イレギュラーによる解決と変遷

「というわけだからもうこの話はこれで終わりよ。もし次に彼の事について遠回しにでも探るような電話をしてくることもそうだけれど、それなら直接と会いに来るような事だったり服部君だったり誰かを介して探りに来るようにさせるのもやめてちょうだい。そんな事をしたらもう作らないと決めていたけど、あの薬をどんな形でももう一度貴方に無理矢理飲ませた上でもうどんなに言われようとその解毒薬は作らないわ」
『なっ・・・!?』
「・・・それだけ私からしたら本気で止めてほしいと思っているからそう言ってるのよ・・・それで、返事は?」
『・・・・・・分かった、もうその事でお前に何かを言うのは止める・・・』
「本当なら彼について探るのを止めるとも言ってほしかったのだけれど、もういいわ。一々貴方の行動を制限して見張るなんて今の生活もあるから出来る筈もないし、そんなことしたくもないもの・・・取り敢えずじゃあね工藤君。もう余程でなければ何も連絡してこないでちょうだい」
『みや・・・!』
そして最後にもう関わるなと体を小さくする毒薬まで切り出す志保の強く否定を許さない声に新一ももう散々ダメージを負っている事もあって力なく了承し、その答えに少し不満そうながらも志保は言いたいことだけ言って携帯の通話を切った。向こうが何かを言いたそうにしていた声を全く聞くこともないまま、液晶に映った通話先の相手の名前を冷たい眼差しで見詰める形で・・・


















『・・・と言うわけよ。ついさっきのことだから後で工藤君に話をされて阿笠博士が何か言ってくるかもしれないけれど、それは私で対処するわ。ただそうなるなら貴方の事を諦めきれてないという証拠になるけれど・・・』
「そこまで来ても諦めきれないというのは正直、俺としても計算外ではあったな・・・まぁ頭では理解出来ても心ではというヤツなんだろうし、バーボンが誰かを探し当てる事は出来たとしても組織を壊滅に追いやったきっかけである俺にはまず辿り着けないだろう。そしてそんな工藤君は君の言葉が効いているのもあって、確信が得られるまでは君や俺の所には来ないのは目に見えているさ」
『散々言われてきた事から、私達に接触するならぐうの音も出ないほどの証拠が見付からない限りは私達に何かを言われることを避けるためといった所かしら』
「まぁそうなるだろうね」
・・・そして場面は戻り、一通り志保の話を聞き終わった蔵馬は笑顔で志保に言葉を返していく。
『でももし仮に工藤君が貴方の正体に気付いた上で霊界という存在の思惑があったからなんて風に辿り着いたとして、彼は貴方やコエンマという人になんて言うのかしら?その辺りは彼はそういったことは解明出来ることであって現実には有り得ないと思っているだろうから、私には想像はつかないのだけれど・・・』
「多分頭では理解しつつも余計なことを、と言った気持ちは根底にあるだろうとは思うよ。流石に犠牲者の事に関しては思うところはあっただろうとは思うが、そんな不都合が出てくるかもしれないから普段出さない手を出すくらいなら何もしない方がマシだった、自分が組織を壊滅させることが出来たのに・・・と、自身の成功を疑ってなかったんじゃないかな」
『・・・ある意味流石ね。そんな風に自信満々でいられるというのは』
そんな会話からふと新一が真実に気付いたならどうなるかと志保が聞くと、蔵馬から返ってきた返答に呆れを浮かべた声を漏らした。自分ならイケると信じて疑ってない新一らしく傲慢な考え方だと。









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