独りよがりの愛は二度終わる

・・・そういったようにマリーについて色々と考えた上で以降の生活を送っていく新一だが、ある程度覚悟はしていたもののまだ歩く事すら出来ないマリーの面倒を見るために蘭が自分の仕事に付いてくる事が出来ず、二人の時間が前に比べて著しく減ったことに関して苦い想いを抱く事になっていた。前なら蘭と一緒にいて満ち足りた時間を送っていたのにというよう。

しかし蘭の為に子どもを作ると決めたのであるし、依頼を解決して帰って来た時に蘭が嬉しそうにマリーの事を話す様子を見て、これが蘭の求めていた物であり気持ちの安定に繋がっているという事を考えると、色々と言いたくなる気持ちを笑顔の下に潜ませて済ませる以外にないと・・・


















・・・そんな風に新一としては蘭に対する気遣いから色々と我慢しつつ動いていくのだが、時間が経ってマリーも成長していったのもそうだがとある事があったことにより、新一の依頼に蘭が付いていく頻度が飛躍的に増えたことに新一は一気に満ち足りるようになった。これが自分の求めた物だというよう。

まぁ飛躍的というように全部が全部というわけではないのは、マリーに親として関わらないといけない行事を始めとした用事がある時だったりするのだが、そこに関しては以前より断然に蘭と共にいれる時間が増えた事や以前も用事があるなら一緒に来ないという事はよくあった為、その時は新一は快く蘭に一人で行ってくると言っていた。

そんな風に用事についてはたまにの二人の関係のスパイスといった感じに新一は思い、それ以外で蘭が不平不満に思うだろうことについては出来る限りは対応し、たまに喧嘩することはあったが良好な関係を続けていき・・・時間は進んでマリーが大学を卒業して就職の為に米花町を離れると報告を受けた時は、新一はマリーの事を祝いつつもこれで後は二人の時間になるというように気持ちが浮き立つのを感じていた・・・


















「・・・どうした?座れよ」
「え・・・えっと、男二人で酒を飲もうって話だった筈なのに、なんで酒がないんだよおっちゃん・・・?」
「そいつは蘭がいねぇ状況でお前と二人で話すための口実だよ。蘭がいる中で話せねぇことを話したいから、蘭をお前から離すためのな」
「っ・・・」
・・・場はマリーの就職祝いを高い店でした後で、小五郎が前に住んでいた住居ごと探偵事務所を新一に貸し出すという形を取った後で小五郎が借りた部屋の中。
簡素なテーブルを挟んで椅子に座りながらもう60という年齢に入って白髪になり、シワを顔に刻んだ小五郎と新一は顔を突き合わせるのだが、付き合いが長いはずなのに蘭と結婚する時にすら見せたことのない鋭く敵を見るような目と顔に、新一はたまらず圧されて息を呑む。






・・・新一が言ったが店での食事を終えた後で解散となった時に小五郎からたまには男二人で俺の所で飲もうと滅多にないことを切り出され、最初は新一もだが蘭も別の店でいいだとか何で二人だけなんだというような事を言った。

だが小五郎がこんな日だからこそというかそもそもを考えてみたら新一と二人きりで飲んだことがないと思ったから、ちょっとサシ飲みがしてぇんだよと笑顔で言ってきたことに、新一もだが蘭も別にそういうことなら別にいいかと小五郎の望みを受け入れる事にしたのである。小五郎の思い付きではあるがそこまで変な要求ではないのだから、別にそれくらいなら一度くらい付き合ってもいいだろうと。

それで蘭と別れて新一は小五郎の家に来たのであるが、家に来た瞬間に小五郎が上機嫌だった様子を消して椅子に座れというよう切り出した事に、戸惑いと共に何が起こるのかという不安を抱いたのである。









.
10/30ページ
スキ