一方的な正しさは許される物ではない

小五郎「おい、頼人・・・それって・・・」

頼人「本来殺人事件などの事件を解決する役割もそうですが、様々な権限を持っているのが警察です。普通に考えれば一介の探偵・・・それも前々からの事を挙げるなら、未成年の存在が警察以上にそれらを振りかざすことは当然の事ではありません。しかし警察というか目暮警部達を始めとした方々は新一君に優作さんといった部外者に自分達では解決出来ない事件について、解決することを何度も委ねてしまった・・・今更になるかもしれませんが、一般的な立場から言わせればそれは警察組織の怠慢のような物と見られるでしょうね」

小五郎「それは・・・!」

頼人「父さんの言いたいことは分かります。マスコミの都合が良すぎではないかと。これに関してはあくまでマスコミがそういった面を取り上げるのではなく、新一君をヒーローに仕立て上げた方がいいネタになったから表沙汰になっていなかったと思っています。ですがネタがネタ足り得なくなれば、マスコミはそういった方面でネタを上げてくる可能性は大いに有り得るでしょう・・・勿論警察を大々的に批判しすぎると色々と制約がかかりますが、一度そう言った方面に話題がいけば・・・」

安室「・・・そういった視点で人々は警察に視線を向けることになり、新一君頼りだった警察の体たらくを批難する・・・と言うわけか・・・」

小五郎「っ!・・・おい頼人、それどうにか出来ないのか・・・!?」

頼人「どうにかする方法は出来るだけ早目に新一君に頼りにすることを止めると共に、頼りにするにしても新一君の存在を隠したままマスコミに知られないようにすることが前提ではあるでしょうが・・・前半も目暮警部達の意識が変わるだけの事態がなければそうそうは新一君を呼んで頼りにすることに歯止めはかけられないでしょうし、後半に至ってはマスコミの目に耳がどこにあるのか分からない以上は得策とは言えません。よくある話の中で警察や政府公認の探偵になる・・・なんて風な認可をされるなんて事もあまり効果はあるとは思いませんね。それで新一君頼りに動きすぎれば結局は警察は頼りにならないと、マスコミが騒ぎ立てる可能性は大いに有り得ると思います」

小五郎「っ!・・・じゃあ、どうにかすることは出来ないっていうのか・・・」

頼人「この辺りはむしろ痛い目を見ないと新一君に頼るのを止めようとは思えないでしょうね。そしてそれは警察組織全体としても同様だと思います」

安室「・・・確かに頼人君の言う通りだろうね。僕自身、頼人君の行動が無ければこの五年で彼を頼って共に事件を解決しようとしていただろう。それほどに新一君の能力は魅力的ではあるが・・・だからこそそんな頼りにした姿勢をマスコミが狙い、人々に批難されるというわけか」

頼人「えぇ。ですから安室さんは気に入らないかもしれませんが、もしそういった流れになったとしても止めに入るのは止めておいた方がいいでしょう。そうでなければ目暮警部一派を始めとした方々がいつまでも新一君を頼りにしたやり方を変えられない可能性が高くなりますし、何より新一君にも昔と違うと言うことを知ってもらって自覚を促さないと警察との関係を変えようともしないでしょう・・・さっき僕は懸念と言いましたが、どちらかと言えば潮時だと僕は思っています。新一君と警察が大っぴらな関係を築き、頼り頼られという構図が認められる状況の」

安室「・・・確かに潮時にするべきだろうね。新一君だから特別に捜査権があるだなんて公に認められている訳ではないし、外部の人間に頼りすぎるのは良くないだろう・・・だがそれを理解出来ないとなれば一度マスコミに叩かれるのも致し方ない、か・・・」

小五郎「・・・そうなりゃ、目暮警部達は・・・」

安室「懲戒に解雇といった処分は無いにしても、減俸に新一君と関わるなとの厳しいお達しが来る可能性は高いでしょう。ですが必要な事だと割り切るしかありません・・・新一君を積極的に現場に呼んできた実績を考えれば、軽い注意で済ませて効果があるとは思えませんからね」

小五郎「やっぱそうなるか・・・」









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