自分の当たり前が人の当たり前には確実には当たらない

・・・現代に蘇った警察の両兵衛と呼ばれる人物・・・これはもう一人の人物の話である・・・

















「う~ん・・・ちょっとこれはな~・・・」
・・・自分の机の椅子に座りつつ、書類の束を手に取りながら半兵衛は周りに人がいない事を確認して頭に手を当てながら何とも言いがたそうな声を漏らした。
「こう言った案件は官兵衛さんに任せるのが本当は筋なんだろうけれど、これを見る限りじゃあんまり意味が無さそうなんだよね~。こっち側だけに色々言っても向こうが行動してきたらそれも意味がないって言うか、自覚がないと根本的な問題解決にはならないだろうし、というかそもそもこっちの方が大きな問題になるなんて想像もしてなかったし・・・となれば官兵衛さんに任せるんじゃなく、面倒だけど俺が動いた方がいいかな~・・・」
そうして色々と一人言を口にしていくが、自分で動かないといけないだろうと一段とやる気なく漏らす。事はそう簡単ではないからこそ、自分が動かねばどうにもならぬというのが分かる出来事を前にして。


















・・・それで数日後に舞台はとある殺人事件の現場に移り変わる。



(目暮警部達が来たか・・・これで現場検証を早くしてもらって、その情報からこの事件の謎を解かないと・・・!)
・・・人が死んでいると警察への通報から数十分後、警察が到着したのを確認して江戸川コナン・・・本当は工藤新一という高校生になるのだが、とある理由から小学生の体にまで肉体が縮んでしまった少年がやる気をみなぎらせていた。色々と謎が多いこの事件を解決するには、警察の検証が必要だと考えていた為に。
「・・・あ~、良かった~。間に合ったか~」
(ん?誰だこの人?スーツを着てて事件現場に来てるところから、新入りの刑事さんか何かか?)
そんな時に緊張感のない声で現場に入ってきた半兵衛の姿に、新一は見たことのない姿とその幼げな容貌から新入りの刑事かと推測する。
「た、竹中警視!?な、何故ここに!?」
(はっ!?警視!?うっそだろ、この人どう高く見ても二十代成り立てがいいとこじゃねーか!?)
だが目暮が驚きながら口にした警視との言葉に、新一もまた驚きを浮かべてしまった。その見た目のあまりの若さに、警視クラスの人間にはとても見えないと。
「ん?どうしたのかな~、僕?おじさんの顔に何かついてる?」
「お、おじさんって・・・お兄さん、いくつなの?おじさんって言うけど、僕にはお兄さんにしか見えないよ・・・?」
「三十半ばだよ」
「へっ!?」
「嘘っ!?全然そんな風に見えない・・・!」
(これは蘭の言うことに同意するしかねぇ・・・同級生って言われてもそれより下って言われても信じちまうぞ・・・)
そんな新一に気付き笑顔で何かと問う半兵衛にいくつかと聞くが、まさかの答えに隣にいた蘭と共に唖然とした。三十半ばにしてはあまりにも若すぎるその見た目に。
「ん~、俺としてはあまり若いって言われたくないんだよな~。昔っからこの顔のせいで年相応に見られなかったし」
(いやいや、無理だって!その顔見て二十代以上って思う人の方が少ないだろ・・・!)
だがそこですねたような表情で愚痴る半兵衛に、新一はより無理だと感じる。その姿はそれこそ十代くらいにしか見えないと感じた為に。









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