?」
「いえ、母には私がかつてを知っていることは話してはいません。ただ、母が以前と違う行動を取ったことで母に何かあったのだと察した上で色々と探してきたのです。母を変えたきっかけは何なのかと・・・そして明智警視についてを探っていた時に前には影も形も無かった筈の毛利さんと交流する姿を発見したことにより、確信を得たのです。明智警視が母を変えたと同時に、毛利さんも含めて私と同じように過去に戻ってきたのだと」
「・・・ま、前の事を知ってるってんなら俺がいりゃそりゃ不自然だって思うわな」
小五郎がそこで近宮との交流について聞くと、否定を返された後に明智との事も含めて察したのだと言う高遠に少し頬をひくつかせる。自分と言う前にいなかった異分子がいればすぐに分かることだなと思い。
「・・・ただそうして貴殿方の関係性についてを把握したのはいいものの、結局は母が考えを変えたきっかけに関しては分からないままでした」
「あ~・・・要はどういう風に明智が近宮玲子を説得したのか聞きたいって事か?」
「えぇ、そうです。見当に関してはある程度はついていますが、それを母に直接聞くにはまだ早いと思いましたので毛利さんにお聞きしたいのです」
「・・・分かった。つっても俺は明智からこうしたって風にだけしか聞いてねぇからそれ以上の事は言えねぇが、それでもいいか?」
「それでも構いませんよ。明智警視が貴方に嘘をつくとは思っていませんから」
「そうか・・・んじゃ話すぞ」
高遠はそんな様子に構わず近宮の説得方法について聞きたいと言い、小五郎が前置きをしたことに了承を返すと話すと頷く。
「・・・俺が聞いた話じゃ以前と同じようにちょこちょこと会っていたらしいが、以前の近宮玲子の死・・・その直前でいて最後の会合の時に時間を前より取れるようにし、近宮と話をしたそうだ。中身は弟子達の反乱とその結果による近宮の死、そして近宮自身しか今の時点では知るよしもない筈の欠陥マジック・・・無重力岩天蓋消失の事を口にし、将来的にオメーが犯罪者となって山神達を殺した後に一人生き残った左近寺がそれに引っ掛かって死んだと伝えたそうだ」
「・・・成程、あの欠陥マジックのことを口にした事が母の心変わりに信用を得たと言うことですか」
「・・・それは予測してなかったのか?」
「いえ、予測はしていましたが明智警視がそこまで大胆な事をするかどうかはハッキリしていませんでした。あの方は時折大胆ではありましたが、慎重な面も強い方ですからね。絶対にこうするとは読めませんでしたよ」
「そうか」
そして又聞き話であるために簡略に明智から聞いたことをまとめる小五郎に、高遠は無重力岩天蓋消失の部分に反応して納得していた。そんな様子に軽く問い掛けるも、意外そうではないといった様子に簡潔に一言で小五郎は済ませる。
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だがいいマジシャンというだけで明智が小五郎に対して話をするわけはなく、その近宮玲子が複雑な事情こそあるが目の前にいる高遠の実の母親であり・・・後の凶悪犯罪者として名を残す地獄の傀儡師の誕生のきっかけになった人物だと聞かされたのである。
「・・・近宮玲子、いやオメーにとっちゃお袋さんとは話をしたのか?」
「いえ、母には私がかつてを知っていることは話してはいません。ただ、母が以前と違う行動を取ったことで母に何かあったのだと察した上で色々と探してきたのです。母を変えたきっかけは何なのかと・・・そして明智警視についてを探っていた時に前には影も形も無かった筈の毛利さんと交流する姿を発見したことにより、確信を得たのです。明智警視が母を変えたと同時に、毛利さんも含めて私と同じように過去に戻ってきたのだと」
「・・・ま、前の事を知ってるってんなら俺がいりゃそりゃ不自然だって思うわな」
小五郎がそこで近宮との交流について聞くと、否定を返された後に明智との事も含めて察したのだと言う高遠に少し頬をひくつかせる。自分と言う前にいなかった異分子がいればすぐに分かることだなと思い。
「・・・ただそうして貴殿方の関係性についてを把握したのはいいものの、結局は母が考えを変えたきっかけに関しては分からないままでした」
「あ~・・・要はどういう風に明智が近宮玲子を説得したのか聞きたいって事か?」
「えぇ、そうです。見当に関してはある程度はついていますが、それを母に直接聞くにはまだ早いと思いましたので毛利さんにお聞きしたいのです」
「・・・分かった。つっても俺は明智からこうしたって風にだけしか聞いてねぇからそれ以上の事は言えねぇが、それでもいいか?」
「それでも構いませんよ。明智警視が貴方に嘘をつくとは思っていませんから」
「そうか・・・んじゃ話すぞ」
高遠はそんな様子に構わず近宮の説得方法について聞きたいと言い、小五郎が前置きをしたことに了承を返すと話すと頷く。
「・・・俺が聞いた話じゃ以前と同じようにちょこちょこと会っていたらしいが、以前の近宮玲子の死・・・その直前でいて最後の会合の時に時間を前より取れるようにし、近宮と話をしたそうだ。中身は弟子達の反乱とその結果による近宮の死、そして近宮自身しか今の時点では知るよしもない筈の欠陥マジック・・・無重力岩天蓋消失の事を口にし、将来的にオメーが犯罪者となって山神達を殺した後に一人生き残った左近寺がそれに引っ掛かって死んだと伝えたそうだ」
「・・・成程、あの欠陥マジックのことを口にした事が母の心変わりに信用を得たと言うことですか」
「・・・それは予測してなかったのか?」
「いえ、予測はしていましたが明智警視がそこまで大胆な事をするかどうかはハッキリしていませんでした。あの方は時折大胆ではありましたが、慎重な面も強い方ですからね。絶対にこうするとは読めませんでしたよ」
「そうか」
そして又聞き話であるために簡略に明智から聞いたことをまとめる小五郎に、高遠は無重力岩天蓋消失の部分に反応して納得していた。そんな様子に軽く問い掛けるも、意外そうではないといった様子に簡潔に一言で小五郎は済ませる。
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