近くにいることと共にいる事は近くも遠い

「・・・なら話してやると言う前に言っておくが、今から俺が話すことは先程までに話した事の一つの延長線上だ。だがそこまで話せば面倒な反応になるのは目に見えていたから言わなかった事になるから言わなかった物だ」
「・・・それは念押しされたから分かりましたけど、何を言わないでいたんですか?」



「それはさっきは最高の理想を互いに相手に投影しているというように言ったが、実際の所としてお前達は共に相手を愛しているだとか好きという気持ちになっているのだろうが、実際は互いに恋に恋しているといっただけだろうというようにしか俺には思えなかったということだ」



「「「っ!!?」」」
・・・そうして再度の念押しと共に新一が何を言わずにいたのかと恐る恐る問い掛けたのだが、伊黒の答えに今まで以上の驚きで三人は体を震わせた。まさかの恋に恋しているという答えに・・・だが対照的に伊黒は全く揺れることなく更に口を動かしていく。
「これに関しては俺は先に言ったような話を聞いていく内に互いが互いに理想を投影しているというようではないかと思う一方で、お前達二人共に十年以上の時間を互いへの気持ちを抱きつつも付き合うという事に至らなかった状況についてに、俺は不自然さを感じずにはいられなかった・・・本当に好きだというのならに気持ちが抑えきれなかったというのなら、状況が整わなければ告白したくないだとか自分から告白するのはといったような言い訳などなく、どちらかから告白していてもおかしくなかっただろうとな」
「なっ・・・お、俺もちゃんと付き合うってなる前に何度も告白をしようと思っていた事はあったけど、それは事件があってその機会が潰れたから・・・」
「そこだ。甘露寺から聞いた話で毛利から何度もそういったような事があったという逸話を話されたとのことだが、本当に自らの想いを伝えたいと芯から思っているのなら機を潰されただとか気勢を削がれたといったような些細な物で止めようなどと思わん物だ・・・少なくとも俺は甘露寺に想いを伝えた時はこの機を逃せば二度とこの機会はもう訪れぬ物だというように思いながら、自らの想いを伝えたぞ」
「「っ・・・」」
「伊黒さん・・・」
そこからいかように伊黒が考えたかについてを話す中で新一はどうにか自身からの言い分を口にしたのだが、それが甘いとばかりに自分がいかにして甘露寺へ気持ちを伝えた物か・・・そう静かながらも決して軽々しく否定出来ない力強さを滲ませた返しに新一と蘭は圧されたようになるが、甘露寺は複雑そうに名を漏らすしかなかった・・・現に二人の想いが繋がった時については新一達に説明しても信じ難い事だと思われるのは目に見えているから甘露寺も口にはしないが、大げさや嘘偽りなどなく正に死ぬ寸前に想いが繋がった上でその時が無かったら今こうして恋人となっていたか、主に甘露寺の昔のクセから今のように恋人関係となっていた保証があったとは甘露寺自身思えなかった為に。
「その点で工藤の想いもそうだがやたらと事件に出会しやすい事に加えて毛利もそれらに巻き込まれるばかりか、時には工藤も毛利もどちらともの命の危機にまで繋がりかねない事も少なからずあったと聞いたが・・・工藤からすれば自分は死なんし毛利も死なせんから大丈夫とでも思っていたのかもしれんが、物事に絶対などないことに加えてその事件とやらで何度も何度も告白の機会を潰されて来たことを考えもしなかった。そう考えると俺にはお前がいかに自分が格好をつけることを優先して本当に毛利と恋仲になりたいのかということもだが、事件が起きる事もだがそこに付随する事についてを本気で考えるだとか感じるだとかといった事に向き合う気など無かったとしか俺は感じなかった。自分や毛利は大丈夫、だから告白する時はちゃんと何も事件も起きない時で格好をつけられる時でなければ認められない・・・といった完全な自身の体面を真っ先に優先して毛利と是が非でも恋仲になりたいといった強い気持ちなどないというような風にしかな」
「っ・・・!」
更に伊黒はそんな様子の新一にいかにその付き合うまでの姿勢についてに想いが感じられなかったのかという話をしていき、それらに新一は辛そうな顔を浮かべはするが否定を返せなかった。伊黒の甘露寺に対する想いの強さを聞いた後というのもあるが、言葉として言われてしまうと自分の思うようにしたいというのを優先し過ぎていて、蘭に対しての想いが後回しになってしまっていたと感じさせられて。









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