近くにいることと共にいる事は近くも遠い

「もう工藤からしたら探偵として動くだとか働く事は既定から外すなんて有り得んとしか思っていないだろう上で、依頼される以外でも度々起こる予期しない事件もあって最早事件が起きない日常というものについて、工藤自身は起こらなければいいとは言葉にして言いはしても実際はそんなことにはならんと思っているだろうし、俺も然程期間が空いていない中でニュースなどで工藤が事件を解決してきたのを見聞きしてきた事から、普通に考えれば信じられんが事件が起きない日々を工藤とその周りが過ごせるだなどというのは夢物語に過ぎんだろう・・・かつての俺達や先達達の戦いのように果てしない先であろうと、鬼のいない平和な世界という目指すべき終わりがない夢物語というようにな」
「っ・・・私達と違って、終わりがない・・・」
そのまま伊黒がもう新一の周りでは事件が起きることやそれに関わることはずっと終わらず続くだけだろうと、かつてという言葉を用いて言うと甘露寺は苦い顔を浮かべる・・・かつての戦いについては自分達は途中で力尽きたが同じ仲間達が終わらせてくれた事は聞いたが、それはいつに終わるかも分からない戦いではあったがきっかけだとかがあれば終わらせられる物だと思いながら戦い続けてきたが、新一の周りで事件が起きることに終焉など有り得るとはとても今の状態では言えないとは、甘露寺も感じてしまったが為に。
「そうだ。だが工藤はそんな現状にウンザリする事などあの姿からは想像出来んが、そんな中で毛利と夫婦となる事に関してを想ってきたというように言えば聞こえはいいかもしれん・・・だが散々毛利と何度も何度も言い争いだとかをしてきて尚、毛利に自分は探偵なんだから自分の為に折れて欲しいと願うばかりのあの姿は、長い間時間を共にしてきて毛利という存在がそういった事を求めていないというのを理解しようとしないどころではなく、自分の都合の良い存在になってほしいという身勝手である事もそうだがありのままの毛利を好きであるとは到底言えんような物としか俺は思えん」
「っ!・・・だから伊黒さんは工藤君が蘭ちゃんの事を本当に好きだというように思えないって考えた、と・・・」
「あぁ・・・俺も自分の気持ちをいつか理解してくれるだとか理解してほしいと思う気持ちまでは否定はしない。だが先にも言ったように今の時点ですら何十回と約束やら何やらを探偵活動だとか事件で台無しにされ、毛利が何度も爆発してきているのに毛利にそれを尚も理解して受け入れるようになってほしいと思う以外にないのであれば、もう救いようなどない。さっさと別れた方が毛利の立場からすれば楽だろうが、そんなことが簡単に出来んからこそ甘露寺にもだが他の友人などにも頼ってきたのだろうからな」
「・・・そう聞くとやっぱり考えちゃうけど、蘭ちゃんは伊黒さんの言ったことを受けてどういう風にするのかな・・・?」
故にこそ新一がいかに蘭だったりを始めとしたことに対してあれだけ言っても変わる余地などないといったことを言った後に、それでも蘭が簡単に決断出来ない事を伊黒が口にした事に甘露寺はどういった風に決めるのかと不安げに漏らす。
「・・・甘露寺がどういう風に二人になって欲しいのかに関しては、また仲良くなってもらいたいというように思っているだろうとは察しはつく。その上で言わせてもらうと甘露寺もだが他の友人も含めてどうにかならないかと動くだとか考えるようにしても、一時しのぎには良くとも改善には至らなかった上で俺にまでどうなのかというように聞くという段階に来て、俺は同棲をするようにと言った・・・そしてさっきの話でも俺は一応は上手く行かせたいならこうしろというようには言ったが、上手く行かない理由についても俺なりに話をした。だから俺はもうこれ以上はあの二人の事について関わる気はないが、それでも甘露寺が関わりたいと言うなら俺は止める気はない。ただ一つ言わせてもらうとどういった結論を出すかの手助けをするくらいならまだしも、無理にでも二人の事を繋ぎ止める以外の結末は認められないというように考えるのは止めておくようにしろ・・・もうそんなことをしてもろくな結末にならんのは目に見えているからな」
「っ!・・・伊黒さんはそういう風に思うのね・・・」
そんな声に甘露寺相手だからこその柔らかい声色と口調で伊黒は自身の考えを口にしていくのだが、最後に添えられた言葉に甘露寺は悲しげな表情を浮かばせた。甘露寺や周りが頑張っても結果は振るわないだろうというように伊黒が見ているとの物だった事に・・・









.
21/23ページ
スキ