そう在れと造られた割れ鍋に綴じ蓋はもう他には合わない

「二人とも私の言ったことに納得出来たようですが、工藤君がしばらく学校に来ることなく活動していった時についてさっき言ったよう連絡が来たりだとか、工藤君と直接会えたといったことを喜んで鈴木さんやクラスの人達に話す様子を私も何度も見てきました。まぁその時はそこまで深くは考えていませんでしたが、今考えてみると工藤君と頻繁に連絡も出来ないし会えない状況であるのに以前の遅々として進まなかった二人の関係が、そうした話が出て来る度に工藤君がいなくなる前の時より断然に進んでいると私は感じるようになったんですよ。もし工藤君が学校を休むことなく何もないままの状態で時間が進んでいたなら、二人の気持ちはここまで縮まってはいなかっただろうと」
「・・・しのぶさんがそう感じたのはそれだけ普段の新一君と蘭さんの関係が事件が起きなかったら、今の時点じゃ恋人関係になりそうにないって思ったんだろうけど・・・園子さんはしのぶさんの話を聞いた上で同じようになりそうって思う?」
「う〜ん・・・私としてはそうならないって言いたい気持ちにはなるけど、絶対にそうならないって言い切れない感じも分かるかも。それは何でかっていうと事件が起きないままで新一君と蘭の関係が進んだらって考えると、何かイベントがない限りそういったことは簡単に出来ないんじゃないかって思っちゃったの。これに関しては事件が起きない時のいつもの二人の様子を思い返すと、自分から関係の発展についてをどうこうみたいなののきっかけを作れたかっていうのが微妙かなって・・・」
「・・・そう言われると二人の普段の様子は基本的に悪くない状態で安定はしているけど、安定しているということによる弊害としてそこから更に仲を深めるだとか発展させることについて、きっかけがないならそれが出来ないのではと感じたというのは理解出来るわね。人というのは安定というのは一般的には良好と呼べる状態をそうそう簡単には捨てられない生き物だと考えるとね」
そこからしのぶは何も起きてなかったらと仮定したらとの話をしていき、世良がより二人の関係を知っている園子にどう感じたかと話を振ると悩ましげながらどうとも言い切れないといった感じに答えると、志保も理解出来たというように口にしていく。何も起きてない時に安定しているならそんな発展をさせようという気にそうそうならないとなる気持ちが。
「えぇ。まぁ現実はそうではなく工藤君がちゃんとした形で学校に戻って来た時に、二人は晴れて恋人として付き合うことになったと私達も知る形になりました。ただそこで具体的にどういったことが起きて学校を休んで動いていたかまでは、いつもは事件の経緯を事細かに話していたのにその時の事に関しては話せないというように言っていた物ですから、その辺りについては私からは何とも言いようがないんですけれどね」
「「「っ・・・」」」
それでそんな例えから現実にはこうなったというようしのぶが言っていく中で、新一は学校に来ないで何をしていたのかは具体的に分からないがというように口にした事に、園子以外の三人は何かを言いたげになりながらも口を結ぶ形で黙る・・・実は園子以外の三人は新一がどういう状況にあったかを知っているが、それらについては決して事実を知る者達の間では言ってはならないというよう新一を含めて言われている事から、話を出来ないことに何とも言えない気持ちを感じて。









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