独りよがりの愛は二度終わる

「そんなっつーが蘭をそうしたのは他ならないお前だ。お前が蘭と一緒にいたいが為に蘭を母親でいさせる時間を失わせて、時々マリーの元に来て用事が済めば母親の務めを果たしたと思って満足してまたお前の元に戻るって生活に戻る・・・もうマリーが米花町から離れるってことも相まって今更そういった生活を止める理由も意義もねぇから、むしろ俺からの話だとかマリーの抱いていた気持ちだとかを知ったら、始めからそう言えばよかっただろうみたいに言ってヒスるのは目に見えてる。それこそ今更そんなことを言われても自分は悪くねぇって風にだ」
「っ・・・そうなったら・・・」
「もうさっきみてぇな穏やかな気持ちはどこへやらと、ずっと蘭が俺達もそうだがお前にも何でそういったことに気付かなかったし考えなかったんだと、自分以外の全方向に当たり散らすのは目に見えてる。だから流石に俺は蘭にはこの事を言うつもりはねぇが・・・それでも蘭をあぁした元凶であるお前だけにはこうして話をしようと思ったんだよ。マリーの事を考えもしなかったお前がいい親だって風にこれからも思い続けられるなんて我慢ならねぇと思ったことからな」
「ぁっ・・・」
そして蘭について事実を話したとしたらと仮定するように言っていった上でそれをしないと決めたと言った後に、だからこそ新一に話すと決めたとの小五郎にようやく新一も理解したと小さく声を漏らした。もう新一を許す気はないという怒りを。
「まぁ今までの話を聞いてお前も流石に罪悪感があるからと言っても、蘭にここでの話をしたらどうなるか分かっただろうから何も言わせずに済ませようとするだろうし、俺も別にここから出たら何かお前に言うつもりはねぇ・・・ただ俺がお前に望むことはただ一つだけだ。それはもう今までの態度を変えることなく話をお前の中で抱えて生きていく事だ」
「え・・・な、何でそんなことだけなんだ・・・?」
「どうせお前の事だ。何かをやれって言われたらそれを解決する為にそれに集中して、それをどうにか出来たら心残りは無くなったって仕事や依頼の方に集中してって風になるのは目に見えてる。もう俺にやましいことはねぇんだって感じにな・・・だから俺はお前を安心させねぇためにもお前の事を許すつもりなんざねぇってのもそうだが、今から態度を変に変えられたら蘭が何かあったんだろうって察されて追求された場合が面倒だってのが何よりの理由だ」
「っ!」
しかし続けてこの場の話を抱える事だけが望みと言われて新一はそれだけかと漏らすが、小五郎が更に口にしていった話に蘭についてが理由だとの事に思わずハッとしてしまった。今までの話の流れから決して蘭にそれらを明かしてはいけないと新一も流石に思いはしたが、変に蘭に何か察知される可能性は自分の行動の変化を見られることから有り得ると感じて。
「分かったようだな、蘭が何かを察知したらどうなりかねないかってことが・・・まぁ何も言わないならこれからの蘭はマリーがいなくなる事から俺のとこだとかマリーに会いに来る頻度は相当に減ることになるだろうが、それでも思い立ったらだとか正月だとかで会いに来るような事はするだろう。だから俺としちゃそういう時に関しちゃ表向きは何もねぇというように振る舞うつもりでいるが、そこでお前が平然とした顔で蘭に付いてくるだとかマリーに会うなんて事は俺からしたら許せるもんじゃねぇ」
「っ・・・だからおっちゃんは、俺にずっとここでの話を胸に秘めながら何もないって風に生きていけって言いたいのか・・・」
「あぁ、そうだ・・・お前はこれからずっと今の話だとか俺や英理の気持ちをずっと抱えたまま、蘭にその事を察される事がないように生きていけ。それがお前が今まで親としてだけでなく蘭という妻までもをお前がこうしたいという気持ちだけで変えたことに対する罰だ」
「っ・・・そん、な・・・」
そして今までの話をまとめるように決して新一を許さないと静かながらも強く言い切る小五郎に、新一はもう頭を上げる気力など出せないとばかりにとうとう力を無くしてうなだれる以外になかった。もう見直されたいと思ってもどうしようもない事を心底から理解することになって・・・









.
21/30ページ
スキ