独りよがりの愛は二度終わる

「・・・ん?・・・いつの間にか寝ちまってたのか・・・」
・・・そんな風に苦悩しながら過ごしていた新一だが、自身の部屋のベッドから身を起こして目覚めたことに浮かない表情を浮かべつつ、寝た事にも気付かなかった事に何とも言い難いというように漏らしつつ洗面台の方へ向かう。昨日の記憶をすぐに思い返して自分がどうなったのかを感じながら。







「・・・ん?どういうことだ?何か俺、おかしくないか?なんかちょっと気持ち、若くなってるように見えるが・・・」
・・・そうして洗面台の鏡の前に来て鏡を見た新一だが、ふとそこに映る自分の姿に違和感を覚えていた。一応30という年齢とは言え同年代に比べたら若いと呼ばれるような顔付きをしている自覚のある新一だが、顔の感じが起きる前と比べて違う気がしたことに。






「・・・ど、どういうことだよ・・・今、俺は夢を見てる訳じゃねぇよな・・・色々と調べてみたけど大学卒業前の日付になってる・・・!」
・・・それで何が起きたのか調べてみようと動いた新一だが、カレンダーやらテレビやら携帯やらを確認すると揃って八年程前にもう過ごして過去の物となっていた日付の物だった事に、驚きを隠せていなかったが・・・
「・・・もしかしてこれって、よくSF小説であるタイムスリップってやつなのか・・・それも過去の自分に意識だけ戻るって形で・・・」
・・・伊達に頭の回転が速い訳では無いというのもそうだが、推理小説が主になるとは言え他のジャンルの本も少なからずは読んでいる新一は、今の状況が何なのかについての結論に辿り着いた。自分は過去にタイムスリップしたのだろうと。そしてそう理解したからこそ新一の顔にはやる気に満ちた笑みが浮かんでいった。
「・・・なんでこんなことになったのかなんか分からねぇ・・・けど折角過去に戻ることが出来たってんなら、今度は絶対にやってやろうじゃねぇか・・・蘭と別れる事なく蘭と幸せに生きれるようにすることを・・・!」
そしてそのままに新一はこうなった理由はどうでもいいと蘭との関係についてを改めてやり直す事について、拳を握りながら口にしていく。未練ばかりが残るままにいた中で蘭が結婚するばかりか子どもが出来たことに更に絶望して、気持ちも考えも立て直すことも出来ずにいた中で何故か得られた機会を、絶対に逃さないようにしようという強い決意を・・・


















・・・それから新一は大学卒業や結婚式までまだ時間があるのを確認していた事から色々と考える時間を取ったが、そこで出て来た結論としては今回はDINKSについては諦める事にした。これは蘭が子どもを作りたいという気持ちに向き合わ無かったこともだが、それなら俺達はDINKSで行こうというように真っ向から説得しようとしても蘭が頷かなかったなら、また同じような事になるどころか結婚することすらおじゃんになる可能性までもが有り得るというように感じたからだ。

だから新一の本音としてはDINKSについて諦めたくはないが、蘭と二度の別れに繋がるくらいなら子どもについては作る事は受け入れようという考えに至った。そこに関しては蘭を繋ぎ止めたいという気持ちを優先するが故だ。

まぁその考え方に関して問題となるポイントがあるのだが、新一自身は考えてもいないし後にそれが新一に降りかかる事になることを知らないまま時間は過ぎることになった。後は流れに身を任せて適宜正解を選ぶようにしていけばいいというように考えて終わる形で・・・









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