独りよがりの愛は二度終わる

・・・小五郎から決して許さないとの意思を見せられ、そしてそれに逆らわない方がいいということもだが何よりもう逆らえないという気持ちに新一がなってしまったその頃・・・二人の話題の中心となっていたマリーは米花町から離れ、就職すると決まってから通勤するのにいい場所だと借りた部屋の中にいた。






「・・・今頃おじいちゃんはお父さんと話をしているのだろうな。私の事で・・・」
・・・小五郎達と別れて部屋に戻ってきたマリーは着ていたスーツを脱がず、電気もつけないままに天井を眺めつつ独り言を漏らしていた。表向きは友好的な空気で場を後にした小五郎が今新一に対して今まで秘めていた事について話しているだろうと察して。
「本当ならそんなことはしないでいいと言いたかった・・・けれどやっぱりおじいちゃんも人間だから今までの事が我慢出来なかった上で、私にはその光景を見せたくなかったって気持ちを感じたから今止めても後で同じようになるだろうと見たから、言っても意味がないと感じたからな・・・」
そのまま何故それで小五郎を止めなかったのかを一人口にしていくマリーだが、我慢を上回る気持ちを感じた上でいずれ同じ事は自分のいない時に起きただろうから止めなかったと漏らす。小五郎が止まるわけなかったのは目に見えていたと。






・・・マリーからしてみれば小五郎は祖父としてもだが人としても優しい人である事は小さな頃から理解していた。自身が生まれてから自身の事を気にかけてくれていた事もそうだが、新一が蘭と一緒に活動したいという気持ちを押し通そうとしていた時に心から怒る姿を見てきたことからだ。

マリーとしては小五郎の気持ちだとか態度については本当に嬉しいと思える物だった。自分の事を本当に想ってくれるからこその怒りだからこそ、自分が救われる物だというように思えたから。

だがそんな小五郎の気持ちを感じた上で新一の思う展開にしてほしいとマリーが願ったのは、小五郎達の話の中で出たように新一と蘭の仲が壊れてしまうことを始めとした問題があると感じたからだ。小五郎や蘭の気持ちや考えは分からないとは言わないが、新一の気持ちがあまりにも強く頑な過ぎて諦めるような要素など感じなかった事から、長引けば長引く程に新一の頑なさに蘭達も怒りから引かないといった事になって関係の崩壊が訪れるだろうと。

だからマリーは小五郎に子どもとしての顔でそういったことを話していって、二人がそういった生活をすることについてを了承してもらったのだが、やはりというか小五郎は新一に対する怒りについてを沸々と抱えているのをマリーは感じていた。自分に対しては表向きはそれらを見せないようにはしていたが、内心での怒りは確かに存在していた上で特に新一が蘭と共に会いに来た時にはそれらが一気に高まっているのをだ。

この怒りに関してはマリーとしても指摘してはいけないものだと思い、それを小五郎に口にすることはなかった。それは個人の中で口に出さずに収めている物であることもそうだが、それを明かしたら小五郎が悲しそうな顔になるのが目に見えていたからだ。ちゃんと隠していたのにそれが分かられていたなんてとなる様子になるのが。

だからマリーは表向きには何も言わずにいたわけだが、先程の店での新一の自分は誰よりもマリーのいい親をやれていたと全く疑っていなかったいい笑顔に、小五郎の怒りが今までにないくらいに強まったと感じた上で店を出た際の真逆の友好的としか思えない笑顔と声を受けて、もうこれは今止めても後で新一に接触して怒りをぶつけるだろうとなったからマリーは小五郎の事を止めないと決めたのである。もう結末は変わらないだろうし、自分も就職して小五郎の元を離れるのだからそうならないように止めるのは不可能だろうからと・・・









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