近くにいることと共にいる事は近くも遠い

「まぁ今言った事の慰めというわけではないがそこで毛利が工藤と将来的に結婚して暮らすということを考えた時に、毛利は専業主婦になるといった以外に二人共考えられんとなるに至った一因の中には、工藤の家がそのまま使えることもそうだが工藤の父親からの援助は余程でなければ受ける事はまず確実ということから、毛利が働かなくても金銭的な余裕があるのは確実だと二人共に見ていた部分が相当に大きくあったからだろうな。そうでなければこの現代日本・・・それも世界基準で見ても色々と金が大きくかかる東都でバイトでも働くことをして金を貯めるでもなく、探偵として旗揚げをするだとかその活動を働くことなく支えるという事が一朝一夕になど出来るとは思えんからな」
「「っ・・・!」」
ただそんな様子を見せる蘭に慰めではないと前置きをした伊黒からの判断の一因となったことについての予測に、蘭だけでなく新一も否定出来ないどころではなく事実だという物だった事に息を詰まらせるしかなかった。






・・・そもそも新一がまだ職業として探偵に就いた訳でもないし、バイトをして金を稼いだ訳でもないのに探偵としての活動を行えていたのは、新一の父親であり世界的に有名な小説家として活動している優作が資金援助をしてきたからだ。探偵として活動することについてもそうだが高校の頃から一人暮らしを新一にしてもらうにあたり、十分どころか十二分な金を渡す形でだ。

普通ならそんな金を渡すなど一般家庭の出だったらならとても出来ることないことであるが、自身もわざわざ海外での家を借りるだとか妻である有希子と旅行がいつでも出来ても尚、余りあるだけの優作の資金力があるからこその物だった。

そしてそれは実の息子である新一は勿論だが昔からの幼馴染である蘭も当然知っているくらいの物であって、だからこそとも言える形で新一も蘭もナチュラルに考えてしまっていたのだ・・・新一が職業探偵になる時もそうだが蘭と結婚したとなったら、優作も有希子も躊躇うことなくそれらに対しての資金援助を行うのもそうだが、その額が一般的な勤め人が月に稼ぐような金額を遥かに凌駕するだけの物になると共に、蘭は別に働かなくても大丈夫だろうというように。

この辺りに関しては別に家庭内での問題だから別に伊黒は責めるだとか褒めることは無いのだが、その代わりといった代償として蘭の考え方を狭めるといったような事が起きたのであり、今のような状態が生まれたのだろうと突き付けたのである。二人の仲に関して悪い方向での影響が大いに出たのだろうと・・・






「その辺りに関しては子が親を選べる立場にいないから仕方無い事ではあるが、普通の家庭より工藤の親が何倍などとも言えん程に資金力もある上に子どもの夢を叶える事を優先する親だと考えれば、工藤が立場的に恵まれていることは確かではあるだろう。だが過ぎたるは及ばざるが如しという言葉があるように、却って恵まれ過ぎた環境というものは問題が起きる事に繋がったのだというように感じたぞ」
「「っ・・・」」
そのまま伊黒が新一の立場の恵まれ方についてを挙げるのだが、それらを過ぎたるは及ばざるが如しと繋げていった言葉に新一も蘭も揃って苦い顔を浮かばせるしかなかった。伊黒の言うように優作達が親というのは普通に見れば恵まれ過ぎているが、だからこそ話の流れもあってそんな優作達も一因だというように言われて否定出来ない事に。









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