自分の当たり前が人の当たり前には確実には当たらない

「それで、結果はどうなった?」
「ん~、成功と言えば成功だけど江戸川コナンが心底から納得してはいないのは見てて分かったからね~。その辺りは随時要注意って所かな」
「ふむ・・・報告に聞くような性格で間違いはないということか」
「そうだね~。釘は刺したけど、間違いなく事件が起きれば首を突っ込んでくるだろうって思うよ。一応毛利さんは動いてくれるとは言ったからそうそう毛利さんやその娘さんと一緒にいる時は問題は起こさないだろうと見てるけど、隙があればあの子は動いていくだろうし毛利さん達のいない現場や地方だと色々しそうなんだよね~。だからその辺りはもぐら叩きのような形になるけど、随時注意して二度と同じような事を起こさないようにしていくしかないね~」
「だろうな・・・初めて聞いた時から思ってはいたが、ここまで厄介な存在だとは思っていなかったな・・・」
「だよね~・・・そもそも戸籍に存在しない子どもって時点で滅茶苦茶だって言うのに・・・」
そんな会話から結果についてを官兵衛は問うのだが、次第に話の中身は江戸川コナンという存在になっていき半兵衛が戸籍が存在しないといった所で二人ともに重く溜め息を吐きたそうな表情を浮かべる。






・・・半兵衛が戸籍と言った理由。これは元々目暮班の行動が誉められない物だということを調べていく中、最近の最もな問題として挙がった江戸川コナンの事を調べていったが故だ。

最初は半兵衛はこの子どもについてを軽い気持ちで調べていた。子どもにしてはやけに好奇心旺盛でいて正義感が強く、毛利探偵に協力している子どもがいるなという風に見る形でだ。

しかしそのコナンが目暮班かどうかなど関係無くやけに事件に関わっていることを調べて知っていったことから、コナンの事についても半兵衛は調べていった。この子どもはどういう存在なのかと。

そうして江戸川コナンという存在についてを調べていった半兵衛だが、そこで出てきたのは・・・毛利家に来る前からの経緯もそうだが、どう調べても江戸川コナンの情報が出てこないという物だった。江戸川コナンという存在もそうだが、江戸川コナンを子どもとしている親の存在自体も戸籍も何もかもだ。

この事に半兵衛は困惑せざるを得なかった。自分達の生きていた戦国時代から考えれば比べ物にならないほどに様々な発展を遂げたこの現代にて、戸籍という生まれてすぐに登録されて国に保管されて然るべき物が一切江戸川コナンの両親も含めて存在しなかったことに。

この事から江戸川コナンに関してどうするかを決めあぐねた半兵衛は一度官兵衛に話を通し、目暮班の様子を確認する傍らで江戸川コナンの観察も出来るようにならないかと提案した。それも自分と官兵衛・・・二人以外には江戸川コナンの事については一先ずは言わないようにする形でだ。

この提案に何故と官兵衛は聞くと、様々な理由はあれども最もな理由としては今この情報が不確定なままで上に回ればどうなるか分からないと半兵衛は返した。戸籍がない子どもが有り得るのかという事もあるが、そんな子どもを平然と受け入れているだろう毛利小五郎に関してどういうことかだったり、様々な情報を調べた上で万全の状態にして上に報告した方がいいと。

そんな半兵衛の案に対し、官兵衛は少し考えた後に卿が直接動いて目暮班の観察の傍らでそうするならしばらくの間は黙認すると返した。流石に情報が少なすぎる状態で上にこの事を回すのは良くないからということでだ。

その官兵衛の返しを規則を守る事を守りつつもどこか人間として好ましい隙を見せる彼らしいと思いながらも半兵衛は頷き、目暮班の観察をする傍らで江戸川コナンの観察を現場入りして行ってきた。時にはアドバイスを求められながらも断り、時には観察対象から隠してはいるつもりといったような蔑んだ視線を向けられながらだ。

そうしてやる気のない・・・半兵衛から言わせれば通常運転の様子で事件を観察していけば、江戸川コナンの問題行動はそれこそ多々出てきた。明らかに普通の子どもとはかけ離れた行動が。









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