三つの思うようにはいかなかった未来

(・・・くそっ、気にしないようにしたいってのにまた思い出していっちまう・・・もう七年も前になるってのにあの男が俺に会いに来た時の事までも・・・)
更に快斗は意識しないようにしていたのに、更に思い出したくない出会いまでも思い出してより表情を歪めていた。






・・・今から七年程前になるが、今と同じようにマジックショーを終えて控え室に戻って来た時に異変に気付いた。それは自分の控え室に誰かが入っている気配がしていることだった。

これに関してはもうその時には日本トップのマジシャンとしての腕を持つ者として人気だったことから、自分一人で使えるし勝手に誰かが入って来ないようにした控え室をあてがってもらえるようにしてもらっていたから、その気配に不審な物を感じつつも控え室に入らないといけないと思ったから入る事にしたのだが・・・そこにあった顔に快斗は驚愕することになった。

何故ならその顔とは快斗と同じ奇術師でありながら犯罪者として名を馳せ、死刑囚として牢獄に入っている筈の男ということで興味があったから顔は覚えていた存在である・・・高遠遙一だったからである。その見た目は前に見たものと違い白髪の長髪といった物だったが。

そんな高遠が何故この場所にいるのかという驚きが快斗にはあったのだが、そのような内心には構わず高遠は冷酷な微笑を浮かべながら話しかけてきたのである・・・「直に会うのは初めてですね。黒羽快斗君、いえ怪盗キッドさん」というよう。

その言葉にたまらず目を見張る快斗だったが、高遠はそんな様子に愉快そうに微笑みながら続けていった言葉により一層に目を見張った・・・二十年前に快斗が怪盗キッドとして活動していたことを知っていたというか、確認していたとの事に。

そう言われた事にどうしてというようにたまらず快斗は漏らしたのだが、度々怪盗キッドとして動いていた時の様子だったり手練手管を見ていると単なる泥棒などではなく、奇術師としての様々な要素を感じた上で自身の奇術師としての視点からハングライダーを使うということを加味して、どのように動いているのかを考えていった結果として怪盗キッドは君が正体なのだというよう知るに至ったと高遠が返したことに、快斗は最初は唖然としたが次第に納得していった。

これは高遠の類を見ない程の犯罪者としての頭の良さもあるが、その土台にあるのが奇術師としての物だということを考えると自身を追っていた探偵や警察といった存在より自分に近い事を考えれば、そちら方面からのアプローチで自分の使ったマジックもそうだがその舞台裏についても踏まえて自身の事を把握するのは、目の前のこの男なら出来ない事ではないのだろうと考えたが故だった。

そしてそんなものだから取ったリアクションもあってもう誤魔化しは出来ないと思った快斗は、開き直る形でそこまで言ったのになんで直接俺に話をしに来なかったのかもだが、今牢獄にいるはずのあんたがなんでここに来たのかと問い掛けると、君の事実を知ってから程なくして牢に入る事にしたけれどこうして久しぶりに牢から出てきたことから、君のショーを見たいと思ったからこちらに来たんですよと何のこともないといったように返した事に快斗はそっと驚きを押し殺していた。いくら腕利きのマジシャンであろうが脱獄なんて簡単に出来る筈がないのに、それをアッサリ成し遂げたというような返しに。

ただそこで更に高遠から続けられた言葉に快斗は愕然とするしかなかった・・・「ただこちらに来る前から予想はしていましたが君のショーを見て確信しました・・・君はマジシャンとして動いている事を楽しいと思っている部分は確かにあるのでしょうが、君がより心が躍るのは怪盗キッドとして動いていた時であると同時にまた怪盗キッドとして動きたいと思っているということを」との言葉に。









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