身勝手に付き合うばかりが優しさではないし、付き合いたいと思うモノばかりではない 前編

「・・・どうしようかのう、アムロ・・・これなら・・・」
「どうしようも何も優作さん達に連絡は確実にしないといけないだろう。新一があんな姿になったのに優作さん達に何も言わないままでいたところで、この家にいきなりあの新一が一人で暮らすなんてことにしたらどういうことだって言われる事もあるけれど、同時に新一がどこに行ったのかということが話題になったら妙な事態になりかねないことを考えれば、問題になってからどうこうとなる前に優作さん達とどうするか話し合っておいた方がいいと思うな」
「むぅ・・・新一は嫌がると思うが・・・」
「それで色々言われるのは間違いなく新一当人もだが、隣のこの家に住んでいて日頃から交流している博士や俺達だよ。そうなったら面倒な事になるのは目に見えている」
「うぅむ・・・そう言われると否定出来ぬのう・・・」
・・・阿笠邸の風呂場の前にて。アムロは阿笠と共に風呂場を見ながら二人で話し合っていた。今風呂場にいる新一の事についてを。
ただ阿笠はどうにか新一の為にどうにかならないかといったような声を向けていくが、アムロが淡々と返していく言葉に難しいというように表情を歪める。






・・・きっかけは家で研究を阿笠としていたアムロがふと家の前で何か起きていると感じて外に出たことからであって、そこで見付けたのは隣の家に今は一人で住んでいる高校二年生の新一・・・がその体を小学生低学年程にまで小さくしていてダボダボの服を着ていた姿だった。

その姿に最初見た目だけ見て新一とは思わなかったアムロだが、その後の会話でもそうだが自身を見てきた時の精神を感じた時に、これは間違いなく新一だと感じたのである。こんな風な雰囲気を感じさせる者など知る限り新一以外有り得ないと。

だからアムロは外は雨が降っていたのもあってずぶ濡れだったことから阿笠邸に入るように言ったのだが、最初は新一は自分のウチがいいと言った。だが風呂ならウチなら沸いているし工藤の家で今から沸かすと時間がかかるから、今の濡れ鼠の新一の状態じゃ待っている間に風邪を引きかねないからこっちに入れ・・・と説得した事により、新一も風邪を引きたくないからと渋々了承したのである。

そして新一を家に入れて阿笠に顔見せをして風呂に入っている間に話を聞いて阿笠にも新一の事を信じてもらって、今に至るというわけである・・・






‘ピンポーン’
「ん・・・誰か来たようじゃな」
「っ・・・俺が出るよ。博士は俺が戻って来るまで玄関に来ないように待っててくれ・・・」
そんな中で唐突にチャイムが鳴ったことに阿笠が動こうとするが、アムロはピクリと反応した後に自分が行くと動くがあまりいい予感がしないというように表情を歪めていた。その来客に対して。


















・・・そうしてアムロが出てみれば、そこにいたのは新一が小さくなる直前までデートをしていた相手である蘭なのだが、そこで不安げに新一が帰ってきているかどうかと聞いてきた事にアムロは新一の姿は見ていないし、工藤の家に明かりを見てもいないというように答えると更に雰囲気を重くしながらそうですか・・・と答えた。

そんな姿に新一が戻ってきたらすぐに連絡するようにするから今日の所は家に戻るようにとアムロが微笑を浮かべながら勧めると、蘭も辛いといった表情ながら分かりましたと頷いてその場を後にしていったが・・・蘭の姿が見えなくなった後に深く疲れたように息を吐いた後、アムロは中へ戻っていった。









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