変わらないままではいられない、変わらずいてはいけない

・・・半兵衛が話した事件が起きてから犯人確保までの流れ・・・これは新一が事件が起きた時に警察に行動を制限されたのをどうにかしようと考えた抜け道の方法である。敢えて警察への連絡をしたと嘘をついて情報を遅らせ、自分で事件の解決をした上で本当に警察に連絡するという新一からして警察の邪魔を受けないようにするための。

この方法は確かに連絡をされてから現場に駆け付ける警察からすれば、事件の解決をされた後に呼び出されてしまえばどうしようもなかった。警察が新一より先に事件に出会うことが出来なければ、どうしようもないのだから。

だがそういった手段を取ったことによる弊害が、半兵衛の言ったような犯人の抵抗にあうという物だ・・・普通に考えれば警察という存在は、一般人から言わせれば暴漢の鎮圧であったりを行えるだけの技量を持った人間達の集まりである。少なくとも一般的な高校生と比べてみてどちらが強いかと考えてみたなら、普通に考えれば警察だと答えるだろう。

そしてそう考えるのは犯罪者も同様である・・・見た目としては推理が出来る優男と女子高生。こんな組み合わせを見て周りに警察の人間が何人もいる状況と比べたら、どちらが抵抗するのがマシと思うかと言えば断然見た目だけなら前者だろう。

しかし新一の運動能力は並の男子高校生ではないし、蘭に至っては女子ではあるが空手においては並の男では歯牙にかけない程の強さがある・・・そんな二人を相手に、特に蘭に攻撃を仕掛ければどうなるかと言えば余程その人物が強くなければまず失敗に陥ることは間違いはない。それだけの力量が二人と言うか、蘭にはあるのだ。

・・・しかしそうして暴れる犯人を相手に戦うことが、物品もそうだが警察への評価の影響を多大にもたらしているという事実を小五郎と英理は知ってしまったのである・・・他ならぬ半兵衛の口から・・・






「・・・前に毛利さんには話しましたが、俺個人としては新一君が事件を解決したいというならしてもらっても構わないとは思ってはいます。けれどそうして警察を頼りにしないばかりか、正当防衛であるとは言え度々器物破損などされて後片付けをするばかり・・・新一君が警察を呼ぶのを敢えて遅らせている節があるといった場面を見たことがあるという話もありますが、そういった面を含めても蘭さんが犯人の鎮圧の為とは言え様々な被害を与えていることをその額を見ていただけると分かるよう、そろそろ看過出来なくなってきたから皆さんに来ていただいたんですよ。流石にその事を伝えなければならない状態になってきたことをお話するために」
「・・・そういうことだったんですか・・・」
そうして半兵衛が用向きの本題についてを話終えた所で、小五郎は表情を重くしてそれらの言葉を受け止める。確かにそれだけの事があるなら親である自分達が呼び出されるのは仕方無いことだと。
「・・・言いたいことは分かりました。私達に蘭に注意をしてほしいといった旨の話をしてほしいのだということは。ですがそれならこの人だけに話をすれば良かったのではないのですか?わざわざ私まで呼ぶほどのことだとは思えませんが・・・」
「英理・・・!」
だがここに来て英理が分かると言いつつも腕を組みながら自分まで来る必要はなかったと不満を口にする様子に、小五郎は強い語気と視線で批難を向ける。いかにも自分は関係無いだろうと言わんばかりの態度は駄目だろうと言うよう。
「・・・今はまだいいかもしれません。でもこれからのことを考えると、もしものことも有り得るから妃弁護士にも来ていただきたいと思って連絡をしたんです。蘭さんが事故の形ででも人を殺す事にならないようにするために」
「「っ!?」」
・・・だが半兵衛がそこで少し遠くを見るような目で口にした言葉に、二人はたまらず驚愕に目を見開いた。蘭が人を殺すという、まさかの言葉に。









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