近くにいることと共にいる事は近くも遠い

「・・・伊黒さんはそんな風に二人の事を考えていたの?」
「あぁ。甘露寺から話を聞いて俺なりに考えてみたが、確かに変わらない愛というように聞けば一見は聞こえはいいだろう・・・だが愛情が変わらないのはまだしも、喧嘩をする際の理由までもが変わらないというように俺は感じたんだ。喧嘩が起きるきっかけだったりは違ったりしてはいるが、大元のそこに繋がる理由は大体似たり寄ったりで大きく変わる物ではなかったとな」
「「っ・・・」」
ただ甘露寺はそんな風に感じていたのかと聞くのだが、伊黒が迷うことなく答えていく声に新一と蘭は何か言いたげにしながらも、口を結ぶしかなかった。言われてみればきっかけはどうあれ喧嘩の理由の根本的な理由は変わらなかったというのを認めざるを得ないと。
「・・・二人も感じる事はあるっていうのは今の様子から分かるけど、同棲することが荒療治ってどういうことなの?」
「言葉だけでこれが問題だなどと言った所で簡単にそれが解決するなどと見込めないだろう事もそうだが、今のままが続いて結婚した所で今のままの喧嘩が結婚後も続くだろうとしか思えなかったからこそ、それを覆すだけのきっかけが何かと考えると同棲以外にないと見たんだ・・・甘露寺から聞いた二人の性格に考え方から共に暮らすのは結婚してからというように言うだとか思うことは想像出来たが、それを避ける上で打開する為の方法が何かと言えば結婚する前に二人での暮らしを体験させることもだが、色々と考えるきっかけになるのは同棲くらいしかないだろうとな」
「「っ・・・」」
しかし更に甘露寺は何で同棲が荒療治に繋がるのかと聞くが伊黒が自分として結婚してからでは遅いのもだが、二人での生活をするのには同棲以外にないといったように思ったとの答えに、新一も蘭もハッとしたようになった。まだ結婚前ならどうにかなるというように言えるが、結婚せずに二人で過ごすとなれば同棲以外にまずないということを感じて。
「これに関してはあくまで俺がこう考えたというだけだ。俺は是が非でもお前達にこうしろと強制するつもりはないが、世間的に同棲することによる利点として挙げられる意見の中に、本当に将来を共にするべき相手かを見極める機会を得られたという物もあった。そして共に暮らして初めて知る物もあったから同棲をして良かったといったような声もだ。これに関しては俺も甘露寺と同棲をしたことで実感している」
「・・・そうなんですか?」
「あぁ。昔から甘露寺の事を知っていたのもある上で同棲はせずともそのまま付き合っていけばいいのではと、甘露寺が大学に入る前に考えたこともあった・・・だが実際に同棲をしてみた結果として思いの外、大変だったり戸惑うというようなことが多かった」
「確かにそうだった・・・伊黒さんの事は前から知っているから上手く行くって思ったし、将来的には結婚するんだからで同棲をするようにしたんだけれど、意外とっていうか二人で生活することがこんなに大変だったのかって今思い出すと私も感じたもの・・・実際に一緒に生活すると好きだからどうこうなる事だけじゃない事がその生活の中で色々出て来たのを思い出すと・・・」
「「っ・・・」」
そんな中で伊黒が同棲による利点もだが自分もそれらを理解出来たといった声に新一は探るような声を向けるが、甘露寺もそこに入ってきて同棲が決して順風満帆に進んで来たわけではなかったと漏らすと、二人は意外そうに息を呑んだ。伊黒はそこまでではないが甘露寺とは新一も交流は蘭を経由して多少なりともあるから伊黒との交際は順調だと思っていたが、実は裏では色々あったということを初めて聞いて。









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