もし新一が高校から公に探偵稼業を開始させたら 前編

・・・佐木家は一般的な家庭として見れば、比較的裕福な家である。これは家族共通でビデオが趣味になったからと言っても佐木兄弟にビデオカメラを個々で買ってやることもだが、私立の学校である帝丹に二人とも通わせるだけの事をしていると考えれば分かるだろう。

その事については佐木弟も理解はしているが、新一というか親である優作の財力は佐木家どころかいくつかの家庭をまとめても勝てないだろうくらい、高い差があった。世界的にも有名な推理小説家であり賞も何回も取っているベストセラー作家ということからだ。

そしてそんな優作だからこそ妻である有希子と共に海外に行き、新一を一人日本に残すと共に金を渡すからといった事をするという普通に考えれば有り得ない金の使い方をする訳だが、それがギリギリ可能だからとかではなく余裕を持ってやれるからという計算に確信があるから、優作は有希子とそうすると決めたのである。

それでそういった優作と有希子だが、そんなものだから基本的に新一に対して金を使うことに対して躊躇することはなかった。新一がそこまで金を使うような趣味嗜好をしていないということもそうだが、二人の性格的に新一自身や人の為になるならとだ。

現に前の話になるが新一もそうだが知り合いで新一の幼馴染であり将来的に結ばれる可能性があるからとは言え、他所の家の子である蘭と一緒に海外への旅行のお膳立てをしたことがある。勿論とも言う形で二人の旅行の費用は全額優作達持ちという、数十万単位がほんの数日でポンと消えるような物を事も無げに余裕の様子を見せる形でだ。

だからというかこんな風に新一やその周囲の為ならと多額の金を平気で使える優作達がいるから、新一もまた優作の金をあてにするような行動を幾度となく取ってきたことばかりだったのだが・・・そんな新一でもというか、新一だからこそというように優作達の厚意にずっと甘えるつもりなのかというように言われる事は、新一としては苦い気持ちにならざるを得なかった。

何せ新一は根本的な部分からして格好をつけることを基本としたい人間である。なのに佐木から言われたように親の金を頼りにというか親が金を出すのを当然とし、自分は悠々と何もすることなく益を貪るみたいな人物というように見られるようなことなど、新一からすれば耐え難い事であった。そんなみっともない見られ方をするなど。

ただそれを言うならこれまでの事はどうなのかというようにも捉えらる事は出来るかもしれないが、そこについては佐木弟は何も言ってないこともそうだが一応今はまだバイトをするにも色々立場的に限られる中学生という身分であることもあるし、優作達が親としてやったことだというように考えればまだ許容範囲と言えるだろう。

しかし高校に入学すると決めたのだから卒業時に大学に行ってから探偵になるかどうかはまだ決めてないからともかくとしても、高校在籍時はまだ子どもとして認識は出来ても探偵にちゃんと職業として就くとなれば、もう大人というか社会人という立場になることは確実なのである。

なのにそこで例え優作達が嬉々として一切躊躇いなく金を出してくれるのは想像出来るが、それに甘えたらそれこそカッコ悪いとしか思えなくなったのである。佐木弟の言葉を聞いて初めて自覚した事ではあるが、それでもそんな全て金を出してもらって当然なんて事についてを・・・









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