独りよがりの愛は二度終わる

「・・・どうやら少しは堪えた上で理解したようだが、その上でお前に見せたいもんがあるから持ってきてやる」
「み、見せたい物・・・?」
その姿に小五郎が席を立って別の部屋に向かう様子に新一は不安げな顔を浮かべるが、すぐに戻ってきた小五郎の手元にはアルバムがあった。
「アルバム・・・?」
「まずはそれを見てみろ。そして何でそれを見せたのか、その意図について考えてみろ」
「え・・・?」
新一はそのアルバムにどういうことかと眉を寄せるが、小五郎がアルバムを手渡し見てみろと言ったことに戸惑いつつも中を開いて見ていく。
「・・・・・・えっと・・・意図って言われても、マリーの成長を撮ってきた物だってことしか分からないけど、一体何が言いたいんだよおっちゃん・・・?」
「確かにマリーの成長を撮ってきたもんだってのは間違ってねぇしマリーの為の物だから、マリーがメインに写ってるのは当然ではある・・・なら俺がお前に何を見てほしかったのかもだが気付いてもらいたかったのかと言えば、親である筈のお前も写ってる写真がほとんどねぇってことだよ」
「っ!?」
しかしアルバムを開いて中をじっくり見ていっても言いたい事が分からないと漏らす新一だが、対面に座り直した小五郎から口にされた答えに驚愕に目を見開くと共に改めてアルバムに目を通していくと・・・
「・・・た、確かに俺の写ってる写真がほとんどない・・・」
「これに関しちゃマリーと一緒に暮らしてた俺がカメラ役になると共に写真で共に写る事が多くて、その次に蘭と英理が来て同い年の友達といった順になるんだが、ここで問題になるのが今も海外で暮らしてて日本にいねぇ時間の方が多い優作さん達がお前よっか、そのアルバムの写真に沢山写ってるってことだ」
「っ!?・・・う、嘘だって言いたかったのに、本当だ・・・」
・・・沢山の写真の中に自分が写っている写真があまりにも少ない事に嫌でも新一も気付くのだが、そこで更に優作達にすら枚数が負ける形になっていると小五郎から言われて、再度驚きつつもアルバムを確認すると否定出来ない現実がそこにあったことに愕然とする以外になかった。マリーと共に写真に笑顔を浮かべて写っている優作と有希子の姿がいっぱいあることに。
「やっぱり何だかんだで二人からしても自分達の孫って事で、マリーが生まれてからは前より日本に帰ることが増えたってのもそうだが俺の元っつーか、マリーに会いに来るようになってたんだよ。ただお前は依頼があるだとか仕事が忙しいだとかで家にいることが少なかったから、優作さん達が帰って来てること自体知らなかったりしたんだろうが・・・それでも普通なら海外で暮らしてる祖父母って立場の優作さん達より、お前の方が親として沢山写真に写ってるのが当たり前の筈なんだよ。本当に自分の子どもを愛してるって言うなら仕事の時は仕方無いにしても、空いた時間は子どもに会いたいだとか沢山の写真を撮れるくらいの思い出を作りたいだとかって思う形でだ・・・そこで聞くが、お前マリーとの思い出ってヤツはあるのか?そのアルバムの中の写真以上の数の思い出ってヤツはよ」
「お、思い出・・・!?」
そこから優作達が祖父母としての立場や気持ちから動いて来た事と新一の親としての立場からの対比をしてきた上で、小五郎が問い掛けを向けてきたことに新一はたまらず動揺してしまった。思い出という普通の親子関係があるなら少なからず出て来るはずの単語に。









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