変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない

「・・・現状では蘭さんの行動での問題点は器物破損による物だけと思われるかもしれません。ですがこれからのことを考えるなら、決して妃弁護士に関わりのない問題だと言えないということは分かっていただけたと思います・・・今はまだ良くても後々に繋がる問題が起きかねないからこそ、妃弁護士にも来ていただいたことは」
「・・・それは、確かに分かりました・・・もしもの事を考えると、蘭に色々と言わなければならないことは・・・」
そこで改めて呼んだ理由が分かるか確認を取る半兵衛に、英理も諦めたようにうなだれつつも頷く・・・事が起きてしまえば親として無関心ではいられないということを半兵衛が言っていて、それを防ぐために呼んだのだということが。
「分かっていただいたなら結構と言いたいんですけど、この問題に関しては出来る限り早くお二人からしても解決することが望ましいでしょう・・・今はまだ未成年であり保護されるべき立場にありますから、もしもの事があってもまだ新聞に載ることがない立場にいます。勿論そもそもからそんなことがないようになるのが理想ではありますが、成人という立場になればもしものことがあれば正当防衛でも新聞にその名が載ることになり、毛利さん達にとって色々と心苦しいことになるでしょう。特に妃弁護士に関しては親としてもそうですが、弁護士としての活動に大いに影響をもたらしかねません」
「っ!」
「・・・蘭さんより立場や名声が大事かどうかというような考えを持っているとは思ってはいません。ですが身内が問題を起こした際にどのような状態になるかは、弁護士である妃さんならよく御存知の筈ですが・・・」
「・・・確かに、そうですね・・・今までそう言った人達のことは沢山見てきましたから、あまり良くない事になっている人は何人もいましたから・・・」
だが半兵衛はまだ言うことがあると弁護士としての立場がまずくなると同時に被害者の立場にもなり得ると口にすると、英理は弁護士の立場から見てきたことから決して自分も良くないことになるだろうと認めるしかなかった・・・例え正当防衛であろうとも人を殺したとなれば、どれだけ人生が家族共々狂っていくのかを弁護士として見てきた為に。
「・・・竹中警視・・・貴方が言いたいことは分かりましたけど、我々はどうすればいいんですか?・・・今までの話を聞いていると、蘭に注意をしただけでどうにかなるとは思えないんですが・・・」
「そこについては新一君達と話をしてどうするかを決めてください。ある程度は黒田監察官と俺は同じ話をするようにはしていますが、向こうは向こうで俺とは別に話さなきゃならないことがあるみたいだからそこのすり合わせを行うって形で」
「そうですか・・・」
「ただその際に俺からこうするようにという頼みではなく、あくまで俺の気持ちも併せた助言をするなら・・・新一君と蘭さんの関係の改善か、もしくは解消についてを進める方がいいと思います」
「っ・・・それは・・・」
そこまで来て今度は小五郎が具体的な解決法についてを聞いてきた為、半兵衛は前置きを置いた上で助言を向けるのだがその中身に小五郎もまたたまらずに苦い顔を浮かべた。









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