三つの思うようにはいかなかった未来

そう理解した白馬はやり切れない気持ちになりつつもまた何か怪盗キッドとして快斗が再び活動を始める可能性が絶対ないとは言い切れないと思い、また転校といったことをせずにそのまま時間を過ごしていくのだが・・・とある時に白馬に快斗が照れくさそうな様子を浮かべながら話をしてきたのである。今まで何だかんだあったけれどそろそろ青子に告白しようと思っているというよう。

・・・ここでもし白馬が快斗が怪盗キッドでないと思っているだとかそもそも怪盗キッドについての活動がなかったら、ただ純粋に告白したいというような相手の事を無碍に扱うことはなく親身に答えていた事だろう。白馬はそれくらいの善意は当然持ち合わせてはいる。

だが怪盗キッドの件を飲み下しきれていなかったのもあるが、青子という親が怪盗キッドを目の敵にしていた存在でありその娘として同じように怪盗キッドの活動やらが気持ち良くないというよう、快斗にも言っていたのは白馬も見ていのだが・・・白馬の目線から見れば怪盗キッドの正体である快斗が、怪盗キッドを嫌っている青子とのうのうと付き合いたいというように言っている事に、強烈に何か心の内からせり上がってくる想いを感じたのである。

そしてそのままこのように白馬は快斗に言ったのだ・・・「仮に青子さんが君の告白にOKを出したとしたなら、君は自分が怪盗キッドだったと言うつもりがあるのかないのかどちらかは分かりませんが、どちらを選んだとしてもそれは青子さんへの裏切りに他ならない行動だと思いますよ」と。

そう言われた快斗は最初こそは戸惑いを浮かべていたが、白馬が更に続けた言葉に顔を青ざめさせながら絶句してしまった・・・もし怪盗キッドだと明かすと選択したならそれはそれで今まで青子を騙していたのもそうだが、以降に青子に快斗を怪盗キッドだとバラすかこのまま黙っておくかの二択が頭をちらつかせる事になってしまうが、かといってそうだと言わないなら快斗はずっと付き合うこともだが結婚した後も青子に自分は怪盗キッドなんだと騙したままいるということになるんだというように言ったことに。

それで白馬は快斗の反応から改めて快斗が怪盗キッドであったことは間違いないだろうと感じたのだが、そこから快斗が明らかに動揺を隠せてない様子のぎこちない笑顔を浮かべて悪い用事を思い出したといそいそと離れていったことに、相当効いたというように感じたのと同時に・・・快斗に対して申し訳無いという気持ちが湧いてしまったのである。

元々怪盗キッドが快斗であることを確信しつつ怪盗キッドを捕らえる為に転校までしてきた白馬だったが、そこから快斗や青子といった面々と共に高校で過ごす日々という物に白馬は居心地の良さだとか親愛の情といったような気持ちを感じるようになっていたのだ。特に快斗に対しては怪盗キッドという宿敵だと思っていたからこそ周りの者達とは違う、特別な想いを。

だからこそというか怪盗キッドを二度と捕まえられないことに対する怒りに近い気持ちもあったが、だからといってこんなことにしたかった訳では無いというようになってしまったのだ。ライバルでもあるが同時に友人といった存在に衝撃を与えたかったわけではないと。

しかし吐いた唾は飲み込めないというよう白馬が口にした言葉で快斗が離れていった後、快斗は白馬もそうだが想いを寄せている相手でもある青子からも距離を離すようにしていったのである。明らかに白馬の言葉が効いてしまっているというのが見て取れる形で。









.
18/27ページ
スキ