身勝手に付き合うばかりが優しさではないし、付き合いたいと思うモノばかりではない 後編

「これに関してはいくつか理由はあるが、まず一つ挙げると前よりは断然に哀の事を信じているのは確かではあるだろうが、心の奥の部分では元組織の人間ということに対しての気持ちが消えていなかったのだろうということだ。これに関しては代表的な例を挙げるとパイカルの事を哀に教えていなかった事だ」
「あのピスコの時が新一が哀ちゃんの事を信じていなかった事の証拠・・・?」
ただアムロは理由は複数あるとまず一つそれを口にするが、その例を挙げた事に阿笠達はどういうことかと眉を寄せる・・・ピスコの件で新一は灰原の危機的な状況を打破する為に灰原のいた場が世界の酒を集めている酒蔵といった場所だったことから、そこにあるパイカルを飲めば状況をどうにか出来るから飲めと言った事があって、現にそれで灰原の絶体絶命といった状況を何とか切り抜ける事が出来たのであるが・・・
「俺が言いたいのはあそこで初めて哀にその事を言った事が問題じゃなく、その前に哀にパイカルの事を言わなかった事についてだ。新一からしたらまだ哀と知り合って然程時間が経っていなかったのもあって、完全に哀の事を信じ切るには色々と難しかったというような言い分はあるかもしれない・・・だが俺からしたら新一の体が一時的にでも元に戻った事もだが、新一を小さくした薬の作成者がまず組織に戻る訳がないと言えるような状態までオマケに付いてくる形で自分達の元に来たのに、その事をその時まで言わずにいたのは明らかにおかしいとしか思えなかったんだよ。少なくとも哀が裏切る事はないと確信出来る状況だと判断したら、俺なら真っ先にパイカルの事を話して元の体に戻る薬を作る為の手掛かりにならないかと、哀に伺いを立てるだとかパイカルについて研究をしてほしいといったような事を言っていたと思うからな」
「「「「っ!」」」」
・・・その時に初めて言った事がいかに自分からしたらおかしいと思ったか。それらを語っていったアムロの言葉に四人は一斉にハッとしたように息を呑んだ。そういったように言われてみれば早めにパイカルの事を言っておくのは妥当だというよう。
「この辺りに関してはパイカルは結局完全に自分を元に戻さなかったからハズレと見て、元に戻れる材料と見なかった可能性もあるだろう。だが俺から見たら次の理由もあって新一はナチュラルに哀にそれらを言うことを除外していた可能性の方が大いに有り得ると見た」
「・・・ならその次の理由とは何なんじゃ?」
「哀の性格や考え方、そして組織に対しての畏怖も相まって組織に関しての情報を絞って伝えないその姿勢を、新一が気に入らなかっただろうことだ」
それでアムロが話を続ける中で次の理由と口にした事に阿笠は先を促すと、組織の情報を言わなかった事だと返す。
「これに関してはニュースで哀がいたという場所が組織の手で焼却処理されたとハッキリ明言したという時を思い出してほしいが、新一の性格を考えれば想像出来るだろう・・・その場所がそうなる前に新一にこういう場所だというように知られていたなら、どんなに制止されようが絶対にそこに行ってそいつらを捕まえてやるといったよう、止めようとした相手に対して引くことなんて嫌だと怒鳴り散らす姿がな」
「だろうな・・・新一からしたら元に戻る為のきっかけになることもだがその組織を壊滅させるだとかの為の物になるかもしれないのに、それを止められるだなんてふざけんなってなるだろうってのは目に見えてる。そしてそれを灰原も少ねぇ時間しかいなくても分かったのもあってその場所が処理されるまで何も言わなかったんだろうが、だからこそ新一はそんな灰原を心底からは信用出来ねぇ存在だって心の奥の方で感じたって事か」
「大まかに言ってしまえばそういうことです」
「「っ・・・」」
そのニュースがどういった中身であるかに灰原と新一の間でどんな内心になったのか・・・それらを自身の目から見た事として話していくアムロに小五郎が理解出来たというように漏らし、アムロが頷いた様子に優作と有希子は苦い顔を浮かべてしまった。新一の性格やら考え方なら確かに俺に言えば良かったのにだとか、俺を信用出来ないのかといったようになりそうだと言葉にせずともシンクロして考えてしまった為に。









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