身勝手に付き合うばかりが優しさではないし、付き合いたいと思うモノばかりではない 前編

「・・・アムロさんの言いたいことは分かったし、俺一人で全部どうこうなんてことが出来ないってのも分かった・・・でも、それでも少しの間だけでもいいから俺のやりたいようにやらせてもらえませんか・・・?」
「・・・は?」
「「「っ・・・!」」」
・・・そして最後に当事者の新一が諦めると言えば場は収まる、という空気の中で新一が口にしたのは妥協というかせめて少しだけでも自分でやらせてほしいと、協力を願う言葉だった。
だがそうして新一が切に頭を下げた姿にアムロは再び先程のように声色を冷たくする様子に、優作達も緊迫感を瞬時に抱いて身を震わせる。
「・・・アムロさんに迷惑をかけるのは分かってますし、厳密には一人でなんて色々な意味で出来ないのは分かりました。けどそれで父さんの言うようにしたらこの事件に思うように関わることが出来なくなるって考えると、それを受け入れたくないって気持ちになって・・・」
「・・・だから少しの間だけでも新一が自分の思うようにその男達を追うための時間が欲しいと言うんだろうが、俺も新一の性格を分かっているから言わせてもらうが状況がどうあれ終了という時間が近付いてきたら、後少しだけだとかやっぱりまだ時間が欲しいと言い出してくるのは予想はつくぞ。仮に事が上手く行っていたなら尚更にこんな所で自分は退場だとか後は任せてバトンタッチだなんてこと認められる筈がないというようにな」
「そ、それは・・・その・・・」
ただ新一はおずおずと頭を上げた上で少しの時間でも自分でやりたいという事を口にしていくが、アムロが冷ややかにもしもの場面についてを口にしていくと新一は言葉を詰まらせる様子を浮かばせ、優作達もその姿に何とも言い難げな表情を浮かばせた・・・新一が諦めの良くない性分なのは自他共に認める物だが、だからこそ期限を決めてもそれを守るなんて気持ちになれない・・・それこそ上手く行っていたならよりそこで終わりなんて受け入れる筈がないと、新一自身も優作達もアムロの言葉からそうするのは間違いないと理解出来た為に。
「・・・否定出来ないがそれでもどうにかならないか、諦めきれていないといった様子だな・・・こういう時にお前が頑なな事は俺も知っているから、正論でどうこう言おうが素直に頷けないだろうことは分かっている・・・だから条件を呑めればにクリア出来るならを前提にさせてもらうが、俺が探偵役を引き受けることは承知しよう」
「「「っ!?」」」
「本当か、アムロさん!?」
・・・だがそんな中でアムロが仕方無いといった空気を盛大に滲ませながら条件を出すという前置きをしながらも、探偵役をすると切り出した事に優作達は驚きを露わにして新一は満面の笑みを浮かばせる。
「落ち着け、条件があると言っただろう。これに関してはいくつか考えたことがあるが、まず一つ条件を先に言わせてもらうとお前が俺に探偵役をやってほしいと言うからには、様々な面での金を払ってもらう。これは譲る気はない」
「えっ・・・金・・・?」
しかしアムロが続けた条件の一つと口にした金との言葉に新一はキョトンとした顔と声を漏らすが、優作はそういう事かと納得し様子を浮かべた。
「俺に探偵役をやってもらいたいというからには探偵事務所を開くだけの金が必要になるのは分かるだろうが、それをお前の為に俺の懐から全部払えと言うのか?事務所の家賃に光熱費といったそういった金を協力する立場にいる俺の懐から、協力してくれと言ってきたお前の為にと」
「そっ!それは・・・!」
それで更にアムロが続けていった金についての話に、新一も言いたいことが分かった上で言葉を詰まらせてしまった。アムロの立場からすれば新一の為に金を使うのはおかしいとなるのが理解出来たのと同時に、そういった金がかかる事についてなど一切新一は考えて無かった為に。









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