そう在れと造られた割れ鍋に綴じ蓋はもう他には合わない

「好きだからという気持ちがあることは否定しません。ですが好きだからこそ苦しむ事があるというのもそうですけれど、割れ鍋に綴じ蓋と例えたようピタリと重なって重ね縫い合わせてきたことにより、度々起きる不和で鍋が揺れて蓋が離れるかという事はあっても結局は揺れるだけで、二つが離れるような状態にまではならなかった・・・という結果になっていると思うんです」
「・・・そういったように聞くともうそこまで来たら鍋が揺れるような程度の何かが起きるんじゃなく、鍋と蓋が壊れるだけの何かが起きないと二人の関係をどうにか変えることなんてまず無理なんだろうけど・・・そうなったら二人が別れるか別れなくてももう終わりに近い状態って事になるんだろうね・・・鍋と蓋が壊れるだけの何かが起きるんなら・・・」
「「「っ・・・」」」
しのぶはそこから好きだからならで陥る状態やまた割れ鍋に綴じ蓋についてを合わせた話をしていくと、世良が複雑そうながらもそれに合わせた事を口にしていった中身に蘭達三人も複雑さを滲ませ声を詰まらせるしかなかった。鍋と蓋が壊れるだけの事がないなら二人の事がどうにかならないのは感じたが、それだけの事が起きる時に二人の関係が無事である保証などないという言葉を否定出来ず。
「えぇ、そうなりかねないでしょうね。ですがそれだけの何かが起きなければ二人の関係に変化など起きようがないだろうことは、私も似たような経験があることから感じています」
「・・・似たような経験?」
「私もそうですが私が今お付き合いをさせていただいている義勇さんも、昔はとてもまともな関係を築けていなかったんですよ。今考えてみれば事情があったということがあってもです」
しのぶもその言葉に同意しつつもそう考えた経験があるといった言葉が出たことに志保が訝しげに眉を寄せるが、自分もだが恋人もまともではなかったと返す。
「まず義勇さんの事について今の状態もあって言うのは少し憚られるといった気持ちはありますが、昔の義勇さんは色々とどうかという部分がありました。無表情で言葉が足りず肝心な言うべき事を言うことなくいたことばかりで、周りにいた人の反感を多く買っていたのですがそういった状態でも俺は嫌われていないというような事を口にしていました」
「えっ・・・胡蝶さんから携帯の画像で彼氏さんの姿を見せてもらった事があるけど、あのイケメンがそんなことを・・・?」
「当時の義勇さんは色々とあってそういった様子だったんですよ。ただ今はそういった様子も改善されて表情も豊かになりちゃんと言葉数も増えましたが、私も私で今思い返すと本音をほとんど口に出さず作った笑顔で本当の顔を押し隠していたばかりで、表向きは人との関係は良好な物が多かったとは思いますがその反面としてそういった上辺だけの顔しか見せていませんでしたから、少なからずそういった私の部分を良くないと見ていた人もいたんですが・・・そんな物ですからその当時の私と義勇さんの関係はハッキリと付き合うといった状態ではなかったのも相まって、当時の私達のままだったら今の毛利さん達程ではなくとも問題が多発していただろうと思います」
「けどそれが変わったのがそれだけのきっかけが起こった事だって言うの?」
「はい。と言っても私達の場合はお互いがお互いに抱えていた物について解決したことですけどね」
それでしのぶが相手の事も含め自分達の昔の状態についてを話していき、園子の確認の声に微笑を浮かべながら返す。









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