三つの思うようにはいかなかった未来

・・・名探偵の孫に現代のホームズに二代目の怪盗キッド。この三人も時間を経て成人の年齢を越えて大人として社会に繰り出す事になった。これはそんな三人の歩みに関する話である・・・


















「・・・金田一君が子どもを持つことになった?」
「えぇ。色々と事情が重なり子どもを持たずにいましたが、つい先日に七瀬さんがご懐妊したというように連絡を受けました」
「それはめでたいですが、僕や金田一君と同じ年齢だと考えると少し出産に不安があるかと思いますが・・・」
「えぇ、高齢出産ということは否定出来ません。ですがあの二人はその事を承知の上で子どもを作ると選んだとの事ですし、まだ時期ではないと先延ばしにすればそれだけ七瀬さんもですが子どもにも出産の体への負担といったリスクが高くなっていくと考えれば、今がその機会だというよう二人も決断したのだと思いますよ」
「そうなんですね・・・」
・・・とあるバーのカウンター席にて、とても50付近の歳とは思えない若さを保つ明智とこちらも37の年齢とは思えない顔付きをした白馬がスーツ姿で並んで座りつつ、グラスを傾けながら話をしていた。
その中で金田一夫婦の話題を出した明智に白馬は大丈夫なのかというよう問うが、二人なら覚悟済みだろうというように返されたことに少し何とも言い難げな様子を浮かべつつ更に口を開く。
「・・・話に聞けば金田一君と因縁深い高遠遙一が刑務所から脱獄したとのことですが、大丈夫なんですか?僕は高遠の事については明智警視長からの話でしか聞いていませんから、脱獄後に金田一君やその関係者へ何らかの攻撃なり害意を持った行動を起こす可能性についてを否定出来ないと考えてしまうんですが・・・」
「白馬君の懸念は普通に考えればもっともと言えます。ですが高遠の考え方や人格について少なからず知っている私から見ればそういった金田一君や、その周りの人間を予告も何も出さずただ直接殺しにかかるといった手法を取ってくる事はないと思います。あの男の美学としてそういった自身の芸術と称するトリックは用いず、ただ殺すだけというような行動は無粋といったように思うだろうこともそうですが・・・何より高遠の金田一君に対するこだわりや執着心といったモノは他の追随を許しません。そんな高遠なら金田一君やその周囲を殺すためなりハメようとするなりする時は、自身の完全犯罪の舞台に招き入れる時だけだと思いますからね」
「・・・だからそれ以外の時なら高遠が金田一君やその周囲を予告も何もなく襲いにかかるといったことはしないということなんでしょうけれど・・・」
「言いたいことは分かります。そこまで高遠の事を理解出来るほどの付き合いがあることについて、白馬君が複雑な気持ちなのは。ですがそれだけ私や金田一君達は高遠遙一という男と敵対したり向き合ってきたということであり、だからこそというようあの男のそういった面については信頼さえしています・・・自身の美学に反するような行動は決して取らないだろうということは・・・」
「・・・」
そこから先日脱獄した高遠の存在について金田一との関係から口にした白馬に明智はそこまで心配いらないだろうというように答えていくのだが、その重く何かを思うような表情に白馬は何とも言い難げな顔を浮かばせるしかなかった。付き合いや因縁があるからこそ高遠がそういった事は容易にしないだろうと理解しているが、それは裏を返せば舞台が整いさえすれば高遠が行動を起こすのは確実と見ているからこその明智の様子だと白馬も感じた為に。









.
2/27ページ
スキ