自分の当たり前が人の当たり前には確実には当たらない

「何故だと思っているのかもしれませんが、以前から警察の上層部では貴殿方・・・もっと言うなら工藤新一君の頃から目暮警部達の事は色々と問題になっていて、毛利さんが事件に関わり出すようになってからこの事が大きくなってきたんです」
「ちょっ、ちょっと待ってください!新一の頃からってどういうことですか!?」
その上で問題は新一の頃からとの半兵衛の言葉に、たまらず蘭がどういうことかと食い付く。新一が何か悪いことをしたのかとばかりに。
「落ち着いてもらっていいかな?新一君が悪いことをしたって訳じゃなく、目暮警部が度々事件現場に彼を頼って呼んでいたその姿勢が問題視されていたんだからね」
「え・・・?」
「簡単な話、いくら探偵を名乗っているって言ったってちゃんとした職業にも就いてない上に未成年の新一君に事件が解決しないから君に頼む・・・なんて泣き付くのはおかしいだろうってことさ。いくら事件の解決が滞ろうが、警察外部の人間を易々と何回も当然のように頼ろうとするのはね」
「そ、それは・・・でも、新一がいたから事件を解決出来た訳で・・・」
「まぁ個人的には事件を解決出来れば俺も別に問題はないって言いたいんだけど、警察内部ではそういった外部頼りの姿勢は問題視されていた。その上で外部の人間が事件を解決してもらったことを当然の物として頼ることの是非を考えないままに重く捉えないばかりか、反省もせず笑いあうような姿を見せる様子もね」
「「「っ・・・!」」」
だが蘭が相手だから口調を崩した半兵衛が新一が悪いわけではないと返しつつ目暮達の行動がどう見えるかとの返しに、蘭だけでなく残り二人も息を呑んだ。外部の人間が事件を解決した事を恥どころか、当然という姿勢を警察上層部が問題視してるということに。
「・・・新一君でそうだった目暮警部達だけど、この最近は彼は姿を見せなくなった。その代わりに毛利さんが入れ替わるように事件に関わるようになっていったわけですが、そこで再び問題視されだしたのは毛利さんが事件を解決することを当然とするのもそうですが、事件現場でコナン君が普通に活動していることがより問題視されたんです。目暮班は一体何をしているのかと言われる形で」
「「っ・・・!」」
(まさか・・・俺が活動してた時からそんなことがあったってのもそうだけど、この体になってからのおっちゃんとの活動で目暮警部達がそんなことになるなんて・・・!)
それで口調を改めて現在の問題である小五郎にコナンの事を口にする半兵衛に、小五郎と蘭は再び息を呑み新一は歯を噛んだ。まさかそんなことになるとは思っていなかったと。
「それでなんですが毛利さん、貴方にお願いしたいことがあります」
「それは・・・その、つまり・・・今までの流れから見て私にも事件に関わるな、ということですか・・・?」
「それはそれで間違ってはいませんが、絶対にそうしろと強制している訳ではありません。貴殿方が遭遇する事件の中には警察がすぐに介入することが難しい事件もあったとのことでしたので、そういった緊急時は仕方無い物として見させてもらいます。ですのでその事に関してはそういうものだと思ってもらえばいいですが、本当にやっていただきたいことはコナン君への教育です」
「っ!?」
そんな空気の中で半兵衛が口にした願いとの言葉に小五郎も今までの流れからこうではと察するのだが、補足を加えた上でコナンの教育と言った半兵衛の言葉に当人の新一が一番に驚愕して目を見開いた。そこで何故自分になるのだといったように。









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