イレギュラーは起こりうる物

「・・・どうする、蔵馬?この選択肢に関してはお前に任せることにするが・・・」
「・・・今すぐに結論を出すのは少し難しいな。出来れば組織について調べた資料だったりがあれば見せてほしいし、考える時間が必要だ。それに俺が出張中と周りに誤魔化すからにはどこかに拠点は設けるつもりなんだろう?」
「鋭いな・・・確かに拠点用の物件はもう借りてある。そこは現在工藤新一とシェリーの二人がいる米花町のとあるマンションだ」
「ならそこでしばらくどうするかを考えつつ行動しよう。どちらかを選ぶようにと俺に託すと言うなら、この件に関しての解決の流れについても全て俺の手に委ねるのだろう?」
「あぁ。組織の壊滅と薬のデータとシェリーの記憶の消去をしてくれるなら、人を殺すような事にお前自身もそうだが妖怪や霊界の存在が明るみに出るようなことがなければな」
そしてこれでどちらにするかと聞くコエンマだが、時間をかけて考えると流れを確認した上で言う蔵馬にそれでいいと答える。特に言ったこと以外に条件は設けないと。
「・・・ちなみに聞くが、組織の壊滅に関しては制限時間はあるか?そして妖怪などは米花町近辺には現れるのか?それ次第では俺もやり方を考えるが・・・」
「いや、それは特に設けてはいないし妖怪なども特に現れることもない土地だ。こちらとしては薬のデータさえ流出しなければ時間がかかっても問題はないし、妖怪も近寄ることも定住する事もない。土地柄的に妖怪から見て住み心地の良くない所なのか他に何かあるのか理由はハッキリしてはいないが、お前なら特に問題はないだろう」
「そういうことならいいだろう。急ぐなら俺もやり方を考える必要があるし、妖怪が関わってくるなら面倒になりかねなかったからな」
「うむ・・・と言うより下手に三人以外にこちらの手をお前につけると却って面倒になるだろう。特にぼたんなどは細心の注意が必要だと言う時に迂闊な事を言いかねんからな」
「はは・・・まぁ何かあれば連絡しますよ。これで聞けたいことも聞けましたから、また何かあればその時にと言うことで」
「うむ、分かった」
その上で時間と妖怪についてを聞いて特に問題ないといった答えが返ってきたことに蔵馬は話は終わりとぼたんの事が出たのもあって微笑を浮かべ、コエンマも頷く。これで決まりだと。

















・・・そして数日後、蔵馬は南野秀一として米花町へと向かうことになる。そこで待ち構える物と解決すべきこと、それらに向かい合う形で・・・



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