元世界最高の探偵が物語に加わ・・・らないだけの話

・・・世界最高の探偵と呼ばれたL。彼はキラと呼ばれた犯罪者の策略により命を落とした。そして彼は本来有り得る筈のない記憶を持っての転生を経験して、二度目の人生を過ごすことになった。だがその人生において、Lは両親に兄の事を家族として自身に向けられる同等の愛を返すことは出来ずにいた・・・


















「・・・もしもし、どうしたの昴さん?」
『あぁ、コナン君。少し君に報告したいことがあるんだ』
・・・時は江戸川コナン改め、その正体は工藤新一という高校生探偵として活動していた存在がとある薬を飲まされて幼児化した人物に、街の中を歩いている最中にある電話がかかってきた時になる。
新一は普段滅多に自身に電話などかけてこない沖矢昴・・・その正体はFBIであり、自分を小さくした組織を同じように追う赤井秀一という人物からの電話を取ると、沖矢昴としての顔で赤井は会話を切り出す。
『実はさっき頼人と言う少年が来たんだ。工藤家に帰ってくる形でね』
「えっ・・・頼人、兄ちゃんが!?」
そんな赤井からの言葉に新一はたまらず頼人と呼び捨てになりそうなのを押し止めつつ、兄ちゃんと呼称を付け加える・・・ほぼ赤井との間では暗黙の了解になりかかっているがまだハッキリと自分は工藤新一だとは言ってない状況に加え、周りの事があるために声高に迂闊な事を発信出来ない為に。
『成程、工藤家の次男坊だとの話は嘘ではなかったか・・・その頼人君が言うにはアメリカの大学の卒業の単位も十分に取れていて、少し時間が取れたから一時帰国してきたとのことだ。ただ私が工藤家を使わせてもらっていると聞いてなかったことから意外そうにしていたよ』
「えっと・・・それで、頼人兄ちゃんは家にいるの?」
『いや、知り合いにお土産を渡しに行くと家を出たよ。と言ってももう阿笠博士の家は行って簡単にお土産を渡して後にしていったようだから、次にどこに行くかとなると毛利さんか妃弁護士の所が妥当だとは思うが』
「うん、分かった!ありがとう昴さん!またね!」
それで話は頼人の今の居場所についてになり、場所について聞くと新一は赤井に簡素に礼を言って電話を切る。
(頼人が帰ってきてるなんて・・・何かあったのか?取り敢えず事務所に戻らないと・・・!)
そして新一はそのまま今住んでいる毛利探偵事務所に戻るため、走り出す。いきなり頼人が予告もなく帰ってくるなど何かあったとしか考えられないと思い、力になれるならなろうという気持ちを抱きながら。






・・・それで新一は急いで探偵事務所に戻ってきたのだが・・・
「・・・毛利さん、この子どもは?」
「話しただろ?こいつが今ここに居候してるコナンって奴だ」
「そうですか」
(何だ?頼人の事は久しぶりに見るけど、何か大して切羽詰まってるような感じに見えねぇぞ・・・)
新一が事務所に入って人の気配がある方を見てみれば、穏やかにソファーで向かい合いながら話していただろう小五郎と頼人が急いで帰ってきただろう新一の姿にむしろ不思議そうな表情を浮かべている・・・その事に新一は内心肩透かしを食らったようになりながら、頼人が思い詰めた様子ではないことにどういうことかと考える。









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