そう在れと造られた割れ鍋に綴じ蓋はもう他には合わない

「ただそういったことが解決したとなった時は私と義勇さんはしばらく会うことが出来なかったものですが、そうして久しぶりに会った義勇さんの様子の変化には本当に驚いたものであったのと共に、前のような形で接しようとして戸惑うことが多くありました。その点ですり合わせという言葉でもいいですが、今この場では割れ鍋に綴じ蓋という言葉を使っているから重ね縫い合わせるという行為を繰り返していったことにより、前と今の私達の違いを踏まえて訂正していき最終的には以前のように付き合う云々自体が口にされないような関係ではなく、ちゃんとお付き合いさせていただくようになったという結果になったんです」
「・・・胡蝶さんや胡蝶さんの彼からしたらそういったきっかけといった物があったから、二人は変わることが出来た上でちゃんと付き合うまでに至ったって事なんですね・・・以前の自分達だったらそんなことになってたかどうか分からないけど、そんな風に二人共変われたからそうなったっていうように・・・」
「大まかに言えばそういうことです」
そこからしばらく会う時間がなかったことや久し振りに会って戸惑いもあったが、最終的にはちゃんとした形で付き合うとなったとしのぶが口にしていった中身に、蘭が重くも言いたい事が分かったというように口にしていくと肯定するように頷き返す。






・・・しのぶは敢えてハッキリ言わず自分達はこういう状態だったといった話をしていったが、これに関しては蘭達に言っても到底信じられるようなものではないと思ったこともそうだが、そういったことを言うこと自体をしないでおこうと自分や義勇もだがかつての仲間達とも話し合ったが故であった。そんなことを誰彼にと話すような事をしても頭がおかしいと思われるかもだが、もし仮にそれが信じられた場合に面倒な事になり得るということから。

だからしのぶとしてはそれらについてを言うような事はしないようにと思っていたのだが、今回の蘭と新一の件に関しては色々と話をしていきはしたが長年の積み重ねにより出来上がった二人の関係からの様子に、これは簡単にどうこうといった事に出来ると思えないからこのように言ったのである。核心は触れないよう、それでいて自分と義勇の関係について昔の自分達のままだったらとても良好な関係になれたとは思えないといったことを。

現に『今の』しのぶは17才という年齢であるのだが、少し考えればそんな年齢の人間がしばらく会わない時間があったなんて事もそうだが、どんな経験をしたのかというように思うことだろう。今の年齢から考えれば不釣り合いな経験ではないかと。

まぁその辺りの経験だったりに関しては四人というか新一に関わる者達なら大抵に通じることである為に疑うことはなかったのだろうが、しのぶや義勇にその他の仲間達はそれだけの経験をしてきたのだ・・・自身のアイデンティティや性格といった全てが歪むような経験を。

ただその経験についてはしのぶは自身で精算をした上で久しぶりに義勇や他の仲間達に会った際、全ての元凶についても終わらせたというように聞いた時には様々な気持ちが浮かんだが、一番大きく感じたこととしてはちゃんと終わらせてくれたことに感謝といった気持ちであり、本当の意味で解放されたという感覚を得たものであった。仲間達も含めた全ての運命を狂わせた物から解放されたのだというよう。

だからしのぶは四人に言ったようにかつての自分のように振る舞う必要がなくなった上で、義勇も話にしたような態度が変わったことから以前のような接し方と変わったこともそうだが、距離感も変わったことにより恋人関係となったわけである。かつてのようなままだったら恋人になれたとは自分の決意からとても思えなかったが、全てに決着がついたというかつてを思えば手放しで喜べるわけではなくともそれでもそうなったからこそ手に入った今があると考えれば、複雑だからと全てを否定してはならないというよう・・・









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