暴食がもたらす不幸

「その辺りはその時の先生はまだ詳しくあの娘から話を聞いちゃいなかったが、症状やらを聞いた上であの娘の体を見た時にはもう何が起きたのか大体分かったっつってたよ。似たような患者には何人も会ってきたからってな」
「似たような患者って、そのドカ食いをしてきた人ってことか?」
「あぁ。正確に言えば食生活が乱れてる人達だが、あの娘に関して検査すると高脂血症に動脈硬化に糖尿病・・・まぁ他にも色々な病気の名前もあったが完全に手遅れとまで言わなくとも、もう体は手遅れレベルにまでかなり突っ込んでるって事らしいからな」
「・・・その三つだけでもヤベェって分かるのに、まだ他にもヤベェ症状があるのか・・・」
それで先生がいかに見たかもだがどんな症状があったのかというのを小五郎が口にしていくと、新一はたまらず引いた声を漏らす。事件に関わるような医療用語なら大抵把握している新一は意外と普通の医療知識にはそこまで精通していないが、それでも例に出て来た三つはそんな新一でも聞いたことがあるとなるくらいにはヤバい物だと分かる為に。
「ま、俺もそこまでひでぇのかってその時思った上で今回に関しちゃ外で倒れたことは不幸中の幸いと思うようにと先生はあの娘に言ったんだとよ。話に聞いたような食生活を続けていたら体を検査したから言えることとして、運動を普段しないのに無理矢理痩せようと走ったから体に無理が来て倒れたが、そうせずにいたとしても遠くない内に糖尿病やら脳梗塞やら心筋梗塞やらあらゆる事がいつ起きてもおかしくなかった上で、家の中だったら誰にも助けが呼べないままお陀仏になる可能性があったからってな」
「っ・・・あの人は一人暮らしなのか?」
「あぁ。就職の際に田舎を離れてこっちに来て一人暮らししてるってことらしいんだが、だからこそ一人暮らしではっちゃけるようになってドカ食いをするようになったんだろうな。けどその結果がアレだ」
「・・・そう聞くと本当にまだ生きているだけ良かったどころか完全に手遅れになる前で助かったんだろうけど、なんでそこまでになったんだよ・・・あの人の働いてる所って健康診断もないような劣悪な環境だったのか?」
更に小五郎が話を続ける中で望月がいかに今生きている事が運が良かったかを主に話していく中で、新一は戦々恐々というようになる中で望月の職場が悪かったのかと口にすると、小五郎は呆れたように頭をかく。
「・・・そこに関しちゃあの娘が完全に悪いっつーかなんというかって話になるが、健康診断はあったらしいが体重以外の数値は全く見てなかったとのことだ」
「・・・は?」
「お前がそんなリアクションになるのは分かる。実際俺も初めて聞いた時はお前のようになったし、先生もそういったように返した人は初めてだったっつってたよ」
そこで出て来たまさかの体重以外気にしてなかったとの答えに新一はたまらず呆けた声を漏らすが、小五郎も先生も似たような物だったと返す。
「他の似たような症状が出た患者にそういった事を聞いたら数字上の事なんか一々気にして生きるなんざつまらねぇみたいに、数値は見たが大して改善する気もなく気付いたら症状が深刻化してたってパターンが多かったらしいんだが、あの娘はただ前より太ってるかどうか以外の数値を気にする事すらなかったらしいんだよ」
「いや・・・あんまりこんなこと言いたくはねぇけど、あの体を見た後だと太らないように気を付けてたとかそんなこと一切ないようにしか思えなかったんだけど・・・」
それで他の多数の患者についてを例に出されたという小五郎に、新一は言いにくそうにしながらもそんな太りたくないという意識を感じなかったと返す。先にも感じた事だがあの体のボリューム感からそんな気持ちを持っている方が有り得ないのではと。









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