いつまでも変わらない今など存在しない
「ま、怪盗キッドに関してはこれくらいでいいでしょ。どうせ銃器を使うことには他の人は反対はするだろうけれど、かといって怪盗キッドを無傷で捕らえる方法があるかって聞いたら他の人が良案を出せるかもだけど、中森警部程キッドに敵対心を持つ人なんていないだろうしね~。まぁ次郎吉氏に関しては応援は出さなくていいにしても、一般的な美術館なんかが要請してきたら対応するくらいでいいでしょ」
「そうだな。一方的に標的にされた所からの救援依頼ならそれでいいだろう。まぁ一朝一夕に捕まえられるとは思えぬが、そういった事態が続けば銃器の使用の許可も出るだろう。とは言え銃器を使用してまで結果が出ぬとなれば問題になる故、そうなったら卿に動いてもらうぞ。半兵衛よ」
「りょーかい。それで何度も失敗しちゃ目も当てられないしね~。俺も頑張っちゃうぞ~」
そうして怪盗キッドの事についてを終わらせまとめようとする半兵衛に官兵衛は銃器の許可が出た場合の指揮を任せると告げると、やる気のないような口調で気軽に返す。だが官兵衛が怒るような事はなく、むしろ口元は微妙に微笑んでいた・・・こう言った半兵衛の態度は端から見れば単にやる気がないように見えるが、付き合いの長い官兵衛からすればこれが半兵衛なりのやる気の現れだと知っている為に。
・・・だが以降に怪盗キッドが世に出るようなことというか、予告状を出してマスコミや大衆を騒がせるようなことはなかった。一応というか、怪盗キッドらしき存在が時たま空を飛んでいると言った話が出てきたりもしたが、自分から派手に姿を現す事はなくなった。一応は鈴木次郎吉氏から何度か挑戦状が向けられたのだが、それに応えるような事もなくだ。
この事から怪盗キッドについて様々な憶測や噂話が立つことになるのだが、当の本人が一切姿形を見せない上に発言もすることがなかったので都市伝説になることになった。怪盗キッドはもう現れることは無くなったのだということで。
・・・そして怪盗キッドが姿を見せなくなった頃から平行して、一人の少年が学校のクラスのムードメーカーだった時の態度が嘘のように静かになっていった。クラスの者達はその少年の事を心配して励ましたりしたが、空元気で返すその姿にどうしようもないといった認識になっていた。
そんな少年に対して親身になる幼馴染みの少女がいたが、その少女に慰められる度に少年は少女を突き放した。自分に関わるなと・・・その事から二人の仲は微妙な物となり、クラスで怪盗キッドの事実を最も知る少年は痛ましい物を見るような目を向けていた。目を反らすことなく、何かに耐えるように。
・・・そして現代の両兵衛と呼ばれる二人も怪盗キッドが現れなくなったことに疑問を浮かべたが、当人達は怪盗キッドに近い立ち位置にいたわけでもなく然程興味もなく担当でもなかった為に深く理由を追求することはなかった。
・・・意図して行動した訳ではない行動が、結果的に怪盗キッドの活動を止めることが出来た両兵衛。だが二人が止まることはない・・・警察という組織に携わる者としての誇りが今の二人の胸の中にあるために。
END
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「そうだな。一方的に標的にされた所からの救援依頼ならそれでいいだろう。まぁ一朝一夕に捕まえられるとは思えぬが、そういった事態が続けば銃器の使用の許可も出るだろう。とは言え銃器を使用してまで結果が出ぬとなれば問題になる故、そうなったら卿に動いてもらうぞ。半兵衛よ」
「りょーかい。それで何度も失敗しちゃ目も当てられないしね~。俺も頑張っちゃうぞ~」
そうして怪盗キッドの事についてを終わらせまとめようとする半兵衛に官兵衛は銃器の許可が出た場合の指揮を任せると告げると、やる気のないような口調で気軽に返す。だが官兵衛が怒るような事はなく、むしろ口元は微妙に微笑んでいた・・・こう言った半兵衛の態度は端から見れば単にやる気がないように見えるが、付き合いの長い官兵衛からすればこれが半兵衛なりのやる気の現れだと知っている為に。
・・・だが以降に怪盗キッドが世に出るようなことというか、予告状を出してマスコミや大衆を騒がせるようなことはなかった。一応というか、怪盗キッドらしき存在が時たま空を飛んでいると言った話が出てきたりもしたが、自分から派手に姿を現す事はなくなった。一応は鈴木次郎吉氏から何度か挑戦状が向けられたのだが、それに応えるような事もなくだ。
この事から怪盗キッドについて様々な憶測や噂話が立つことになるのだが、当の本人が一切姿形を見せない上に発言もすることがなかったので都市伝説になることになった。怪盗キッドはもう現れることは無くなったのだということで。
・・・そして怪盗キッドが姿を見せなくなった頃から平行して、一人の少年が学校のクラスのムードメーカーだった時の態度が嘘のように静かになっていった。クラスの者達はその少年の事を心配して励ましたりしたが、空元気で返すその姿にどうしようもないといった認識になっていた。
そんな少年に対して親身になる幼馴染みの少女がいたが、その少女に慰められる度に少年は少女を突き放した。自分に関わるなと・・・その事から二人の仲は微妙な物となり、クラスで怪盗キッドの事実を最も知る少年は痛ましい物を見るような目を向けていた。目を反らすことなく、何かに耐えるように。
・・・そして現代の両兵衛と呼ばれる二人も怪盗キッドが現れなくなったことに疑問を浮かべたが、当人達は怪盗キッドに近い立ち位置にいたわけでもなく然程興味もなく担当でもなかった為に深く理由を追求することはなかった。
・・・意図して行動した訳ではない行動が、結果的に怪盗キッドの活動を止めることが出来た両兵衛。だが二人が止まることはない・・・警察という組織に携わる者としての誇りが今の二人の胸の中にあるために。
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