変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない

「・・・どうやら蘭さんはそうなった場合についてを理解したようだが、ここで君達の考えについて確認させてもらおう。再三言わせてもらうが、君達が事件を望んで引き起こしているわけではないのは承知はしてはいる。しかし今までの話で君達というか、工藤君が警察に通報しないことについての弊害については話はしたわけだが・・・これからも君達はまだ事件が起きる度に警察に遅れて通報するつもりかね?」
「そ、それ「そんなことしません!事件が起きたら私がいる時にはもう私が絶対に警察に連絡します!」・・・蘭・・・」
そうして官兵衛が今までの話を総合してこれからの際はどうするかと聞くと、新一が答えるより先に割り込み蘭がハッキリ自分が通報すると答えたことに唖然としたような表情を浮かべる。
「最初に嘘をついたのは貴方じゃない、新一!いつもはそんなに時間がかからない警察の人達が来るのが遅いのは偶然だって言ってたけど、それは新一が嘘をついてたから遅かったのは今の話で明らかになったのよ!そして警察は私達がやったことをすごく問題視してるって言ってるの!それなのに新一は自分が推理をしたいからって通報をしないのを続けるなんていえるの!?」
「っ・・・そんなことは、言わねぇよ・・・言わ、ねぇよ・・・(もう、無理だ・・・続けるなんて言ったら確実に蘭はどんな風に言ったって俺を止める・・・ここでもう、頷くしかねぇ・・・)」
・・・新一にとって想像以上に追い詰められたといった様子の蘭の必死のまくしたてに、わずかでも抵抗することなく新一は力なく頷いて返すしかなかった。言い分を探して何かを言おうとしても反対の意見であればどんな言い分でも絶対に止めに入ると、否応なしに感じて。
「・・・そう言ってもらえたことは素直に受け止めさせてはもらうが、もし今回のように竹中警視が言ったようなことの抜け穴を探して行動を起こすようなことをしたなら、その時は今回のような話だけでは済まないということは覚悟してもらうが・・・いいかね?」
「はい、分かりました!二度とこんなことにならないようにします!」
「・・・俺も、分かりました・・・」
二人のそんな様子に次はないといったように官兵衛は穴抜けをした場合についても告げ、蘭はすぐに勢いよく了承するが新一は最早抵抗する気力もなくなり頷くしかなかった・・・何一つ自身にとって好転する様子の見えないこの状況をどうにかする考えなど思い付かず・・・


















・・・そうして官兵衛からの話はこれで終わりとなり、蘭は部屋から退出した・・・蘭一人だけは。
「さ~てとっと・・・ごめんね~、新一君。君一人に残ってもらうようなことをして」
「い、いえ・・・」
そして部屋に残されていた新一は官兵衛からの連絡を受けて部屋に入ってきて官兵衛の隣に座ったニコニコ笑顔の半兵衛に、明らかに圧されたようになりながら頷くしかなかった・・・前とたった今、ベコベコに自身を叩きのめしてくれた警察の両兵衛の揃い踏みという、新一にとっての脅威二人が並んでいることにおののく形で。
「そう言ってくれるならありがたいけど、さっきから色々と話されることばっかりの座り尽くしだったから新一君も疲れてるでしょ?だから君だけにここに残ってもらったことについて早速話をするけどさ~・・・今までの話を聞いてもらっておいてなんだけど、特別にって形で君が事件が起きた時に警察と一緒に事件の解決が出来るように取り計らおうかって話に来たんだよ」
「・・・えっ!?」
だが半兵衛が続けたまさかの言葉に反応が一瞬遅れた後、新一は驚愕の声を上げた。事件に関わっていいなど、半兵衛の口から聞くとは思わなかったという様子で。








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