一方的な正しさは許される物ではない
頼人「そもそも新一君はお金ほしさにバイトをしたいだとか、家そのものが貧乏だとか切迫した財政になったことなどないでしょうし、これからも工藤家は貧乏などという概念と無縁でしょう。優作さんが小説を書き続ける限りは」
英理「そうでしょうね・・・今の時点でも下手をしなくても一般家庭何世帯分の一生分の生涯賃金くらい、余裕で優作さんの懐の内にあるのは確実でしょうし」
頼人「えぇ。そんなものですから優作さん達は新一君が一人で暮らすにも十分以上の金額を渡してきたんでしょうが、そういった生活をしてきたのもあって新一君の金銭感覚が人より違うことはまず間違いないと思います。その上で優作さん達も何かあれば余程変な要求をしないなら、彼らの経済の支援をすることは確実だと思われます。そんな中で経済に不安のない新一君が殺人事件に関する依頼の解決料だとかを自分の正義感の為、ほぼ利益の出ない金額で行うことは決して有り得ないことではないと僕は思っています」
小五郎「自分に負担がないならそうした方が自分の目指す探偵らしいからってことか・・・」
安室「ですがそれはやってはいけないことでしょう。あくまで今は殺人事件に関してを頼人君は挙げましたが、普通の依頼も含めてそんなことをすれば費用のかかる普通の探偵に依頼をしようとする人が激減することになりかねません」
英理「そうね・・・それにそんな新一君の依頼料を基本にしたら仕事が成り立たない所がほとんどになるでしょうし・・・」
頼人「えぇ。ですが問題はまた別にあって、相場が決まってないならとどんぶり勘定のような形で依頼者や難解な謎を選んで金額だったり優先順位を決める可能性も有り得るのです。お金がある人に黒い思惑がある人物には高い金額、お金がない人だったり事情があるか大きな謎があるなら安い金額を・・・といったように」
小五郎「それは・・・流石に有り得ねぇ、と言いたいが・・・」
頼人「あくまで可能性だというだけですが、僕は相場が決まっていないならとどんぶり勘定のような形で新一君が仕事をすることは十分に有り得ると見ています。実際に新一君が依頼を遂行していって殺人事件に変わった場合、費用がかかるからとお金を出せない依頼人に対して可哀想と言ったような情けをかけるケースもありそうですからね」
英理「確かに新一君の性格なら全く有り得ない事では無さそうね・・・」
頼人「はい。だから僕は利益を出す目的で探偵をやるつもりがないのではと言わせてもらいましたが、ここで問題としてまた別の懸念があります」
安室「別の懸念?それは一体なんだい?」
頼人「警察との繋がりが薄くなるどころか、距離を取るようにと言われる事です」
小五郎「何?あいつなら目暮警部達とうまくやっていけるんじゃねぇのか?」
頼人「確かに仲自体は別に悪いものではないでしょう。ですが問題は別にあって、新一君が職業としての探偵に就いた事になるんです」
英理「職業としての探偵って・・・」
頼人「新一君が高校生探偵として紙面を賑やかしていたことは聞いてますし、組織の壊滅以降もまた同じようにマスコミの前に立っていたのでしょう。高校生探偵が大学生探偵という肩書きになった以外は特に変わらず。ここに関してはまぁいいでしょう・・・問題なのは職業としての探偵になってしまえば、マスコミが向ける目の色もそうですし対象が変わる可能性が大いに高くなる事なんです」
英理「目の色に対象・・・?」
頼人「マスコミは良くも悪くも話題を提供する人物の周りに集まります。その点では新一君のルックスに加えて高校生でありながら大人顔負けの推理を行い、数々の難事件を鮮やかに解決する姿はマスコミからすればいいネタです・・・しかしそれもれっきとした探偵になり、オマケに結婚もしていると来たら新一君の事を特集する意味なんてありません。ネタとしては年齢的にも立場的にも珍しくはない事を新一君はやるわけですからね・・・となれば次にマスコミが狙うネタは新一君ではなく、その新一君を頼りにしていた警察側です」
安室「っ!まさか・・・!」
頼人「そうです・・・マスコミが次に狙う可能性があるネタは、新一君頼りになっていた警察を批判するものです」
.
英理「そうでしょうね・・・今の時点でも下手をしなくても一般家庭何世帯分の一生分の生涯賃金くらい、余裕で優作さんの懐の内にあるのは確実でしょうし」
頼人「えぇ。そんなものですから優作さん達は新一君が一人で暮らすにも十分以上の金額を渡してきたんでしょうが、そういった生活をしてきたのもあって新一君の金銭感覚が人より違うことはまず間違いないと思います。その上で優作さん達も何かあれば余程変な要求をしないなら、彼らの経済の支援をすることは確実だと思われます。そんな中で経済に不安のない新一君が殺人事件に関する依頼の解決料だとかを自分の正義感の為、ほぼ利益の出ない金額で行うことは決して有り得ないことではないと僕は思っています」
小五郎「自分に負担がないならそうした方が自分の目指す探偵らしいからってことか・・・」
安室「ですがそれはやってはいけないことでしょう。あくまで今は殺人事件に関してを頼人君は挙げましたが、普通の依頼も含めてそんなことをすれば費用のかかる普通の探偵に依頼をしようとする人が激減することになりかねません」
英理「そうね・・・それにそんな新一君の依頼料を基本にしたら仕事が成り立たない所がほとんどになるでしょうし・・・」
頼人「えぇ。ですが問題はまた別にあって、相場が決まってないならとどんぶり勘定のような形で依頼者や難解な謎を選んで金額だったり優先順位を決める可能性も有り得るのです。お金がある人に黒い思惑がある人物には高い金額、お金がない人だったり事情があるか大きな謎があるなら安い金額を・・・といったように」
小五郎「それは・・・流石に有り得ねぇ、と言いたいが・・・」
頼人「あくまで可能性だというだけですが、僕は相場が決まっていないならとどんぶり勘定のような形で新一君が仕事をすることは十分に有り得ると見ています。実際に新一君が依頼を遂行していって殺人事件に変わった場合、費用がかかるからとお金を出せない依頼人に対して可哀想と言ったような情けをかけるケースもありそうですからね」
英理「確かに新一君の性格なら全く有り得ない事では無さそうね・・・」
頼人「はい。だから僕は利益を出す目的で探偵をやるつもりがないのではと言わせてもらいましたが、ここで問題としてまた別の懸念があります」
安室「別の懸念?それは一体なんだい?」
頼人「警察との繋がりが薄くなるどころか、距離を取るようにと言われる事です」
小五郎「何?あいつなら目暮警部達とうまくやっていけるんじゃねぇのか?」
頼人「確かに仲自体は別に悪いものではないでしょう。ですが問題は別にあって、新一君が職業としての探偵に就いた事になるんです」
英理「職業としての探偵って・・・」
頼人「新一君が高校生探偵として紙面を賑やかしていたことは聞いてますし、組織の壊滅以降もまた同じようにマスコミの前に立っていたのでしょう。高校生探偵が大学生探偵という肩書きになった以外は特に変わらず。ここに関してはまぁいいでしょう・・・問題なのは職業としての探偵になってしまえば、マスコミが向ける目の色もそうですし対象が変わる可能性が大いに高くなる事なんです」
英理「目の色に対象・・・?」
頼人「マスコミは良くも悪くも話題を提供する人物の周りに集まります。その点では新一君のルックスに加えて高校生でありながら大人顔負けの推理を行い、数々の難事件を鮮やかに解決する姿はマスコミからすればいいネタです・・・しかしそれもれっきとした探偵になり、オマケに結婚もしていると来たら新一君の事を特集する意味なんてありません。ネタとしては年齢的にも立場的にも珍しくはない事を新一君はやるわけですからね・・・となれば次にマスコミが狙うネタは新一君ではなく、その新一君を頼りにしていた警察側です」
安室「っ!まさか・・・!」
頼人「そうです・・・マスコミが次に狙う可能性があるネタは、新一君頼りになっていた警察を批判するものです」
.