レクイエムの後に終わる探偵の矜持

・・・レオンの言葉に遠慮も容赦もない理由。これは新一がBOWはともかく人を殺した事がない上に人を殺すことを避けたいと思っている事もそうだが、それ以上に今までの自身の経験を踏まえた物からだった。ラクーンシティでの地獄から始まるバイオハザードに関わってきたろくでもなく、自慢出来る筈もない地獄をいくつもくぐり抜けてきた経験を。

そんなレオンは新一に話をしたようBOWもそうだが人としての意識を残した存在もだが、れっきとした人間を手に掛けた事もある。それも何人もであって説得なんて出来るような物ではなく、殺さなければ殺される以外にない上に逃げて済ませるなんて出来ないという状況ばかりでだ。

こういった経験についてに何も知らない口さがない者達はレオンの事を人殺しだのなんだのと罵る事だろう。バイオハザードの最中だろうがなんだろうがそんなことをやれるなんてと・・・だがバイオハザードというモノの中で生き残るというだけでもいかに過酷であって、残酷な事なのかを全く体験していない者達の言葉でしかないのだ。

現にバイオハザードを体験するまでの新一だったら例え悪人相手でも殺さずに済ませるだとか、何が何でも生き残るようにさせるべきだというように言っていただろうが、実際に現場の惨状に立ち会った事によりそんな新一ですらもが考えが変わるようになってしまったのである。悪人であろうが何であろうが目の前で助けられずに食われるだとか殺され、得意としている推理なんか一切役に立たないし自分も殺さなければ殺されるという非情な現場に立ち会った事で、バイオハザードがそんな甘い物ではないと骨身に染みる形で理解して。

ただそんな新一でも最後のラインとしてやっていないことであり、絶対に避けたいと思っている事がれっきとした人を殺すというモノだった。それが自分の中に残る善性だとか守りたいモノとしての砦であったのであり、かつてバイオハザードに遭った時も人だけは殺していないという認識だったからまだ耐えられていたのである。

しかしレオンから言われた事によりもしコネクションと相対するというなら人と対峙する事もだが、是が非でも殺さなければ殺される上に事態の解決が出来ない・・・それも以降の世界の流れが悪い方向に向かいかねないといった可能性まであるというように認識したことで、新一は最後のラインを越えてでもコネクションと相対したいと強く言う気になれなくなったのである。

それこそレオンの言ったようにBOWなら相対するけど、人が来たらレオンを始めとした誰かに任せるなんて甘いことが認められる筈ないと思ったことから、それでもやってやるなんて軽々しく言えないというよう・・・






「・・・今の話を聞いてそれでも現場に行きたいというなら俺じゃなく上に掛け合え。それで上がお前の事をどう判断するかは分からないが、上が現場に出すと判断したのならその時はもう人が相手になろうが殺す事は覚悟することもそうだが、命令違反すれば即刻強制送還となる事を承知しなければならないだろうが・・・例え上からの許可が出てそうならないように隠れて動こうとしても、訓練された兵士相手に逃げて殺さずに済ませられるとは思えないから、その時はまずお前が死体になっているだろうがな」
「っ・・・!」
そうして自分にじゃなく上に言えと言うレオンだが、それで許可が出ても人を殺さないような抜け道の考え方をした所で兵士と会えば待つ道はまず死・・・というように言い切り、新一は顔を青ざめさせた。下手に小賢しい考えをしたら却って死ぬ可能性が高くなると突き付けられた事に。









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