変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない
「・・・君は探偵として立派に活動しているつもりかもしれない。だが君がやっていたことは警察への協力どころか、蘭さんを始めとしていつか訪れかねない最悪の未来を招きかねないと言うのは今さっき言ったばかりの筈だ・・・それともこれからも事故のような事でも何も起こらないなどと、君は蘭さんや毛利さん達にも自信を持って断言出来るというのかね?」
「っ・・・」
そこで官兵衛が上げた可能性の排除を宣言出来るかとの問い掛けに、新一は口ごもるしかなかった・・・『江戸川コナン』時代でも何回か既に蘭が危険に陥っていた事もあるが、やはり事件が起きては何度も犯人と争ってきたことから、絶対に自分達も相手側も安全だなどと言える要素など新一から見てもどこにもなかった上に・・・今までの話から自分ならどうにでもなるといった楽観的な考えなど、散々言われてきたことから自信を盛大に揺らがされたことにより一切ならなかったために。
「・・・君が事件を解決出来るだけの頭脳に能力を持っていることは十二分に今までの事件の事から理解はしている。しかし警察が守る、いや守れるのはあくまでも目の前にいる者達であり守られることを選んだ者達だ・・・酷薄なように聞こえるかもしれぬが、通報という警察の庇護を得られる手段を自らの気持ち一つの為に放棄した者達を守る義理も義務も警察にはないのだよ。それこそ都合のいい時に都合のいいように君達が思うよう、勝手に行ったことの片付けに費用を捻出をする理由は警察にはない。それとも自分にはそうするだけの権力や立場があるというのかね?・・・反論がしたいならしたまえ。私を納得させられるのならいくらでもしてくれて構わぬよ」
「「っ!」」
・・・半兵衛とは違う官兵衛の真価が見える一切の情を見せることのない絶対零度の瞳と言葉に、新一と蘭は戦慄と共に顔を青くして絶句した。二人が出会った半兵衛を含めた警察関係者に官兵衛程非情になれる者などいなかったのもあるが、確かな理屈がそこに伴われていた事が尚更に反論が出来ないと理解させられた事もあり。
「・・・それでも通報を遅らせたいというのであれば、最早君を止めることは出来んだろう。だがそうするというのであれば君達もだが、君達の親が様々な費用を払うことになるだろう。特に君達はどちらもバイトなりをしていない未成年という立場にある・・・下手をすれば両親の財政を圧迫しかねんだけの金額であることを承知でそうするのはとても利口な選択だとは思わぬがね」
「・・・っ!」
だがまだ続く官兵衛の言葉に、今度は蘭のみがビクリと体を揺らした。明らかに今の脅しめいた言葉に、痛いところを突かれたというよう。
(いくらなんでも蘭にとってこれはキツい・・・おばさんはともかく、おっちゃんはそこまで稼いでないし・・・って言うか、俺が払うなんて言っても流石にあれ以上の金額を払ってほしいなんて父さん達に言えないし・・・何より、蘭がどっちの意味でも絶対に大丈夫なんて保証が出来ないって考えると・・・これは・・・)
そんな蘭を見つつ新一も気持ちと考えは理解しつつも、フォローを入れることはおろか自身も苦い思いを抱かざるを得なかった。官兵衛の言ったように今までの活動を強行するなら金という点で親に頼らざるを得ない二人だが、どちらの立場からも頼りすぎることに抵抗はある上に新一からしたらもう蘭を巻き込んではならない・・・そう様々な意味合いでもう考えざるを得なかったために。
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「っ・・・」
そこで官兵衛が上げた可能性の排除を宣言出来るかとの問い掛けに、新一は口ごもるしかなかった・・・『江戸川コナン』時代でも何回か既に蘭が危険に陥っていた事もあるが、やはり事件が起きては何度も犯人と争ってきたことから、絶対に自分達も相手側も安全だなどと言える要素など新一から見てもどこにもなかった上に・・・今までの話から自分ならどうにでもなるといった楽観的な考えなど、散々言われてきたことから自信を盛大に揺らがされたことにより一切ならなかったために。
「・・・君が事件を解決出来るだけの頭脳に能力を持っていることは十二分に今までの事件の事から理解はしている。しかし警察が守る、いや守れるのはあくまでも目の前にいる者達であり守られることを選んだ者達だ・・・酷薄なように聞こえるかもしれぬが、通報という警察の庇護を得られる手段を自らの気持ち一つの為に放棄した者達を守る義理も義務も警察にはないのだよ。それこそ都合のいい時に都合のいいように君達が思うよう、勝手に行ったことの片付けに費用を捻出をする理由は警察にはない。それとも自分にはそうするだけの権力や立場があるというのかね?・・・反論がしたいならしたまえ。私を納得させられるのならいくらでもしてくれて構わぬよ」
「「っ!」」
・・・半兵衛とは違う官兵衛の真価が見える一切の情を見せることのない絶対零度の瞳と言葉に、新一と蘭は戦慄と共に顔を青くして絶句した。二人が出会った半兵衛を含めた警察関係者に官兵衛程非情になれる者などいなかったのもあるが、確かな理屈がそこに伴われていた事が尚更に反論が出来ないと理解させられた事もあり。
「・・・それでも通報を遅らせたいというのであれば、最早君を止めることは出来んだろう。だがそうするというのであれば君達もだが、君達の親が様々な費用を払うことになるだろう。特に君達はどちらもバイトなりをしていない未成年という立場にある・・・下手をすれば両親の財政を圧迫しかねんだけの金額であることを承知でそうするのはとても利口な選択だとは思わぬがね」
「・・・っ!」
だがまだ続く官兵衛の言葉に、今度は蘭のみがビクリと体を揺らした。明らかに今の脅しめいた言葉に、痛いところを突かれたというよう。
(いくらなんでも蘭にとってこれはキツい・・・おばさんはともかく、おっちゃんはそこまで稼いでないし・・・って言うか、俺が払うなんて言っても流石にあれ以上の金額を払ってほしいなんて父さん達に言えないし・・・何より、蘭がどっちの意味でも絶対に大丈夫なんて保証が出来ないって考えると・・・これは・・・)
そんな蘭を見つつ新一も気持ちと考えは理解しつつも、フォローを入れることはおろか自身も苦い思いを抱かざるを得なかった。官兵衛の言ったように今までの活動を強行するなら金という点で親に頼らざるを得ない二人だが、どちらの立場からも頼りすぎることに抵抗はある上に新一からしたらもう蘭を巻き込んではならない・・・そう様々な意味合いでもう考えざるを得なかったために。
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