そう在れと造られた割れ鍋に綴じ蓋はもう他には合わない

「まぁその辺りについて考えられなかったのは事件が起きた時やその後の時に他の事を考えるのが難しかっただろう上で、工藤君からの話を受けたことで喧嘩はこれで一件落着といったようになり、そこから考えを深める事が出来なくなったのだろうと思います。事件が起きた後という特異な状況で考えが深められなかったというのは有り得ると思いますし、毛利さんとしては喧嘩はしてもどうにか工藤君と仲直りしたいという気持ちがあったのも相まって、仲直りしたからそれでおしまいというようになったのだろうなと」
「・・・それで胡蝶さんが考えた結果として毛利さんが工藤君との関係について、どうこう考える事が出来なくなっていたのだろうということなのね・・・」
「えぇ、そうですが・・・だからこそというかそういった工藤君関連の事についての不満やら不安やらといったことが爆発してしまう反面で、鈴木さんが言ったようそんな探偵活動をやる際の工藤君の事を毛利さんが好きであるという相反する気持ちがあるからこそ、二人の関係は奇跡的にというかそれこそ意図せずして作られていった割れ鍋に綴じ蓋といったようになってしまったと思うんですよ。先に言ったような理解者といったような立ち居振る舞いをしていたら工藤君は毛利さんへの関心を保つことは出来ず、時折の不満なり不安といったことが毛利さんから出て来てそれらを事件と共にどうにかして、二人は自分達が互いに好きだという事を確認し合う形になる・・・ハッキリ言ってとてもこんな物が普通の恋愛だなんて私は思いませんよ。むしろ全世界を探しても二人のような形の恋愛なんか、話に漏れ聞いた服部君や工藤君の両親くらいしかいない稀有な物だと言われた方が納得出来ます」
「「「「っ!!」」」」
ただそう出来なかった部分も致し方なかったのではと口にしたしのぶに志保も力なくも納得するが、続けた中で二人の関係こそが割れ鍋に綴じ蓋だろうといったようにまとめ上げていった言葉に、また四人はまだ顔色が戻り切れていない中で盛大に息を呑む以外に出来なかった。そのように言われても否定出来る要素などないと。






・・・二人が好きあっているはずなのに決して仲が安定しない理由は、二人以外にこんな付き合い方をするような者達など到底いないだろうといった付き合い方になってしまった事にあるとしのぶは考えた。それこそ近いと言える付き合い方をしてるのは新一の両親や同じく高校生探偵として活動しているという服部くらいしかいないのではないかと、時折聞こえてくる蘭達の話から感じて。

この辺りはしのぶが新一達との付き合いが短いのもそうだが志保や世良と違い、新一との距離感が近くない事から考えた事であった。事件が新一の近くでやたらと起きる事やそんな新一と付き合う姿であったり、度々そういったことで喧嘩してるだとかギスギスしてたみたいな話から、そんな事件やらに出会すなんてことや探偵活動で忙しいだなんてことが、新一以外のそこらじゅうにいる誰かがやっているわけないしましてやそれで付き合ってる人達なんているわけないと。

だがそういった普通ではない形で付き合っているのに、新一や蘭もそうだが昔からの付き合いがある園子を始めとしたクラスメイトもだが、途中から転入してきた世良に志保の二人も同じように普通の付き合いのように思っている。いや、正確には二人だけのお似合いの付き合い方というように思っているのだろうが・・・蘭に話をする為にも色々と考えてきたしのぶからしてみたら、あまりにも歪以外にないまさに割れ鍋に綴じ蓋としか言いようがない関係としか思えないと・・・









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