独りよがりの愛は二度終わる

「まぁその事に関しちゃ責める気はねぇっつうか、実際に子どもを持った親になって初めて親としての自覚を持てるようになる奴も少なからずいるのは俺も見てきたから、そこについちゃ色々仕方ねぇとは思いはするが・・・お前の場合は今となって考えてみると言い方はともかくとしても、子どもは出来たら育てはするが是が非でも欲しいなんて考えは持っちゃいなかっただろうっなって思ったんだよ。蘭と違って別に子どもが欲しいだとかそんなことに強いこだわりはないって形でな」
「うっ・・・」
しかしそこで責めないとは言いつつも小五郎が今になって考えたという新一が感じていただろうことについてに、力無くも否定出来ないといった声を漏らすしか出来なかった。実際に小五郎が言ったことは事実であってDINKSという言葉を知らなければ、子どもを積極的に欲しがっていたとは思えないと。
「その様子だと当たってたってとこだろうが、そこに加えてマリーっていう女の子が生まれたってのもそうだろうがやっぱ何よりの要素として・・・探偵だとか推理だとかに興味がない子どもになっていったことが、お前からしたらマリーを自分の仕事に巻き込まないみたいな考えで自分から遠ざけた理由なんだろうと思うんだよ。多分っつーか世良の嬢ちゃんみたいな女でも探偵に興味だとか将来そうなりたいみたいな子どもだったら、お前はマリーとの距離感は何だったのかってくらいに近い位置で接していたんだろうってな」
「っ!」
そして続けて探偵や推理についての話になる中で世良を例えに出されて、そういった子どもだったらと仮定する小五郎にこれまた新一は当たっているというように声を詰まらせてしまった。女であっても探偵や推理に興味のある子だったら、マリーのような距離感など比べ物にならないくらいに近い関係になっていたと感じたというよう。






・・・新一の周りには園子や志保といった一般的な男性よりか弱い女性もいたが、同時に蘭や世良といったような一般的な男性より遥かに強い女性の存在もいた。だから新一は女性だからといっても弱い人ばかりではないという認識を持ってはいるが、それでも優作達の教えもあってフェミニスト気質な部分を持ち合わせていた。

そしてそんな気質もあったからこそ新一は普段から近くにいた蘭達はまだしもとしても、流石に子どもという立場で女の子のマリーを自分というか依頼がある時の自分の近くにいさせようという気はなかった。依頼がある時は事件に発展しやすかったのもある上で、マリーが探偵や推理といった物に興味を示さなかったからだ。

この事に関しては正直残念な気持ちもないことはなかった。確かに世良のような女の子だったらというような気持ちや考えが浮かんだこともあった上で、マリーが一緒にいて事件になった時に新一が事件の真相の解明に入る前に、犯人が誰なのかについてを理屈ではなく感じたというような事が一緒にいた時の全部の事件で言ってきたことからだ。それも百発百中で犯人を当てるというような形でである。

このマリーの感覚や感じ方についてはどういうことなのかだったり非科学的だといったような様々な考えが浮かんだのだが、それらが決して単なる勘では済まない何かということ自体は流石に非科学的な物は信じられないと新一でも、単なる偶然だとかで片付けていいものではないという考えと共にこれを探偵となる為に役立てる事が出来るなら、自分の後に続けるようになれるのではないかと考えたこともあった。

だが肝心のマリーが探偵についてに興味を示すことはないどころではなく、事件に出会う事に関して拒絶したいといった気持ちを抱く姿を見たことから、流石に無理強いは良くないと思って新一も引くようにしたのだが・・・そういったエピソードに関してはマリーが小学生に入る前に起きた事だというのを新一は一切考えていなかった。

そんな小学生に入る前の子どもが探偵だとか推理だとかに興味を持つなんてまず普通は有り得ないというのもそうだが、事件・・・それも新一が出会すモノは殺人事件に非常になりやすいのだ。そんな事件が起きたというピリついた状況についてを感覚的なモノが鋭敏でいて、まだ小学校に入る前の子どもであるマリーが気に入る筈がないということを全く考えていなかったのである。子どもでもそうだが大人でも決していい気持ちになれる筈のない事件現場という空気や環境について、事件の解決の為にという目的があってもいたいとは普通は思える筈がないということを。









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