変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない
「何故と思われてるかもしれませんが、蘭さんの空手は当たり所が悪ければ人を殺せるだけの威力が十二分にあるからそう言っているんです。と言うか、一度毛利さんは蘭さんの蹴りを顔面に受けてますよね?とあるホテルでの事件で蘭さんからの蹴りを」
「あっ・・・それは、確かに・・・」
「その時の事は大分前のことで事件現場に俺が来る前の事でしたが、捜査資料でどういった物であるかについては見ました・・・その資料によれば蘭さんの蹴りを受けた毛利さんの後頭部に当たった柱の部分にヒビが入ったとの事ですが、ホテルの柱が普通の人の蹴り一つでそんなことになると思いますか?」
「っ・・・それは・・・その・・・」
「蘭さんの事だから普通の人と同じだと答えたいのかもしれませんが、ハッキリ言わせてもらいます・・・毛利さんが今こうして生きているどころか、何の怪我も後遺症もなかったことは当たり所が良かったからとかそう簡単に言えるような物ではありません。むしろ奇跡と言っても過言じゃないと俺は思っています・・・最低でも人間の頭蓋骨陥没を引き起こすには十分すぎるだけの威力があることが分かりましたから」
「「っ!?」」
その理由についてを半兵衛は以前テキーラという組織の大男が死んだ際の事件で蘭の蹴りを受けた小五郎のことを引き合いに出すが、その威力に蘭を悪く言われたくなさそうだった小五郎だけではなく英理もが絶句せざるを得なかった・・・少し違ったら蘭の蹴りで小五郎が死ぬという、例え事故でも子が親を殺すなんて結果を生みかねなかった事態が有り得たと言うことに。
「鍛え上げた拳は人間の頭蓋骨を容易く叩き割る・・・このまんまの言葉だったかはともかく、こういう言葉を聞いたことがあります。かくいう俺もその事件の資料を見る前まではまだ自衛の範囲にあるならと思っていましたけど、その資料を見たことに事件の度に荒事になる可能性の高い蘭さんがもしもの事を起こす可能性についてを俺は危惧しています」
「危惧って・・・それってつまり、蘭が人を殺すって言うんですか・・・!?」
「蘭さんが人を自ら殺したいから殺すわけではないにしても、正当防衛の為に空手を振るうにしても・・・蘭さんの拳に脚は、十分に人を殺せるだけの威力を秘めた凶器になり得ます。今までが無事だったからこれからも人を殺さずに済むというのは楽観視をし過ぎた考えと言えますし、だからと言って蘭さんがこれからも事件に巻き込まれた際に無事に犯人を撃退出来ないだけならまだしも、逆に大怪我を負うばかりか殺されるという事態になることも有り得ないことではないでしょう」
「なっ・・・!?」
・・・最初は蘭が貶められたのではと怒りに震えたが、続けられた仮定の言葉に英理は表情を青くして絶句した。殺す可能性もだが殺される可能性もまた否定出来ないと、半兵衛が口にしたことに。
「上には上がいるという言葉があるよう蘭さんの強さは常人よりは上ではあるでしょうが、男女問わずの常勝無敗で人類最強と誰もが認める程の実力があるとは貴女も思ってはいないでしょう。現に空手の大会でもいいところまではいけても、優勝まではいっていないことからそれは分かるはずです」
「そ、それは確かに否定出来ませんが・・・」
「そうでしょう?それでも蘭さんの戦闘能力の高さは一般人に比べれば抜きん出ていますが、いざという時になって犯罪者が銃器などの飛び道具を使った場合だったり複数の屈強な人々に囲まれたなら・・・人を殺さないように戦う力加減を出来ないことと同時に、蘭さんの身にも危険が及ぶんですよ。妃弁護士はそれでもいいんですか?」
「っ・・・!」
更に半兵衛が続けたもしもについての話に、より英理は顔色を悪くする。最悪の事態を考えれば考えるほど、蘭の身の危険がより具体的でいて現実的に見えてきた為に。
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「あっ・・・それは、確かに・・・」
「その時の事は大分前のことで事件現場に俺が来る前の事でしたが、捜査資料でどういった物であるかについては見ました・・・その資料によれば蘭さんの蹴りを受けた毛利さんの後頭部に当たった柱の部分にヒビが入ったとの事ですが、ホテルの柱が普通の人の蹴り一つでそんなことになると思いますか?」
「っ・・・それは・・・その・・・」
「蘭さんの事だから普通の人と同じだと答えたいのかもしれませんが、ハッキリ言わせてもらいます・・・毛利さんが今こうして生きているどころか、何の怪我も後遺症もなかったことは当たり所が良かったからとかそう簡単に言えるような物ではありません。むしろ奇跡と言っても過言じゃないと俺は思っています・・・最低でも人間の頭蓋骨陥没を引き起こすには十分すぎるだけの威力があることが分かりましたから」
「「っ!?」」
その理由についてを半兵衛は以前テキーラという組織の大男が死んだ際の事件で蘭の蹴りを受けた小五郎のことを引き合いに出すが、その威力に蘭を悪く言われたくなさそうだった小五郎だけではなく英理もが絶句せざるを得なかった・・・少し違ったら蘭の蹴りで小五郎が死ぬという、例え事故でも子が親を殺すなんて結果を生みかねなかった事態が有り得たと言うことに。
「鍛え上げた拳は人間の頭蓋骨を容易く叩き割る・・・このまんまの言葉だったかはともかく、こういう言葉を聞いたことがあります。かくいう俺もその事件の資料を見る前まではまだ自衛の範囲にあるならと思っていましたけど、その資料を見たことに事件の度に荒事になる可能性の高い蘭さんがもしもの事を起こす可能性についてを俺は危惧しています」
「危惧って・・・それってつまり、蘭が人を殺すって言うんですか・・・!?」
「蘭さんが人を自ら殺したいから殺すわけではないにしても、正当防衛の為に空手を振るうにしても・・・蘭さんの拳に脚は、十分に人を殺せるだけの威力を秘めた凶器になり得ます。今までが無事だったからこれからも人を殺さずに済むというのは楽観視をし過ぎた考えと言えますし、だからと言って蘭さんがこれからも事件に巻き込まれた際に無事に犯人を撃退出来ないだけならまだしも、逆に大怪我を負うばかりか殺されるという事態になることも有り得ないことではないでしょう」
「なっ・・・!?」
・・・最初は蘭が貶められたのではと怒りに震えたが、続けられた仮定の言葉に英理は表情を青くして絶句した。殺す可能性もだが殺される可能性もまた否定出来ないと、半兵衛が口にしたことに。
「上には上がいるという言葉があるよう蘭さんの強さは常人よりは上ではあるでしょうが、男女問わずの常勝無敗で人類最強と誰もが認める程の実力があるとは貴女も思ってはいないでしょう。現に空手の大会でもいいところまではいけても、優勝まではいっていないことからそれは分かるはずです」
「そ、それは確かに否定出来ませんが・・・」
「そうでしょう?それでも蘭さんの戦闘能力の高さは一般人に比べれば抜きん出ていますが、いざという時になって犯罪者が銃器などの飛び道具を使った場合だったり複数の屈強な人々に囲まれたなら・・・人を殺さないように戦う力加減を出来ないことと同時に、蘭さんの身にも危険が及ぶんですよ。妃弁護士はそれでもいいんですか?」
「っ・・・!」
更に半兵衛が続けたもしもについての話に、より英理は顔色を悪くする。最悪の事態を考えれば考えるほど、蘭の身の危険がより具体的でいて現実的に見えてきた為に。
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