近くにいることと共にいる事は近くも遠い

「そしてそういったような考えがより強調されるのが工藤と一緒にいる時間を増やす事を主目的とするよう、大学に通うと決めたことについてだ。これに関しては昔なら学業に専念して余計な時間は使うなというように言われていただろうが、今の時代は賛否両論はあるとは聞くがそういったことばかりを思って通う訳では無いのは良くあることだとは聞いている。より良い職に就く為の学歴を積むだとか遊ぶ時間を作る為といったような理由と聞けば、前者はまだ良くとも後者は批難されるといったようにだが・・・男といる時間を増やす為というのは傍から見たなら後者のような理由と見られるだろうな」
「そ、それは・・・だ、だったら甘露寺さんはどうなの?甘露寺さんも私と同じように伊黒さんと一緒にいる時間を作ろうと思って、大学に入ったんじゃないの・・・?」
「えっと、そこに関しては伊黒さんと一緒にいたいっていう気持ちはあるけれど、私は大学を卒業したら働く予定でいるわよ?」
「えっ・・・!?」
しかし伊黒はまだ言うことはあると蘭の大学進学の理由のそのものについてを快く思えないといったことを挙げ、蘭はそこで動揺しつつも伊黒ではなく甘露寺はどうなのかと聞くのだが、あっさりと働く予定と返ってきた事に驚きの声を上げた。
「この事に関しては伊黒さんからは俺が頑張って働くからというようには言ってもらえたんだけど、昔と違って今の時代の事を考えると伊黒さんだけが働いて私だけ働かないといったことは良くないんじゃないかと話し合ったの」
「・・・俺としては甘露寺に苦労をかけるようなことをしたくないと思っていたが、俺もそうだが甘露寺も実家を出て自分達の家庭を築くと決めた身だ。それに今はまだ親からの援助を受けているからバイトをしていれば暮らせるくらいではあるが、もう俺は大学を卒業して職に就く時には家からの援助も止めるといったようになっている。だから俺は甘露寺に苦労をかけたくないから出来る限り稼げるようにしたいとは思うが、甘露寺から自分も俺にばかり負担をかけたくないから働きたいというように話をしてくれたんだ」
「勿論というか伊黒さんは私にそんなことをさせたくないとは言ってはくれたけれど、私もそこは譲りたくないと思ったから話をしていって余程の事が無かったらそうするというようになったから、私も大学を卒業するまでにやれることはやろうと決めたの・・・伊黒さんに甘えっぱなしでいないようにするために大学に通う間で勉強だとか花嫁修行だとか色々していこうって」
「「っ・・・」」
そんな蘭へ甘露寺は気乗りはしないといった様子を見せる伊黒とちゃんと話し合ってきた上で大学で色々とやることをやると決めたのだと花が咲くような笑顔で言う様子に、蘭も新一も揃って見惚れてしまった。元々から美女であることは二人共に知っていたしそのスタイルの良さから米花大学内でも評判の甘露寺だが、こういった花が咲くような笑顔を見ることは友達となった蘭や新一でもそうはなかった為に。
「・・・まぁ甘露寺にそういったような苦労をかけたくないとは今も思っているが、同時にそんな風に考えてくれる甘露寺への想いも大きくなった訳だが・・・少し話がズレたから戻すが甘露寺のように色々とした考えを持って動く者もいるわけだが、毛利の場合は工藤と共にいる時間を増やす為以外にない・・・こういった考えでずっといてそれを変えられずだとか何かを参考に別の考えを取り入れるだとかしてこずにいたことが、現状の状態を生んでいると俺は見ているんだ。工藤と共にいるという以外に取れる選択肢がないという状況だからこそその状況にずっともがき苦しむといった状態をな」
「そんなっ・・・!!」
だが伊黒が若干気恥ずかしそうにはしたものの気を取り直して蘭がいかに考えを変えられなかったのが良くなかったのか・・・そういったようにまとめ上げたことに、蘭はすぐに表情を絶望というように青ざめさせるしか出来ずに声を漏らすしかなかった。選択肢が他に無いというか考えられなかったことが原因だということに。









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