自分の当たり前が人の当たり前には確実には当たらない

「は~い、どうも~」
「えっ・・・竹中警視と、誰?」
通報した警察の到着・・・だがそこで現れたのは半兵衛と目暮達ではない数人の刑事達らしき人物で、新一はどういうことかといったように首を傾げる。
「ちょっとその件に関して後で毛利さん達にも話はするけど、取り敢えず今日は俺が現場を仕切るんでよろしく~」
「えぇ・・・」
だが半兵衛が返した言葉に、新一はたまらず胡散臭そうな物を見るように声を上げた。今までの経緯から新一の中で半兵衛が事件を解決出来るなどと、作り上がったイメージから到底考えていなかった為に。


















・・・だがそんな新一の考えをあっさりと覆すよう、半兵衛は事件を解決してしまった。この事に新一は唖然としてしまった。これまでの姿は一体なんだったのかと言うように。

ただそういったやれば出来るという部分を見せなかったことが新一にとっては大いに不満だったが、もっと新一を不満にさせたのは自分の行動を付いてきた警察官に見張らせていた事だ。

ただこれは容疑者に小五郎達を一固まりにして現場の保存をするためと半兵衛から言われたからだが、まずこう言った場合にその場を抜け出し現場やらを見て回りどんなトリックが使われたのかを推理するのが新一のやり方だ。しかしトイレに行くと言って抜け出そうとした新一を待機していた刑事が終始見張りについていたことから、状況の検分に向かうことも出来ないままに元の場所に戻らざるを得なくなった。

勿論新一も持ち前の諦めの悪さがあるために刑事に離れるよう何とか言ったが、竹中警視よりのお達しだから無理だとの一点張りの返しに内心で苛立ちを覚えた。何もしないだけの人が何を言うのかという気持ちになる形でだ。

しかしそういった風に新一が考えている中で、少しして半兵衛は事件の真相を用いられたトリックと共に明かしていった。そして犯人も諦めて自供して事件は解決となった訳だが、新一からすればスッキリしないことこの上なかった。






「・・・さってとっと。事件も終わったことだし、ちょっといいですか毛利さん達?」
「は、はい・・・何でしょうか?」
「今から警視庁に一緒に来てほしいんですけど、時間は大丈夫ですか?色々と娘さんにコナン君も交えて話さなきゃならないことがあるんで、他に用がないならお願いしたいんですが」
「蘭にコナンも?それは大丈夫ですが、一体何の用ですか?」
「そこは警視庁で話します。事件が終わった以上はここで立ち止まって話をしても迷惑ですからね」
「はい、分かりました」
それで事件が解決して後処理も終えた後に半兵衛は警視庁で話をと言い、小五郎は時間があるのと元警察というのもあってすんなりと頷いた。
(一体なんなんだ・・・一体何だって言うんだ、この人は・・・!?)
だがそんな半兵衛に対して新一は内心で苛立ちにも似た気持ちを抱いていた。今までの行動が何なのか分からない上に、今回の流れは一体何なのかと焦れた気持ちになってしまっている為に。






・・・それで警察の車に乗り、小五郎達一行は警視庁へと然程時間をかけずに辿り着いた。そして警視庁にある会議室へと小五郎達は半兵衛の案内で通された。









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